第11話

「はい。ギルダーは、傭兵を使った警備会社を経営しているヒトらしくて、部下を使って襲撃してくると、噂されていたので……」


「部下……?」


 はい、と頷きつつ。

 スールアは、座っていたゴーレムの掌から降りてくる。


「なぜそんなことを? 試験と関係が?」


「ただの噂なので、そこまでは……」


 そうして、スールアがゴーレムに触れると魔法陣が展開し、巨体が四肢と胴に分解され、別の形態に変化していく。


 ただの岩のゴーレムと違い、金属や宝石等で作られた身体は、機械式時計のように精巧で美しい景観を誇る。

 それが術を解くと、ゴーレムを構成する現象核オリジン魔素マナが結晶へ還元され、小さな宝石と金属の『卵』のような形に変わっていった。

 腕2つ、脚2つで、計4つ。

 右腕は私が壊してしまったので、かなりひび割れて体積も少ないが。

 スールアはそれをポーチに入れた。そうやって携帯しているらしい。

 

 残る胴体は、さらに『核』らしきものとそれを囲う『外装』とに分かれ、外装は変形して翼や鎧のような形状で、スールアに装着され装備される。

 

「……なるほど、中核となる部位はそうすることで、いつでも臨戦態勢というわけですか」


「え?」

 スールアが驚いて振り返る。

 その腕には、40センチメートルほどの少女型人形ヒトガタと化した『核』を抱いていた。

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