涼翔の過去【好きになったらいけない恋】

紅○慧

第1話 心の傷

入学式が終わって3ヶ月程の休み時間、教室の中では各グループが各々形成され仲のいい物同士で集まっている。


そんな中、涼翔は1人席に座り馴染めずに過ごしていた。



夏休み前の席替えをきっかけに、後ろの席になったケイがそんな涼翔を気にかけて話しかけてくれた。


ケイはクラスで人気者グループにいたが時折、涼翔と2人きりで話をしてくれていた。


ケイと話す事がきっかけで、周りのクラスメイトとも少しずつだが会話も増え、学校を楽しく思えてきていた。



ケイは成長も速く、涼翔との体格差は歴然だった。学校にエロ本を隠れて持ってきたりと多少悪い事をするタイプでもあった。



1年生の夏休みのある日、涼翔はケイに誘われてケイの部屋に遊びにきていた。


中学生になってから、友達の家に遊びに行くのが初めての涼翔は心が踊っていた。


『そーいえば涼翔って彼女いないの?

かわいい顔してるのに』


『いないよ。可愛くないしね。

 今日は何して遊ぶの?』


誘われたものの、何をするかは聞かされていなかった。


聞き返すとケイは不気味に笑みを浮かべて、プロレスやろうぜと涼翔の意見を聞かずに掴みかかってきた。


『やめてっ』と抵抗するも体格差に反抗もできない。だんだんとエスカレートして首を絞められた。


本気で苦しくなってきた腕をギブアップと叩くも止めてくれない。


涼翔の視界は白くなり、意識を失った。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



目が覚めると涼翔はベットの上に横たわっているが呼吸が鼻からしかできない。


口にテープを貼られている。


手足はガムテープで固定されていて衣服は脱がされている。


よかった生きてて、声が聞こえて涼翔は顔を向けた。


隣を見ると横にケイが立っている。


『一瞬やりすぎたって思ったけど、呼吸確認したらちゃんとしてたから安心した。』


状況が理解できない涼翔は『何するの』と聞きたいがガムテープが貼られているせいでうまく話せない。


『ごめん、ずっとかわいいなって思ってたんだけど。我慢できなくて』


そう言うと、ケイはスマホを涼翔に見せた。


この写真クラスLINEに貼られたく無かったら抵抗するなよ。


そこには涼翔の裸で横たわる画像が写っていた。『んっんっ』と声を出そうとするがケイが涼翔の腹をパチンっと思い切り叩いた。


赤く、もみじ型の跡がじんわりと残る涼翔は

甲高い悲鳴を響かせる。


『録画するから、抵抗したらぜんぶ流出させるからな』


ケイはベットの向かいにスマホを固定して、カメラを起動した。涼翔の悲鳴が面白かったのか、うつ伏せにさせて涼翔の尻を思い切り叩く。


数回叩くたびに、涼翔は甲高いうめき声を出し続けた。


ケイは涼翔の口に貼り付けたガムテープを引き剥がした。


『お願い・・やめてよ』


涙と恥ずかしさで赤く濡れた涼翔の顔は、ケイを余計に興奮させてしまった。


涼翔の言葉を聞くはずもなく、ケイは自身のズボンとパンツを下ろす。


『ネットで見たけど、フェラってしってる?』


そう聞くとケイは涼翔の顔に自分の陰部を近づける。


『口開けろよ』


中々口の開けない涼翔に痺れを切らしたケイは涼翔の鼻をつまんだ。


苦しくなり開いた口に、陰部を入れ込んだ。


一気に喉の奥まで入れ込まれ嗚咽する。


涙と鼻水、口からは唾液が流れ出る涼翔を気にするそぶりもなく、涼翔の頭を掴み前後に動かす。


『やばっ イキそう。』 


涼翔の喉奥にケイのそれが流れ込む。


やっと自由になった涼翔は、吐き出せる物は口から出して荒い呼吸をしている。


『ゆ、許して。僕何かした』


涼翔の口周りについた唾液と性液を手に取り、手に馴染ませる。


『可愛いなって思って、仲良くしてたんだけど、我慢できなくて。

他のやつに絶対言うなよ。』


ケイは話しながらそれを、涼翔の陰部の先に塗り始めた。


『あっ、やだっ、やめて・・』


まだ剥けていない涼翔の陰部の皮の中に指を入れて先端を刺激する。


慣れていない刺激が涼翔を襲う。



『涼翔も射精したことある?』


知識の無い、精通前の涼翔は質問の意味を理解できなかった。


刺激に耐えられず、頭が真っ白になる。


涙と共に甲高い喘ぎ声が部屋を包みこむ。


『や、やめて。んっあっ ん!!』


涼翔の体が数秒、硬直する。


『なんだ、まだ精通してないんだ』


はぁはぁ、と息の粗い涼翔にケイはカメラを近ずける。


『涼翔はまだ、精通前でした〜』と体の全身を隅々まで録画していく。



うつ伏せにさせて涼翔のお尻の間に自分の唾液を垂らす。


何も言葉の発声もしない。

涼翔は抵抗をやめた。


涼翔のお尻の間に唾液を馴染ませて、穴に人差し指を入れる。


涼翔は声にならない声を叫んだ。


うるさいと涼翔のお尻を強く叩く。



自分の物は入らなそうと、いじるのを飽きたケイは涼翔の拘束を解いた。


恐怖で動かずにいる涼翔に服を投げつける。


『みんなに見せられたくなかったら誰にも言うなよ。また俺に呼ばれたら家にこい』


涙と鼻水でぐしゃぐしゃな顔のまま、涼翔は急いで衣服を身につけて部屋を後にした。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


夏休みの前半、ケイに呼び出された回数は6回


家の近くの川から飛び降りようと、1人川底を眺めていた。


うまく呼吸が出ない。フラッシュバックする記憶で過呼吸になってしまう。


気持ち悪い。


お母さんの顔が浮かび、ふと気持ちを立ち止める。


顔をパシッと2回叩いて気持ちを取り戻した。





夏休みの中頃になると、ピタリと呼び出されるのが止まる。


母親と駅前を歩いている時、遠目にケイを見かけた。震える体を必死に動かし、母親の後ろに隠れる。


ケイは女の子と手を繋ぎながら歩いていた。


彼女ができて、あの行為は終わったのだろうと涼翔は少し安堵した。





『大丈夫、何もない。』


夏休みが終わって最初の登校日、鏡の前で自分に3回言い聞かせた涼翔は、重い足を一歩ずつ動けと念じながら登校する。


いつもより学校に着くのに時間がかかり、みんなが入った後の教室に静かに入る。


クラスのみんなが一斉に涼翔を見て目線を戻す。


なんだろうと、自席に向かうと一枚の写真が置かれていた。


あの日最初にケイに魅せられた、スマホの画像だった。


頭が真っ白になり、急いでその写真をポケットに突っ込んだ。


『誰だよ。こんな写真置いたやつ』


ケイがわざとらしく、犯人探しをし始める。


思わず睨んだ涼翔は、ケイに睨み返される。


『あれ、もしかして自分で置いたの?

見られるの趣味とか?』


そう言うケイに羽交締めにされた涼翔は、ベルトを外されて、パンツごと一気に引きずり下ろされる。


女子生徒の悲鳴と面白がる男子とでクラスが騒つく。


涼翔を直接いじめるのはケイ1人だった。


他のクラスメイトは面白がって反応を見るだけか、自分がされないようにとただ黙り込むだけ。


涼翔は何回、川の上で立ち止まっただろうか


その度に、お母さんを困らせたらだめだと顔を叩いて気を強くまった。




涼翔の最悪な日々はそれから半年で、終わりを迎えた。


2年生のクラス替えの日、ケイは学校にいなかった。


しばらくしても、登校してこない。


耳に入ってきた噂が、万引きをして隣町に引っ越したと言う話だ。


都会とは言えないこの地域で、悪い事をしたら一気に周りに広まる。


ケイのご両親が住んではいられなくなったのだろう。


安全圏を手に入れた涼翔は、それでも友達を作れなかった。


卒業までにはある程度、クラスメイトやテニス部の先輩と話せるようにはなったが、心を開く勇気が出なかった。



中学卒業の日に涼翔は心に決めた。


高校からはしっかりやり直そう。






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