第12話


 興味に駆られて、急にゴーレムの話になってしまっていたことに、気づく。 


「ああ、すいません。ゴーレムの話です」


 スールアは、薄っすらと笑みを浮かべて。 


「兵科では『急に襲われるようなことも想定しておかないといけない』、と教わりますから」


 きっと、スールアが魔気オドを通すだけで、抱いている人形コアも、装着された外装も、一瞬で動き出すのだろう。


「……?」


 ――いや、今、人形の目が動いたような気がしたが。 

 まさか、自律しているのだろうか……?


 気にはなるけれど、とりあえずゴーレムの話は置いといて。

 

 私は獣人二人を見渡し。


「だいたいの事情は分かりました。そのギルダーとやらに勝てればいいわけですよね?」


「まぁ、ね……? でもそう簡単じゃないわよ。相手は実戦経験豊富なんだし」


「なるほど……。えっと……あなたはシエナさん? でしたね?」


「そうよ。名乗ってなかったかしら? あたしは、シエナ・リオン。シエナで良いわ」


「私は、スールア・リオンです」


 今まで、二人の名前は会話から予想した物だったが、これで確定した。 

 金色でツンケンしているほうがシエナで、銀色のおしとやかな方がスールアらしい。


「双子……、ですよね? 獣人……狐獣人ウェアフォックスでしょうか?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る