第3話 罹患2日目。

 次の日。

 起きてこないからなのか、家族が自分のところにやってきた。

 熱が40度あり、解熱は飲んだがそれでも39度4分あること。

 コロナの検査キットで陽性だったことなどを伝える。

「あ~やっぱり移っちゃったか~」

 その一言に苛立ったが、怒る元気もない状態であるので、そんな事はいいからアイスノンを冷えたやつと変えてくれという。

 氷嚢を作ってくれと言うと、作り方がわからんと言われて、仕方なく熱のある体を無理やり動かし氷嚢を作って再びベッドへ。

 食事は適当にしてくれと言い、とにかく休む体制を取ろうとするのだが、普段家の事をしていない家族なので仕方がないとはいえ、40度の熱で寝込んでいるのに、アレはどうしたら良いのか? これはどうしようか? といちいち聞いてくる。

 仕方なく応えるのだが、休みたいのに休めない状況で、家族の気遣いが足らないことに少々イライラ。

 だが、イライラしたところで怒鳴る気力もないし、あーだこーだと言ったところでやらないのだし、気遣いをわからない人にわかれと、この短期間に言ったところでわかるはずもない。

 なので。

 とりあえず自分は動けないから、自分できることは自分でやってください、アイスノンを変えることも難しいから、4時間毎ぐらいにやってきて変えてくださいと指示。

 罹患2日目になると喉の奥が腫れてきているのがわかった。

 ジリジリとした違和感があっただけだった喉も、綺麗に腫れてきて痛くなってきている。

 この時点ではまだ食事は可能。

 インフルとは違い嘔吐下痢がないのは楽だった。

 とはいえ、熱が高く食卓まで行って食事などは到底無理で、ゼリー飲料をベッドで寝ながら取るのが精一杯。

 カロリー摂取のため、片手で吸い付くタイプのアイスも食べた。

 熱は一向に下がらず。

 家族の「大丈夫? 」と言ってくる言葉に苛つきながら、汗をかきつつ眠る。

 大丈夫? ってどう見ても大丈夫じゃない状態で言われると、心配している言葉であってもムカつくんだなと思った。

 ちなみに、カロナールでの解熱効果は自分はまったくなかった。

 38度5分ぐらいまではカロナールでの解熱効果があって、37度台になるのだが、39度を超えてくるとカロナールを飲んでも体温変わらず。

 ロキソニンを飲んでようやく少し下がるという感じだった。

 この時頭をよぎったのは家族が受診した際に言われていたコロナの治療薬。

 だが、40度の熱が出ている状態で受診など行けるはずもなく、さらに、家族が受診したときに言われた「安いものでも2万円」と言うのが頭によぎり、基本的に症状にあった他の薬を処方する(例えば熱が出ていたら解熱剤みたいな)治療がメインだから治療薬はそんなに使わないとか言われたのも思い出す。

 受診ができる状態でないのもあったから、病院へは行かず、とにかく解熱でどうにかしようとした。

 しかし、罹患し終わってみればその時点での判断に後悔する。

 治療薬でさっさと治るなら高熱出ていようが、価格が高額だろうが、医者がしぶろうが、コロナの治療薬をさっさともらってきて飲む! これ絶対! ということを。

 なぜならこの後、10日以上も高熱で苦しむことになるからだった。




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