第7話 悪夢
不幸中の幸いと言うべきか、あの後蘇ったドーナが村に現れる事はなかった。だからと言って、イヤ、だからこそ早急に作戦を立て直して再討伐に挑む必要があった。
心身ともにボロボロに疲れた状態で村に戻り、僅かな時間を取って休息と軽い腹ごなしを済ませた後、俺達はすぐに宿の一室に集まり、ミーティングを開いた。ともすれば意気消沈になりがちな空気の中、グリージャの声のトーンだけが高々としていた。
「作戦通りにやったのに失敗したぞ」椅子に座ろうとせず部屋の中を歩き回りながら「何が原因だ?一番確率の高いやり方じゃなかったのか?」
「あのドーナの体質が特別だったんだ」スタンが険しい表情で「強力な熱を加えた事で体温が急上昇し、それによって急激な肉体の進化を遂げたのだと思う…」
それを聞いたグリージャが足を止めて、俺を真っ正面から睨みつけた。
「何でもっとしっかり焼かなかったんだ ! ?」
「火力はいつも通りの強さだ。普通なら完全に焼けている」俺にはそれ以上言い様がない「進化するなんて今までなかったし、ああなるなんて思ってもいなかったんだ…」
「いずれにしても」グリージャがスタンに向かって「コイツの能力ではあのドーナ、イヤ、今後のドーナに対しても確実な討伐は期待出来ない。今までのやり方を改めてもらう必要があるな!」
「どうしたいんだ?」
スタンの問いにグリージャはここぞとばかりに胸を張り
「決まっている。今までコイツが担っていた役割を全て俺が代わりに担当する。他の奴等の援護やアンタが仕留めた後の駄目押しも、全部俺に任せてもらう。敵を倒す処か進化させてしまう様な能力の奴には、大事な役割を与える訳にはいかないからな」
「ちょっと待ちなさいよ!」サンディがグリージャに喰ってかかった「偉そうに言ってるけど、アンタだって必要以上に手間取ってた上に、それ以降何の働きもしてなかったじゃない!人の事偉そうに言えた義理なの ! ?」
「まぁ、待て」スタンがなだめながら「少なくとも次のドーナ討伐に関してはゲイルの能力は一旦収めてもらう事にする。あの雌ドーナに対しての熱攻撃は危険を伴う事が分かったからな。トドメを刺す方法は、今からグリージャと話し合って決める。それ以外のやり方が大きく変わる事はない。取り敢えず今は体力の回復に努めてくれ」ゆっくり立ち上がって皆の顔を見回してから「一旦解散する。夜に最終的な打ち合わせをする。その時またこの部屋に集まってくれ」
この言葉を聞いたサンディは悲しそうな顔をして
「そんな…。もうゲイルには何もさせないの…?」
とすがる様にスタンの袖を掴んだ。
「ちゃんと彼の役割は考えておくよ」スタンがサンディの肩に手を置いて「彼に今回の責任を被せるつもりはない。ゲイルにしか出来ない役目をちゃんと与えるから心配するな」
と優しく言い聞かせる様に言った。
渋々納得した感じで頷いたサンディに、グリージャが顔を寄せて、この上なく嫌味な口調で
「隊長の指示には従わないといけないよなぁ。ま~ぁ、貴女様にとってはかなり不本意な指示かも知れないがね~ぇ」
サンディは唇を噛み締め無念さを含ませた顔で、精一杯グリージャを睨みつけた。
「…くぅっ…。ア、アンタねぇ…」
握った拳を震わせながら怒りと悔しさを押し殺すサンディを、マルルが母親の様にソッと抱きながら穏やかな表情で労った。
次にグリージャは嫌味ワードの矛先を俺に向けた。
「本来なら御役目ゴメンって所だけどな。まぁ、隊長が温情かけて何とか使える様にしてくれるだろうな。しっかり頼みますよ。お前が仕留め損ねたおかげで、魔石の獲得が遅れたんだからな」
それだけ言うと蔑む様な一瞥をくれながら、俺から離れ部屋から出て行った。だが、その離れ際に彼がボソッと呟いた一言が、俺の心臓、いや脳ミソ、いやいや俺の体の全てを一瞬でエゲツない程に貫き通した。それは彼にとっては他の人には聞こえず、勿論俺に聞かせるつもりも無い、微々たる呟きだったかも知れない。しかし、それが耳に入った時の衝撃は、俺の脳内に一生刻みつけられるに充分値するモノだった。
俺から離れるグリージャの口から、次の様な信じられない、絶対に信じたくない言葉が発せられたのだ。
「全く…、古井の野郎並みの役立たずだな…」
! ? ! ? ! ?
その時の心境はどう言った言葉で表せば相応しいモノになるのか ! ?
そして…、追撃のあの呪いの一言が俺の耳に飛び込んだ。
「あーあ、取り柄無しのカッスカース」
…嘘だ…
絶対に……嘘だっ!!!
「ゲイルさん…、そんなに気になさらないで…」
石地蔵の如く硬直した状態で立ち尽くしている俺を見て、流石に哀れと思ったのか、マルルがサンディを抱きながら心配そうに声を掛けた…らしい。その時の俺は、文字通り頭の中が真っ白になっていて、視聴覚の機能が完全に停止していた。誰の言葉も誰の姿も確認出来なかった。ここら辺の記憶は殆ど後から教えて貰ったモノになる。
マルルが声を掛けてくれた直後に、俺はヨロけてヘナヘナと床にヘタリ込んだ。
「ゲイルさん ! ?」
「ゲイル!しっかりして!」
マルルとサンディが慌てて駆け寄り、完全に力の抜けた俺を二人掛かりで何とかベッドに腰掛けさせた…らしい。
「心配要りませんよ。隊長がきっと上手く対処してくれますから…」
「何かあったら私達が助けてあげる!あんな奴の言う事なんか気にしなくていいよ!」
懸命に励ましてくれる二人に重病人の様に介抱されながら、何とか自分の部屋に戻る事の出来た俺は、ベッドに腰掛け頭を抱えた状態で、必死に現状の理解に努めた。
どういう事だ ! ?
何でこうなったんだ ! ?
どう考えたって真実は一つだばあろお。俺が階段から落ちた後に、事故か病か知らないが、あの糞課長も絶命してこの世界に転生した。それ自体はまぁ、仕方ないとしよう。問題は選りに選って何で俺と一緒に行動する成り行きになったのか、だ。
転生させたのは勿論あの白神様だろう。おそらく…、ドーナの完全駆除にもう一人戦士を追加するのも悪くない。それに相応しい能力を持ちながら不慮の死を遂げた男がいる。うまい具合にその男に性格から癖まで何一つ違わない別世界の人間が命を落とした。よし、コイツをこの能力者に転生させよう…、こんな感じだろう。
考えを進める内に、少しずつ、僅かながら、気分が落ち着いて来るのを感じるようになった。
それにしてもだ、白神様は俺達が元の世界で最悪な関係だった事を承知していた筈だ。性格から血液型まで調べ上げた位なのだから。そんな俺達二人を何故くっつける様に手配したのか?そんな事をした所で事態が好転する訳がない。事実、俺は異世界に転生しても相変わらず嫌な奴に見下され舐められる身に立たされる羽目になった。これを悪夢と言わずして何と言えば良いのか?
だが、ここで絶望一色の心境の中に一筋の光が差した。
唯一の救いは、ゲイルの中身が元の世界でイビり続けた部下、つまり古井天馬である事を奴がまだ知らないという事。そして自分の正体が異世界人の真木課長がグリージャに転生した姿である事を、まだ俺に気付かれていないと思い込んでいるという事だ。奴があの時、俺を古井みたいな奴と言ったが、まさか本当に古井本人であるとは思ってもいないだろう。それなら見下される様な事はあっても、元の世界でしていた人外扱いみたいな対応を俺に取る事は多分無い筈だ。それに─もう他人頼りで半分情け無くなって来たが─会社時代の孤立無援状態とは違い、ここではパーティーの仲間が俺の味方になってくれる。サンディとマルルは勿論スタンも俺を冷遇する様な事は無いだろう。
ここまで考えを巡らせたら、最初よりもかなり冷静な気分になって来た。
結論。元の世界での最悪な状態を思えば、今は多少の我慢をして何とか乗り切って行ける。打たれ強さならブラック会社時代に充分に鍛えられている。ドーナとの戦いも佳境に入っている。それが終われば…。もう少しの辛抱だ。
俺は部屋に備え付けのポットからコップに水を注ぐと、一息に飲み干し、大きく息を吐いた。ようやく人心地を取り戻した様な気分になった。
夜、作戦会議でスタンの部屋に行くと、グリージャが完全にパーティーの主導権を握ったかの如く、部屋の真ん中に仁王立ちして俺を待ち構えていた。
「遅いぞ」不遜さを全開にした口調で「落ち込み過ぎて、ベッドから出て来れないのかと思っていたぜ」
俺は返事を返さず一瞥もせずに、ベッドに腰掛けてこちらに心配気な視線を向けているサンディの隣に腰を下ろした。軽く微笑んで大丈夫だという意思表示をすると、彼女も微かに口元を綻ばせた。
「基本的なやり方は今までと殆ど変わらん」スタンが話を切り出した「変えるのは最後の締めだけだ。俺がドーナの急所を突いて倒した後に、グリージャの冷凍波で死体を氷漬けにする。固まった所を俺の聖剣で粉々に砕いて終わりだ。ただし」横で自信満々に立つグリージャを見上げ「君単体の冷凍波だけでは巨大なドーナを完全に氷結するのは難しい。ゲイル、君の増長能力で彼の冷凍波の威力を上げるように務めてくれ。二人が力を合わせれば、この作戦も成功するだろう」
それを聞いたグリージャが
「フン、正直お前の力を借りないといけないのは不本意だがな」
と、さも面白くないといった感じで言い放った。俺にはもうコイツの顔があの糞課長のそれにしか見えなくなっていた。
「あれから情報を集めた所によると」スタンが立ち上がって「あのドーナは比較的この村の近くに潜んでいる様だ。この辺りであれだけの巨体を隠せる場所は、さっきの戦場から西にズレた、高い木々の生える森以外には無いだろう。明日早朝にそこを攻める。今日は色々あったが、先ずは体を休めて明日の討伐に備えるように」
翌朝、スタンが目星を付けた森にマルルの誘導通りに進んだ俺達は、高い木々が繁る中に身を潜めていた雌ドーナを発見した。俺達に気付いた進化形態は早速牙を向いて攻撃の構えを見せた。すかさず障害物の無い平地に誘い込み、討伐を開始する。
「オイ、モタモタしてないで早く分析を進めろよ!」
昨日に比べすっかり戦場での態度が豹変したグリージャが、ドーナの周りを飛び跳ねるサンディに矢鱈と注文を付けまくる。
「ウルサイ ! ! 気が散るでしょ!黙ってて ! ! !」
サンディが苛立ちを隠そうともせずにヒステリックに怒鳴り返した。
「グリージャ、作戦に支障をきたす言動は控えてくれ!」
さすがにスタンが注意する。グリージャは、仕方ねぇなぁ、と言った顔をして後ろに引き下がった。
サンディがいつもより苛ついて集中力が落ちたせいか、ドーナを丸裸にするのに多少の時間を要したが、何とかスタンの聖剣で倒す所まで漕ぎ着けた。
「よっしゃ!」グリージャが尊大な態度で前に進み出た「しっかり力を送って来れよ、元主戦力さん!」
何でこんな奴の手助けをせにゃならんのか。
俺は冷凍波を放つ体勢を取った転生糞課長の後ろに立つと、奴の両肩に手を置いて意識を集中させ、溜めた気を送り込んだ。すると、グリージャの掌から勢い良く冷凍波が放射され、みるみる内にドーナの巨大な遺骸が凍り付いていった。
「オイ、もっと力を注げないのか ! ?」
グリージャが振り返りながら俺を怒鳴りつける。
「これが限界だ!いつも以上に力を注ぎ込んでいる!」
俺の返答に対し、グリージャは忌々しげに
「チッ、まどろっこしいな!」
と吐き捨てる様に言い放った。もうどんどんコイツのイメージがパワハラ糞課長に塗り替えられて行く。こんな状態で集中出来るか!
「焦るな!大丈夫だ!順調に凍り付いているから、そのまま続けてくれ!」
スタンの言葉通り、何やかんやで二、三分後には見事なドーナの氷漬けが出来上がった。スタンの能力で硬力の上がった聖剣がその凍り付いた遺骸に振り下ろされると、巨大な氷像に亀裂が走り、次の瞬間それが細かい氷の飛礫となって四方に飛び散った。
こうして、二日間に渡った番(つがい)のドーナとの死闘に漸くケリが付けられた。だが、そこに充実感や達成感はこれっぽっちも感じられなかった。それより、この二日間で天から地に墜とされた事で、一刻も早く魔石を入手して別の世界にオサラバしたという思いが、前より更に強くなった。この目の前に傲慢さMAXでふんぞり返る糞野郎から、永遠に決別出来る世界への転移。兎に角、コイツと顔を会わせるのは未来永劫勘弁願いたい。もうコイツの下に敷かれる人生なんて真っ平御免だ!
そんな思いに駆られている俺の姿を、少し離れた位置にいたサンディが、切なさの掛かった複雑な表情で見つめていた事に、俺はその時全く気付いていなかった。
ドーナ討伐を終えた日の夜は健闘を祝って宿で細やかな夜食会を開くのがこれまでの恒例となっていたが、今はとてもじゃないがそんな事をする気にはなれない。俺はスタンに断りを入れてから、浴場で体の汗と汚れを落とすと、一人で飲食店に入って夕食を済ませ、早い時間にベッドに潜り込んだ。
スタンはパーティーの結束力が乱れるのを気にしていた様だが、後一、二回の討伐が終わればこのパーティーも解散する。俺の頭の中はとっととドーナを駆除して、この世界からサヨナラする事で一杯になっていた。
毛布にくるまり目を閉じていると、部屋のドアがノックされた。誰だ?訝しく思いながらベッドから出てドアを開けると、下着姿の豊かな肢体に薄手のブラウスを纏ったサンディが立っていた。
「ゴメンね。寝てた?」
お淑やかな口調で柔らかな笑みを見せていた。普段とは違う佇まいに若干戸惑いつつも
「イヤ、横になったばかりだが…。どうした?」
と答えると、少しモジモジしながら
「特に用は無いんだけど…。部屋に入ってもいいかな…?」
と伺う様に聞いて来た。断る理由も無いので、そのまま部屋に入れた。
「気になってたから…」ゆっくりと部屋に入って来たサンディはベッドに腰掛けると「村に戻ってから誰とも口を利かないで、サッサと自分の部屋に入っちゃって…。皆心配してたよ」
「あぁ、スマン。ただ今は誰とも関わりたくない気分なんだ」
「ホントに気にしないで!」少しの間を置いてから、訴えかける様に俺の顔を見た「誰もゲイルを役に立たないなんて思ってないから!マルルも凄く心配してたし、スタンも夕食の時にグリージャにゲイルの事は悪く言うなって言い聞かせてた。ここまで一緒に頑張ってやって来た大切な仲間だもん。今までと変わらずに接して来て欲しいんだ。それに…」ここで一旦言葉を切ってから少し恥ずかし気に「私がこのパーティーに居れるのもゲイルのお陰だし…」
ゲイルさんの生前の記憶は全て受け継いでいるつもりだったが、この時は彼女の言葉の意味を一瞬理解出来なかった。少し照れ気味な顔をしてサンディが話を続ける。
「ほら、カナデン村(この村の名も咄嗟に思い浮かばなかった)でドーナを討伐した時にさ、私のミスのせいで大苦戦して怪我人も出して、凄い迷惑掛けちゃったでしょ。あの時かなりヘコんでパーティー続ける自信も無くしてたんだ。でもゲイルが気晴らしに散歩に誘ってくれてさ、スタンにお願いして次の村への出発を一日延ばして貰って、二人であちこち山の中とか歩き回って、村の中の飲食店で一番高い料理も御馳走してくれて…。あの料理の味、まだ忘れて無いんだよ!」
屈託のない笑みを満面に浮かべて嬉しそうな顔で俺を見た。
「あの時ゲイルは特に色々言わなかったけどね、凄い励まされた気持ちになって、モヤモヤしていたのが吹っ切れたんだ。お陰でもっとこのパーティーの為に頑張ろうって思いも強まったし…」
サンディはここまで言うとベッドから立ち上がって、懇願する様に一気に俺との距離を詰めた。
「だからさ、ゲイルが元気無いのを見てると悲しくてたまらない気持ちになるの。私だけじゃない。スタンもマルルも皆そう。グリージャがちょっと言ったくらい、どうって事無いよ!何が起ころうと、私達は皆ゲイルの味方だからね!だから元気出して!」
その可憐な顔立ちと健康的な色気に満ちた豊満な女体が、触れんばかりに接近して来た。今まであまり気にして来なかったが、この時は強烈にサンディに女性を意識した。
「わ、分かった。有り難う」俺は必死に平静を保ちながら「それだけをわざわざ言いに来てくれたのか。スマンな。大丈夫だ。これからまた力を合わせて頑張って行こうな。皆にも心配しなくていいって伝えてくれ。本当にスマンかったな」
俺の言葉に少し安心したらしく、サンディの思い詰めた様な表情がいつもの元気そうな笑顔に変わった。同時に急に照れた様子を見せて
「じ、じゃあ…、私もう部屋に戻るネ。折角休んでいたのにゴメンね…。でも、一声掛けてあげたかったんだ…。ハハ…。そ、それじゃあ、オヤスミ!」
顔を少し赤らめて、そそくさと部屋から退場して行った。今更ながらにメンバーの意外な一面を見せられた俺は、扉から顔を出してサンディが自室に戻って行くのを見送っていた。
「いい娘じゃないか」
後ろでスタンの声がしたのでビックリして振り向くと、声の主が腕組みをして廊下の壁にもたれながらこちらを見ていた。俺は戸惑いながら
「何だよ、見てたのか…。タチが悪いな…」
とバツの悪さを隠しきれずにこぼす様に言った。するとスタンは
「仲良くしておけよ。あの娘、もう将来の事考えているんだからな」
と、意味有り気な笑みを浮かべて俺に忠告した。俺は一瞬その言葉を理解出来なかったが、すぐにとんでもない事を聞いてしまった、と愕然となった。スタンはそんな俺に背を向けながら
「ドーナを完全に駆除するまで大事に守ってやれよ。俺もマルルも君達の行く末を楽しみにしてるからな」
と唖然としている俺を敢えて無視する様にゆっくりと自分の部屋に戻って行った。
ちょっと待てよぉぉぉ!
いきなりそんな事言われてもさぁ、俺は素のゲイルさんじゃないんだよ!勝手に将来の夫婦認定されても困るんだけどなぁ!近々この世界から居なくなる人間になんて難題を押し付けるんだよ!止めてくれよ…。
糞課長の問題が自分の中でまだ完全に治まっていない内に、今度は内堀を埋められた。俺、この世界でこれから先どう振る舞って行けばいいんだ…?
その夜は遂に一睡も出来なかった。畜生、社畜時代でさえ、数時間の睡眠は取れていたというのに…。
今は戦士に心の底からの休息を…。頼む…。
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