第2話 家庭内感染。
コロナ陽性判定を受けた家族は、38度2分ほどの熱を出し、解熱剤を飲んでいた。
病院に行った時点での熱は37度8分だったため、病院でコロナの治療薬はあるが高額だし、それ以外の治療となると解熱剤の処方ぐらいだと言われた。
家族にどうするか聞いたら、解熱剤もらって帰るというので、コロナの治療薬はもらわなかった。
家族は普段熱を出さないせいもあるのか、37度8分あたりで「熱が出てきた、やばい」とか言い出す。
37度台など自分にとっては微熱だな…くらいの感覚だったのだが、家族はまるで死にそうにヒーヒー言っていて。
感覚の差なのかもしれないが、たかが微熱でとこのときの自分は、少々冷めた空気をまとっていた。
家族も熱は出ているものの、喉の痛みは少なめで嘔吐もせず、食事も普通に食べられる状態。
よく聞くコロナの味覚障害や嗅覚障害というものもない。
徐々に咳が出はじめ、熱は高くて38度2分だが、だいたい37度台で落ち着き始める。
本人は37度6分もある~という感じで過ごしているが、本当にいわゆるちょっとした風邪程度。
熱が下がってきてからは、咳がかなり出ているものの、普通に動いて普通に生活できる感じになっていた。
あれ? コロナってこんな感じ?
そりゃ世間で「コロナは風邪」と言われるわけだ。
という印象で看病をしていたのだが、家族のコロナ罹患5日目の朝。
なんだか自分の喉の奥がジリジリする感覚に見舞われた。
ん? とは思ったものの、買っていた検査キットでは陰性。
気にし過ぎもいけないしな……と普通に過ごしていた。
ちなみに、家族は熱が下がってから、咳をしているのにマスクをしないということが多々あり。
何度もマスクをしろと注意していた。
注意しても「もう熱も下がったし」とか言う。
こいつはこんなに他者を思わない人物だったのか……と少々の衝撃を受けながら、とにかくマスクはしろ! と注意していた。
しかし、喉の奥がジリジリしていたその夜、とうとう自分にも異変があらわれる。
なんだか暑いのに寒い。
嫌な予感がした。
コロナワクチン2回目の際、40度超えの高熱が出る前のこと。
非常に手足先が冷たくなり、悪寒が走り、冬用の布団を2枚、毛布をかぶっても寒くて寒くて震えていたのを思い出す。
似ている。
そう思って体温計に手を伸ばしてみれば38度7分。
さらに背筋には悪寒が常にゾワゾワ存在し、寒くて震え始めていた。
つまり、今から更に熱が上がるということだ。
これはやばいかも?
とりあえず、朝検査したが、もう一度検査キットで検査。
見事な陽性反応。
ってことは、朝のは偽陰性? とか思いながらも、どちらにしても陽性は陽性。
しかも23時という夜中。病院は開いていない。
再度熱を測れば39度1分。
完全にやばい状況だと理解し、寒気が未だあるということはおそらく40度に達するのだろうと、今のうちに解熱の用意を整えねば! と用意しはじめた。
その間にも熱が上がってきているのか、フラフラして捕まり歩きをしながら、アイスノン、氷嚢、ペットボトルを凍らせ、スポーツドリンクを枕元において、解熱剤も用意。
この時家族は就寝中。
考えてみればすでに微熱で咳があるだけの家族を起こし、用意してもらえばよかったのだが、考えがそちらには向いていなかったのと、家族にあまりそういうことを期待していなかったのもあり、すべて自分で整えた。
そうしてベッドに倒れ込んだ時には熱が上がりきったのか、寒さが和らいでいた。
首の後ろにアイスノン、頭の上に氷嚢を乗せ、熱を測れば40度1分。
やはり、40度の熱がやってきていたのである。
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