phase:1.00

更なる目覚め

”人生は箱の中ではなく上で座っているものであり、いつ崩れるかわからない。 

その箱は細かい立方体の集合体で、いつでも壊れることはある。

ただし、箱をなんの存在と捉えるかは自身の想像力で補うしかない。”


2024年 7月末にて

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この人を早く助けなければ…彼女は目の前の白髪の少女が気絶したのを見て彼女?か彼か分からない(中身の方)が、その白髪の少女を背負い、スマホで応援を要請した。

「至急、速い車に救護班を二名お願いします。負傷者が出ました。」

『負傷者?一人で行ったんじゃないのか?』

「丁度囚われて拷問みたいなことされていたようですね。出血多量の重傷です。」

『分かった、一応護衛の者も一つ付けておく。』

「了解しました。」と、一通りの会話が終わった後白髪の少女を背負ったまま家屋

から出て、外で一旦なるべくしっかりした地面に一旦降ろしてからクナイと腰に

差してある小刀を丁寧に手入れしている。ちょくちょく白髪の少女を気にかけ、

しっかり脈があるかも確認しているようだ。


それから数十分くらい経った頃だろう、

近くから救護車両に乗った車がこちらに来ている。どうやらやっと救護班が

来たようだ。白髪の少女を抱え上げ、車両がが到着し車の後部にあるドアが開いた

のち担架に乗せ、自身も車に乗り込んでから車を発進させた。


>>>


自分が今どこにいるのかわからない。どうなっているのか、それとも死んだのか...

しっかり認識できない。少しふわっとしているような、そんな感覚だ。

夢のような空間で白い箱の上で体育座りをして誰か待ち続けているのだ。

箱以外には白い空がただ浮かんでいるだけ、待ち人がいるとは自分には思えない。

そんな中、その箱が斜めになり自分はそのままずり落ちていく。

どうにか箱にしがみつこうとしているが、なぜこの箱にしがみつく必要があるのか

わからない。だが、しがみつく手が箱から離された途端、一瞬何も感じなくなった。


気が付くと、医務室?または病室っぽいところのベッドで寝かされていて視界の端

には点滴が見える。服はいつの間にか取り換えられており、肩の傷とかは

包帯でしっかり塞がれている。それよりも、体が痺れて動けない。なぜかはわからないが、全身まひのような状態でまったく動けないのだ。

手足がまったくと言っていいほど微動だにしない。どうにかして力を入れようにも、どこかで分散されるような感じだ。首ぐらいしか動かせず、表情を変えるのでも

精いっぱいだ。



「目が覚めましたか?あなた三日間昏睡状態だったんだよ?」

と部屋に入ってくる少女がいた。あの時助けてくれた子だ。

「...え?そんなに寝てたの!?まじか...まあ、何と言っていいのかわからないけど...とりあえずありがとう。下手したらあの時死んでたよ...」

「それはこちらこそだよ。あなたが後ろの奴に気付かなければ私も致命傷を負っていたし…」

とにかく、自分は助かった。そう思っていいだろう。三日間寝っぱなしだったって

ことらしいが。

「ところで、ここは何かしらの施設なのか?拠点に持ってくとか言ってたとか...」

「ああ、えっとね」そこで少女が解説してくれた。


どうやら、この施設は「東方解放前線」という組織の拠点なのだそうだ。

「東方解放前線」はアジア周辺で活動している勢力らしく、その中の6割が

離人者で、離人者のトップを作り勢力を広めているらしい。ほかにもヨーロッパは「ランサー・パクト」を中心とした連盟があり、中国の方には解放戦線とは違う

黄河中央防衛協定huánghé zhōngyāng fángyù gōngyuē」なるものがいるらしく東方解放戦線とは対立している関係らしい。現在組織はシンガポールやマレー半島沖、ハワイ辺りまでを領地としているらしいが人員不足だそうだ。


「...で、紹介が遅れたけど私は国光一夏。こういうスキンでも日本人だよ~」

まあ、ちょっと風変わりなのはわかるが...

「いや、本名か?それ。言っちゃっていいの?知らない人の前で...」

ちょっとそこらへんはどうかと思うんだが...

「どうせ死んでるんだから、今名前言っても何にもならないよ。自己紹介だから

何にも問題ないし」と気楽に話す一夏。


ああ、そうか。現実にはもういないのだから本名を別に話してもいい...ということか。そうなると逆に虚しくなるな...とほんのり涙が出てきそうな気がした。

「で、あなたの名前は?聞いてなかったけど。」

「あ、自分?えぇー...」唐突に名前を聞かれてびっくりした。まあそりゃあ

そうだよね。相手が素性を述べたらこっちも素性を述べないとだめって

もんですもんね...しっかし、こういう姿になっちゃったからなあ、まったく

元の要素まったく入れてないし...口調も変えた方がいいかな?女性っぽく


「...天音睦月、だ。」ということで昔姉に乙女ゲーをやらされた時に作った

名前にした。(ちょっと恥ずかしいけど。)

「睦月さん、ね。ところで、体大丈夫なの?」

今更体の心配されてもなあ...まあいいか。


「正直言って、まったく全身が動かないよ。あと、飯も食いたい...」

そういったとたん、一夏はクスリと笑った。


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どうもこんにちは。

今回、やっと主人公の名前が決定いたしました!構想はまあ一年以上前くらいから

あったんですけどなかなか小説のほうが作れなかったので...

ああいう白髪の子って好きなんですよね、癖


さて、物語はフェーズ1へとやっとなりました。今後主人公、

天音はどうなっていくのか。あ、ちなみに1フェーズは大体10話+小話1話

でやっていく予定なので。まあたまに話がオーバーしちゃったり、

小話つぶれることもあるかもしれないのですけど...

まあ、ご愛読してくださる方々など今後ともよろしくお願いいたします!


P.S 2024/10/04 一部文章改定済み

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