紙の本はコレクターズアイテムなのか

同人誌をやっていて、値段付けにはすごく難儀する。

校正を依頼し(10万字で一万円ぐらい)挿し絵を依頼し(モノクロ一枚五千円からぐらい×数点)カラーの表紙イラストをお願いしたら更に三万円ぐらい。で、文庫本200ページぐらいで、大して売れるわけもないので20部ぐらい刷り(見本誌や献本で4~5冊は使うので)、値段を決める。特殊装丁とかじゃ無ければ、そこまで一冊の値段を上げるわけには行かないので当たり前のように赤字になる。

コミッションでオーダーメイド小説で得たものを同人誌で消費しているのが私の実態である……。

余談だが、二次創作でも無い私のオリジナル小説を買ってくれる人には本当に感謝しか無い。でも分厚いスケベブックなので手放すときはブックオフじゃなくてらしんばんや駿河屋にお持ち込みでよろしく。


さて、ただの書き手としては意識しづらい話しだが「書籍化するのにいくら金が掛かって、何人ぐらいの人が関わるんだろう」って考える。

デザインがどうとかだけじゃ無い。印刷も、印刷した物を在庫管理し流通させる為の人たちも居る。

そういうコストを加味して本の値段は決まるわけだが、読み手は本を買うときにそんな部分を意識するわけが無い。

残酷な話だが読み手は傑作以外求めていないというのは真理だと思う。


面白いとかランキングがどうとかはいったん横に置いておいて、書籍化するには、読み手にとって、書き手の苦労以上の価値を見出せる商品であると出版社に思わせなければ夢のまた夢なんじゃ無いのと思う。

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