第6話

「こんな夜に、こんな森の奥まで……ですか?」


「魔術師なんでしょ、あんた? ギルダーの差し金じゃないでしょうね?」


 ハルバードに稲妻が奔る。

 これは脅しだ。

 下手なことを言ったら、手練れの魔術師二人の相手をすることになる。

 それは面倒くさい。

 特に、ごんと雷の魔術師は、対応できる火と熱の属性が調達困難なため、簡単にはいかないのだ。


「ギルダー? 一体何のことですか?」


 

 私は答える合間に少女たちを観察する。

 金色の娘が着けている両手のガントレットの甲に、雷属性の結晶クリスタルがハマっている。

 いざとなったら、それを狙って破壊できないモノかと考える。

 握るハルバードは『ごん』の魔術で作られたモノなので一瞬だけなら解呪ディスペルで、消すことが可能なはず。

 

 ゴーレムも対策されていないのなら解呪ディスペルで解除、もしくは行動を一時的に停止か混乱させられるだろう。


 そんな視線が訝しげに見えたか。

 ゴーレムが動き出す。


 ずしんずしん、と音をたて。

 抉られて吹き飛んだ一部の地面を。

 その自重でさらにへこませながら。

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