入隊
飯を食いたいのでとりあえず一夏の助けを借りて体を起こす。
「本当に足腰が動かん…昔汚れ仕事してたときすげー重い奴を持ってった次の日凄い肩とかヤバかった時ぐらい、動かん」
「…え?いやまあそういうこともあるよね…」一夏は少し疑問に感じたらしいが
何を考えたんだ?
「目覚めたか?」と部屋にその時誰か
入ってきた。見た感じ旧ソ連風の軍服を着飾っているスラリとした男だ。
とても貫禄がある。
「あ、はい。意識はしっかりあるようです。全身が麻痺見たいに動かないらしいのですが…」
「なるほど。ちょっと貸してみろ。」
一夏が答えた後男は急に自分の手の付け根辺りを丁寧に掴んでくる。
「ふぇっ!?」正直ちょっと赤面している。
意外と端正な顔立ちでクールなイケメンが目の前にいる…ってこんな体になったからこう言う反応をしてしまうのか…?
「ちょっと強引に行くからな、痛くなるぞ」
そう言った途端、男は手首と手の真ん中辺りに一瞬強く指圧をかけ、
刺激を加えてくる。
「い”っ…」一瞬体がビキッと一気に血液が巡った感じがした。
男が手を離すと、体の痺れたような感覚が薄れ、無くなっていることに気付いた。
「…あれ、動く…痛かったけどなんかスッキリしたみたいな感じだ…」
腕や足が動く、いや以前より増して体が軽い気がする。ベッドから起きて跳ねてみると、跳躍力が現実の時より強くなっている。足腰の力や握力、速さも
違っているようだ。
「どうだ?良くなったか?最近習得したものなんだが…」男が聞いてくる。
「そうだな、大分効いてる。というか、どういう原理なんだよこれ?」
「フフフ、それを言うのは止めておこうか…」そう言って男は去って行った。
「なんだよ、勿体振らずにさっさと
言えば良いのに…」
ちょっとがっかりしながらベッドに座り、
一夏かパウチカレーを貰う。
「それご飯と既に混ざってるやつだよ。
味は薄いけど。」
まあ、食べれるならいい、相当胃が
ないので食べるとしようと
封を切って食べ始めた。
カレーを食べながら一夏に問う。
「…所で、あの軍服の人誰なんだ?とても強そうに見えたが…」
「ああ、あの人はここの拠点の
だったっけ?確か元スペツナズとか言ってたけど…あんまり軍事とかには
無頓着だから分からないよ」
「管理人の名前忘れるのはダメなんじゃないか?...ってスペツナズ!?」
スペツナズと言ったら、ロシアの特殊部隊じゃないか!
「おいそれって本当か!?本当だったら相当強いぞ!?」
「うん、201X年ぐらいのスペツナズに所属してたらしいけど、退役してもずっと
トレーニングとか射撃練習してたらしいし」
はえ~…というかロシア人もここに居るんだな…珍しい。
「となると酒は強いんかなあ…」
「いや、酒はめっきし弱いらしいよ。酒よりもコーヒーの方が好きらしいから」
なんだ、飲み比べしようと思ったのに。ロシア人だから酒飲めるっていう偏見は
ちょっと悪かったかも。まあコーヒー好きなのは自分も同じだから良いか。
カレーを食べ終わった後、衣服を渡された。「血塗れだったからちゃんと洗っといたよ。あと肩の布とかも破れてたから縫っておいたから」
…最高かよこの子!わざわざ縫ってくれるなんて…とりあえず着替えるとしよう。
「…ちょっと部屋の外に出てくれない?」
「え?あ、うん。分かった。」
とりあえず一夏を部屋の外に出す。
さて、とりあえず確認しよう。
~半刻後~
「…疲れた…まさか服とかしっかり着こなすためにこんなに時間がかかるとは…
やっぱり一夏にしっかり教わった方が良かったかなあ…いや、中身がバレたら
ちょっと引かれるかもしれんからやっぱり止めといて良かったな。」
そんなこと口走ってると、
「…そろそろ入ってもいい?」
と扉の方から声が。
「あ、ごめん独り言がね…長すぎた。入って良いよ。」
そうして一夏を中に入れる。
「ところで、あなたこの組織に入るつもりはない?」
「え?」
「さっき言ったじゃん、人手不足でね…丁度あなたみたいな人が必要だったん
だよね」
なるほど…助けたからここで働けと言うことか…人員不足を補いたいのも分かる。まあしっかり
助けてくれたことだしなあ...
「う~ん、まあいいか。じゃあ、入れてくれ。この組織に。でも、徒手格闘とかは
できないからそこら辺を教えてくれると助かる。」
そうして自分、いや私は心を入れ替え東方解放前線に入ることになった。
これから相当きつくなることだろう...まあ、そこはこれからの話だ。
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作者です。文字数が回を追うにつれてだんだん多くなってきました(笑)
スマホで書いているのでそっからPCのほうで訂正や加筆などをして
公開しているので、本来より若干文字数が多くなります。
まあ、読んでくれればそれで本望です。ということでこれからも
「existing infantry~ゆく当てのない旅」をどうぞよろしくお願いします!
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