3.リクエストに答えちゃうデーだよ~

 SE:オルゴール調の学校のチャイム

 SE:落ち着いたBGM(薄っすらと流れている)


「こんばんは~。“かすユウの丑三つ教室”へようこそ〜」


 SE:風鈴の音

 SE:フリック音


「ふふっ……今日も来てくれたんだ? うれしいなぁ」


 SE:フリック音


「今日はねぇ、のリクエストに答えちゃうデーだよ~」


 SE:フリック音


「うん。ほら、前の配信で『今度、特技の演技を披露しちゃうよ』的なコトを言ったでしょ? だから今日は演技力があるコトを示すために、が希望するキャラクターとシチュエーションで演じちゃうよ?」


 SE:フリック音


「例えば? う~ん……じゃあ、試しに一つやってみるね。あ、今回は声だけの演技にするから、目は閉じててくれるかな?」


 SE:フリック音


「ふふっ……ありがと。では……」


(可愛く咳払いをする)

「こほん……」


 SE:解錠の音

 SE:引き戸タイプの玄関の扉が開く音


 (素のほわほわしたままで)

ただいま~。良い子にしてた? ふふっ……よしよし。そんなに尻尾振って……ホント、わたしのコトが大好きだね? 可愛いなぁ。そんな可愛い可愛いにお土産買って来たよ~。この高級な缶詰を――」


 SE:まるでツッコミを入れるようにタイピング音と風鈴の音が重なる


「へ? うん、そうだよ~。を家族の犬に見立てて、演じたんだぁ」


 SE:フリック音


「え? なんか違う? 『変な扉開きそう』ってどういう意味?」


 SE:フリック音


「『それは忘れて』って? うん、分かった。忘れるね? うーん……それじゃあ、他に何がいいだろ……」


 SE:風鈴の音


「あ……じゃあ、幼なじみって設定はどうかな? 元気で明るい女の子の幼なじみ。自然豊かな田舎が舞台で、時期は夏休み。幼なじみが家まで迎えに来て、一緒にどこかへ遊びに行くってのはどうかな?」


 SE:フリック音


「それならあり? よかった。では、改めて……目を閉じて、わたしの声だけに集中してね?」


 (可愛く咳払いをする)

「こほん……」


 SE:セミの鳴き声(薄っすらと)

 SE:インターホンが鳴る音

 SE:引き戸タイプの玄関の扉が開く音


 (天真爛漫な幼なじみになりきって)

~、迎えに来たよ~。遊びに行こ!」


 SE:砂利道を歩く足音(薄っすら流し続ける)


「今日もあっついね~。そうだ! 今から駄菓子さんにアイス買いに行かない? 二人で半分こできるアイス買って~川の近くで涼みながら食べよっ」


「やった~! 何味のアイスにする? イチゴにメロン、ソーダもいいよね~」


はソーダ味がいいの? 分かった。それじゃあ、ソーダ味のアイスにしよっか」


「あ、駄菓子屋さんに到着とーちゃーく!」


 (足音が止む)


「おばあちゃーん、アイスくださーい」


 SE:小銭の音


「ありがとうございます!」


「よし、アイスがとける前に、川まで走ろっ! だいじょーぶ! 絶対、置いていかないから。ほら、手、繋いで行こ? うん。それじゃあ、れっつごー!」


 SE:砂利道を走る音(薄っすら流し続ける)


「あははっ! 風がきもちい~ね? このまま二人で、風と一体化して、遠くに飛んでいけたらいいのに……。そしたらさ、楽しいと思わない? なーんて」


 SE:微かに川のせせらぎ(徐々に大きくなる)


到着とーちゃーく! はあ~やっぱりここは涼しいね~」


 SE:アイスの袋を開ける音

 SE:アイスを半分にする音


「はい。アイス、半分こ。ではでは、いただきまーす」


 SE:アイスを食べる咀嚼音


「ん~~~生き返るぅ……おいしいね?」


「食べ終わったら、川で遊んで~虫取りして~日が沈んだら花火もしよう! へへっ……とやりたいコト、たくさんあって困っちゃうな。だからね、明日も明後日も……この先ずっと、あたしと遊んでね? 約束だよ?」


 (少しの間)


 SE:風鈴の音


「は~い。目を開けて~。ね、ね、こんな感じでどうかな?」


 SE:フリック音 


「ふふっ……ありがと。それじゃあ、今度はがリクエストしたキャラクターとシチュエーションで囁いちゃうよ~」


 SE:フリック音


「迷っちゃう? 何個でもどんとこいっだよ?」


 SE:フリック音


「う~ん……それじゃあ、が推してる芸能人とか、アニメのキャラクターを参考にしてみるとかどう?」


 SE:フリック音


「ふむふむ……は妹キャラが好きなんだ~。ふふ……妹は可愛いもんね。その気持ち分かるよ~」


「シチュエーションはそうだなぁ……怖い夢を見たコトで一人じゃ眠れなくなって、お兄ちゃんに甘える……とかはどうかな?」


 SE:フリック音


「ありよりのあり? ふふっ……それならよかった。ではでは、また目を閉じて~、わたしの声だけに集中してね?」


 (可愛く咳払いをする)

「こほん」


 SE:襖を控え目にノックする音


 (幼い女の子になりきって)

「お兄ちゃん……起きてる?」


 SE:そっと襖を開ける音


「こんな時間にごめんね。こわいユメ見ちゃって……眠れなくなったの。だからね、いっしょに、ねてもいい?」


「ありがとう、お兄ちゃん」


 SE:そっと襖を閉める音


「よいしょ……。えへへっ……お兄ちゃん、あったかい」


「ねぇ、お兄ちゃん……手、つないでもいい?」


「へへっ……ありがと。あのね……頭も、なでなでしてほしいな? だめ?」


「へへっ……ありがと~。お兄ちゃんといると、すごく安心する。こわい気持ちもどっかいっちゃったかも」


「なんだか……安心したら……ねむくなってきちゃった。うん……あした、たくさん……あそんでね? おやすみ……お兄ちゃん」


 (少しの沈黙)


 SE:風鈴の音


「ふふっ……ちゃんと妹役できてたかな?」


 SE:フリック音


「うん。小学三年生くらいの女の子をイメージして演じたんだ~。実はね、少しだけ妹を参考にしてみたの」


 SE:フリック音


「うん。妹とはすごく年が離れてるんだ~。とっても可愛い子なんだよ」


 SE:風鈴の音


「さてさて、お次は何にする? あ、そろそろ眠くなってきたかな?」


 SE:フリック音


「だったら、の彼女になりきって、寝かしつけちゃおっかな? どう?」


 SE:フリック音


「ふふっ……照れちゃう? わたしはどんとこいだよ?」


 SE:フリック音


「うん。それじゃあ、スマホは枕元に置いて、横になって?」


「横になったら目を閉じて……体の力を抜いて、リラックスした状態で聞いてね?」


 (可愛く咳払いをする)

「こほん」


 (大人の色香を纏う、大学生くらいのお姉さんになりきって囁き声で)

「ん……どうしたの、


「眠れない? ふふっ……仕方ないなぁ。ぎゅーよしよし」


「一度、深呼吸してみて? それから何も考えないで目を閉じて……ふふっ……ってば子どもみたい。可愛いね?」


「ふふっ……ごめんごめん。からかった訳じゃないよ? のコトが好きだから、可愛く見えちゃうんだよ」


「うん。ホントだよ。大好き、


「大丈夫。わたしはずっと傍にいるから……安心して眠って?」


「わたしが一緒なら、怖い夢も見ない。夢の中でも一緒だよ」


「うん。ふふっ……おやすみ、。大好きだよ」


 (少しの沈黙)


 SE:風鈴の音


 (囁き声)

「ふふっ……今日も無事、眠れたみたいだね? よかった……。じゃあ、またね?」


 SE:風鈴の音

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