死ぬのは先にも後にもない

よく分からない、なぜ自分がこうなった?現実の体は?と振り返ってみる。するとあることを思い出した。


「離人者」


そう気付いた途端、思考が出来なくなった。うまく立てなくなり嗚咽が止まらない。死んだという事実を受け入れられず、頭が混乱しているのだ。体が火照る。

ましてや、銃を撃たれ激痛が走りそのまま死ぬこともあるだろう。これからどうすればいい?どうしようもない事実は時に人をおかしくさせる。

もう現実には戻れないんだ。何もかも失った。顔を手で押さえ、涙をこらえようと

しても無理だった。


どのくらい経ったろうか。希望が見えない。一人で行動してたし、どうせ仲間もできない。こんな世界で死ぬことがこの先あるなんて嫌だ...ましてやこの体で...いったん思考を落ち着かせようとするために水を取り出そうとするが、どうやって取り出すんだ?と思ったらスマホを見るとインベントリ欄がそこから開けたようだ。

ペットボトルをそこから取り出して、冷えた水を飲む。


しっかり水の感覚がする。体の火照りもある程度収まり、涙も止まった。

「...別に今死ぬわけじゃないんだ...頑張ればこの世界でも生きれるはずさ...」

そんなことを口に出し地面に座っていると、急に後頭部に激痛が走った。

背後に気配を消して誰かいたのだろうが、精神崩壊ぎみの自分にはわからなかったのだろう。とにかく、自分の脳は激痛には耐えられなかったらしく、そのまま

地面に倒され気絶してしまった。


...気づいたら、どうやら何かしらのところに縄でつながれて逃げられない状況

らしい。目隠しされてるので周りが見えないのだが...周りには男の声が二つ、一つ女の声がする。まあ、この後何かしらのことはされるのだろうと思った。

その瞬間、突然腹を蹴られる感触がした。何も準備すらしていなかったため、少し

吐いてしまう。というか、やっぱり痛みは来るのか...あと、声に聞き覚えがある気がした。そうだ、こいつら以前初心者いじめてたのを自分が装備してた刀で蹂躙した

奴だな。そして確か装備そのあと全部初心者たちに配布していたはずだが...

その逆恨みか。そう確信して話に耳を傾けてみた。


「コイツ、まさか離人したのか?おいおいそりゃいい気分だなあ、俺らをいじめてたやつがこんなか弱い女の子になるなんてよお」

コイツは多分太ってたキャラの奴だな...名前は確かロメオだったか?


「まあ俺らもなってるんだしよ、ここはこいつを死ぬ寸前までいたぶってから従順な

ペットにでもしようじゃあないか」

確かコイツが主犯格だったな...それなりにいい武器を持ってたんだよな、

多分ロシア系の名前、ベリコフだったっけ?


「何言ってるのさあ、殺して装備かっぱらった方が早くない?いつ裏切るかもわからないんだもの...」

この声は装備奪った相手に対して執拗に暴力を加えていた女だ。名前は...忘れた。

(デリカシー皆無)


=====================================================主ですよ、ワンピース見てたらなぜかモチベが下がりました。

書き続けていきますけどね!

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