荊軻
会合が始まってから2時間。
まだ終わる気配はなくずっと扉の外で警戒を続けていた。でも
警戒してるだけでは本当に暇すぎるので、時々ともに扉を守っている護衛仲間と
少し話をしたりしていた。その人の名前は
以前中国の別の組織に所属していたものの気が変わり
東方解放前線に所属したということだ。
その話の中、ある話が出てくる。
「そういえば、四季司令官には少し前に部下とちょっとしたいざこざがあってな。」
「いざこざ?四季司令官のことはある程度
「四季がまだ司令官じゃなかったときの頃だ。お前さんが来たのはニコライのところからだろ?あいつは4年前に入ったから、それ以前にあった知らないのも当然だな。せっかくだから、俺が…」
と言いかけた所で、何か一瞬辺りに違和感を覚えた。
極微小なのだが、何かが発射されるような音が聞こえたのだ。
その音を聞いた瞬間、私らは音がした方を見た。
音がしたのは廊下の曲がり角の先から。
角度的にそちらの景色が見えないので、自分で調べに行くしかなさそうだ。
「何の音だ?」
「わからない。でも全く警報とか人の声は聞こえないな...見に行ってくる。
一人でここを任せておくことになるけど頼めるか?」
「問題ない、しっかり様子を見てきてくれよ。」
と離れていい許可をもらったところで、曲がり角の方へと
ゆっくりと歩いてのぞいてみることにした。
まあ特に何もないだろう。
あるとしても銃のメンテナンスで弾を抜いてトリガーを引いてたり
しているんだろうなと思った。
だが、曲がり角の先を見てみるとそんな考えはすぐに消し飛ぶ。
通るときにいた警備員のような人々が足と胴体を撃たれたような痕跡があり、
床に倒れ伏している。
「...!?」
一瞬困惑の表情をするも、いったん気持ちを落ち着かせてから何が起きるか
分からないので音を立てずにそーっと倒れている人物のところへと
向かう。
案の定、すでに絶命していた。ほかの者たちもやっぱりみな同じように。
「...なんで急にこんな...うっ...」
死体を触った時についたべっとりとしている血に少し吐き気を覚える。
この世界に来た時にすでに自分の体の血がべっとりついた経験があるのに、
まだこの血の匂いや触り心地に慣れていない。
慣れたら慣れたでおかしいと思うのだが、いつ襲撃されるかもわからないこんな
世界では血がついて気持ち悪いと不快感を覚えながら戦闘するのは
その目先の敵に意識をしっかり向けられず、些細なほかの感情で敵に優勢に立たれて
しまって形勢逆転されるなんてこともある。
「...とりあえず、
その直後、後ろから急に体を拘束され、ナイフを首に突き立てられる。
「喋るな。こっちへ来い。」
私の背後にいたのはフードを深く被った男だ。ナイフで私の動きをけん制して
逃げられないようにしっかり押さえつけてくる。
しかもホルスターにしまっておいた銃もいつの間にか取られており、刀も
この距離じゃ鞘から抜き出すことも容易ではない。行動が遅かったか、
と後悔しているうちに、ある小さな部屋へと連れていかれた。
部屋の中の椅子に拘束され、ナイフを私に突き立てたまま
「お前が四季の護衛か。四季に用がある。会合を止めて部屋から出せ。」
と随分上から目線な物言いをしてくる。男は若干苛立っているように見えた。
「いま司令官は手が離せないんだよ...会合が終わるまで冷静にまてって..!?ぐぅっ...」
とにかく男を冷静にさせようと穏やかに話してみたものの、腹を蹴られ
床に椅子ごと倒れる。
「俺は早く帰りたいんだ。そんな悠長に待っている時間もない。お前を人質に使うのもありだが、どうせ気にせず敵は撃ってくるだろう...
そうだな...よし、お前はおとりになれ。扉の前にいるあいつを引き付けるんだ。」
「いつからお前の命令を聞くていになったんだよ...っぐあ...」
今度は文句を言うとまた腹を蹴ってきた。拘束がほどけないのでこいつの物言いを
以上聞いているとだんだんイライラしてきそうだ。
男は椅子を私ごと元に戻し、拘束を解いてさっき私から奪った拳銃を頭に
突き付けてくる。
「いいか?もし引き付けなかったらお前の頭ごとあいつを撃ち抜く。だが、
なるべくスムーズにすませてすぐに帰りたいんだ。お前はあいつを別の場所に誘い込むだけでいい。」
と銃を私の頭に狙ったまま、私を部屋の外へと出した。
コイツは誘い出したのちにこの部屋からすぐに会議室へと入り、そのまま強引に
四月一日司令官を射殺するだろう。逃げることはできなくとも、任務は遂行できる。だが、そんなことは絶対にさせない。
曲がり角を戻って
やはり聞いてきた。
「...中国の隊員が全員死んでた。しっかり心臓も撃たれてな...っう」
さっきの腹の痛みが若干残っている。それに、血の感覚もあって若干
精神的にきつくなりそうだ。
「大丈夫か?まだ血になれていないようだな。まあ、ある程度すればすぐになれるさ。この音は何かおかしいと思ったぞ。それでその手に付いた血は死体に触れた時についたものか?」
「ああ。そうだが。」
なんでそんなことを聞くんだ?と頭の中で疑問に思う。
「お前の腹辺りに何か、押し付けられたような跡があるんだが...吐血でもしたのかと思ってな..。どこかにぶつけたか?」
と聞いてくる。
そうだ、よく見たら服にさっき男に蹴られたときの痕跡がある
そう気づいた途端、曲がり角の方から急に発砲音が飛んできた。
これはさっきの銃声ではない、私の持っていた
「まずい!」
咄嗟にゴウを突き飛ばし、弾丸を避けようとするも左わき腹を弾丸が掠ってゆく。
片手で構えてるのが見えたのだが、それでも弾丸が掠る程度の誤差だった。
幸い掠っただけなのでそんなに痛みはないが、そこから出た血が服にしみこむ。
即座に出血部を止血し、包帯で傷のところを巻いて射線が通らなそうな位置に
這って隠れる。
「すまん、死体以外にも厄介者が一人いた。」
男に銃を奪われた今、とりあえずは刀を使って応戦するしかない。
腰に差していた刀を抜き、曲がり角の先に目を向ける。
もし流れ弾が会議室に飛んでしまったら、中の人に当たる可能性もあるだろう。
だが、ほかの護衛仲間たちが守ってくれている、会議室の心配はやめて、
今の状況に集中しなければ。
「そんなん今起きた状況を見ればわかるぞ。銃はどうした?」
を取り出しすでに曲がり角で撃ってきている男の腕へと狙いを定めているが、
体が見えないように構えている手の部分までしか出していないため、
若干的が小さく狙うのが難しい。しかもそれでいて正確に弾丸を飛ばしてくる。
「さっき拘束されたときに奪われて、今それで撃たれてる。多分9発ぐらい撃っるからあと6発ぐらいで弾薬が枯渇する。その隙に突撃するん
ゆっくり進んでいく。
刀を持ちながら進むので歩きづらくはなるが、着々と曲がり角の方へは
銃弾が当たらないように行けているし、
その時に一気に進み、やっと曲がり角まできた。
一気に詰めて出ようとしたその瞬間、曲がり角から腕を伸ばしてきて
服を掴まれ、そのまま横方向に投げ飛ばされてしまう。
「っぐっ...!」
受け身は取れたものの刀が地面に放り出され、立ち上がるまでにも
ほんの少しの時間が命取りになる。
そして投げてきた男は勝ち誇ったようにこちらに照準を向け、次の標的
と言わんばかりに
すぐさま刀を取って撃たれる前に反撃しようと思ったが、その必要はなかった。
男が撃とうとした瞬間、銃の弾丸が引っ掛かり
そのことに気づいて早くジャムを直そうとするが、その隙に
男に体当たりを喰らわせ、拳銃が手から離れた隙に地面に置いてあった刀で
男の脇腹を刺す。
「あ"がはぁっ...」
男は苦しそうに悶絶してながらも、懐からナイフを出そうとしていた。
だがすぐに腕を壁に押し付け、ナイフを男の懐から出して
すぐに
「...なぜここを襲った?それより、なぜ四季を殺害しようと?」
男の首に刀を突き立て、四季を殺そうとした理由を聞く。
もし理由も聞かずにすぐに殺してしまったらそのあと
他にも敵が来るのを知っていた場合、すぐに対処できなくなるからだ。
「..それは口が裂けても言えない...お前らなんかにっ..うぐ..」
男は出血の痛みに耐えながらも、その理由を答えなかった。
まだ何とかすれば逃げれると思っているのだろう。
だが、何も言わさずに逃がすわけにはいかない。
「言えよ...このまま何も言わずに死にたいのなら時間をかけてゆっくり死なせてやるからさあ...それとも、さらに激痛を喰らって苦しみを増やすか?
どっちかにしろ。」
相手に威圧感を与えるように、顔をもう少し近くして刀をより首近くに突き付け
声のトーンを少し低くして尋問する。よく昔見ていたアクション映画とかで
こういうシーンが多くあったもので、現実でできるのかと試してみたものだが...
意外にも効果があり、男は怯えたように観念したみたいだ。
「や、やめてくれ...やっぱり話す...話すから早く解放してくれ...」
その言葉を聞いてから刀を下ろすと、男は力が抜けたように地面に壁を背にして
座り込む。その隙に両手を後ろに
そのまま
「情報は聞き出せそうだな。会議室のほうにいた仲間たちは発砲音を聞いて警戒してただろう。会合が終わったら何があったか事情を伝えよう。」
刀を鞘にしまい、床に落ちた拳銃を拾ってから曲がり角の先にあった死体を
再確認してなるべく綺麗に並べ、男を先ほどの部屋にあった椅子を持ってきて
休息のため壁に寄りかかり、
「まあ、その傷が少し癒えるまでの時間ならいいだろう。会合が終わるまでには
起きとけよ。これがバレたら相当怒られるからな。」
と承諾してくれたのだ。
「すまない...ありがとう。」
そうして、一旦目を閉じ、体を休めることにしたのだった。
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結構長くなりました!一週間ぐらい経ったと思います。
その間に結構学校などでストレスがたまり執筆活動が停止したりして
きつかったので...
とにかく4000文字以上書いていい感じの戦闘ができたのでいいと思います。
あと天音が尋問するときの声は結構クールっぽい感じです。
まあ更新頻度でいうとこの文字量だと一週間おきに更新すると思います。
頑張って次回も書いていきます~
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