10話目 オカマ食事をする

女将さんに呼ばれ下へ降りるとさっきまでとは違い沢山の人が食事をしたり、仲間と談笑をしていたりと賑やかな場所へと変化していた


「降りてきたかい、騒がしくてごめんね

適当に座っとくれ、すぐ料理を持っていくよ!」


私は女将さんの言われた通り適当な席へ

座った

しばらくすると女将さんが料理を運んできた


「待たせたね!今日はオークのステーキだよ

アンタは今日初めてだからね、少し多めに

焼いたから残さず食べとくれ」


女将さんの言葉のあと、目の前には一キロは

あるだろう、大きなステーキが置かれていた


「ありがと、とても美味しそうね」


「そうだろ残すんじゃないよ」


「わかったわ、頂きます」


私は、そう言いゆっくりとステーキをナイフ

で切り分けたすると元から溢れていた肉汁が

さらに漏れ出し、食欲を掻き立てる匂いを

放った


口に入れると野生的で、けれども決して

不快ではない味にソースやスパイスが見事に

絡まり口の中を蹂躙した


「美味しい」


私がそう呟くと

「そうだろう」と女将さんが得意げな顔で

返事をしてくれた

しばらく夢中で食べ、気がつくと皿の上に

あった肉はなくなっていた


「ご馳走様」


「見事な食べっぷりだね、結構食べるとは

思ったけど、まさか軽く完食するとは思わなかったよ」


食べ終わると女将さんが話しかけてきた


「それだけ、女将さんの料理が美味しかったのよ」


「嬉しいこと言ってくれるね」


女将さんと会話していると周りからも


「当たり前だ!女将さんの料理はこの国

で一番だからな!」


「そうだ!そうだ!オカマの兄ちゃんはわかってるな」


「唯一の欠点は美味すぎて、人が帰らないから、うるさ過ぎて宿に泊まる人が少ないことくらいだな!」


「違いねえ!」


(((ガハハハハハ!!!)))


周りの酔っ払いたちが口を揃えて

笑っていた


「余計なお世話だよ!だったら早く帰りな

余り遅くまでいると、また嫁さんに報告するよ!」


「女将さん!それだけはやめてくれ!」


((ガハハハハハ))

女将さんがそう言うと何人かは悲鳴を上げ

それを見てさらに笑う人が増えた


「賑やかね」


「ふっ、うるさいだけだよ」


そう言う女将さんの顔は笑っていた

そのまま、女将さんと雑談していると 


「もっと、酒を持ってこい!」


柄の悪い客が、従業員に絡んでいた


「はー、すまないね少し行って来るよ」


女将さんはそう言うと絡まれている従業員を

助けに行った


「おい!あんた騒ぐのはいいけど、うちの

従業員を離しな」


女将さんがそう声を掛けると


「うっせー!、こいつの酒をもってくるスピードが遅いから説教してるんだよ!」


「そうかい、それはすまないね、あとは

こっちで対応するから離しとくれ」


「…そうだな、俺も大人だこれくらいで

勘弁してやるよ!」


そう言うと酔っ払いは、従業員に拳を振り上げた


「やめな!」


女将さんは止めようとしたが間に合うわけが

なく拳が従業員を迫っていた


「もう、暴力ダメよ」


拳は従業員に当たる寸前で何者かに止められていた


「なんだ、お前」


「ただの客よ、流石に暴力は見過ごせないから止めさせてもらったわ、今日はもう帰りなさい」


「うるせー!」


酔っ払いは従業員を掴んでいた手を離すと

すぐに私に殴りかかってきた


「もー、帰りなさい」


拳はまた止められ


「黙れ!!」


「最後の忠告よ」


瞬間周りの音が消え


「さっさと帰れ、殺すぞ」


娚の小さな声と殺気が辺り広かったすると、酔っ払いは顔を青くして震え、頷いた


「いい子ね、今回は見逃してあ•げ•る♡」

(次はねえぞ)ボソ


そう言うと酔っ払いは金を置いて急いで走り出した


「もう!失礼ね!」


私がそう呟くと周りは静まり帰っていた


「あっ違ったわね、うー(涙)怖かったわ

女将さん」


そう言うと周りは

(((お前の方が怖いわ!!!)))

と息のあったツッコミをしてくれた

すると周りは賑やかさを取り戻し


「かっこよかったぞ、おかまの兄ちゃん!」


「スカッとしたぜ!」


「兄ちゃん、すげーな俺ちょっと漏らしちまったぜ!」


「お前、汚ねえな早く洗ってこい」


少し変な言葉と、感謝の言葉を受け取っていると


「すまないね、助けてもらって

ほら、あんたもお礼いいな」


「ありがとうございます!」


女将さんと従業員くんが話掛けてくれた


「もう、いいのよ美味しい料理のお礼だと

思って」


「そうだね、そうするよ、所でアンタ名前は?」


「娚よ」


「メオトね、ありがと

おい!お前ら、私は今、気分がいいサービスだ今日は酒一杯無料だよ!」


((うおーーーーーー!))

客たちは歓喜を上げ酒を飲み始めた


「いいの売り上げ、下がっちゃうわよ」


「いいんだよ、それにコイツらが一杯で

満足するわけないからね」


「あら、商売上手ね」


「ありがとね、ほらメオト、アンタも

飲みな!」


「ええ、有り難くもらうわ♪」


その日は、いつもよりも遅くまで宿屋の光は

消えなかったそうだ












「それで逃げ帰って来たと」


「はい、すいません

ただあそこにやばい奴がいて!」


そこでは宿で暴れた酔っ払いが正座させられていた


「黙れ、じゃあ何かそいつは俺よりヤバいからお前は逃げて来たってことか?」


「いえ!そうではなく」

(ズル)


言い終わる前に酔っ払いは剣で首を切られていた


「お前の言い訳は、聞きたくない

続きはあの世で言ってろ」


「ボス!こっちの準備が完了しました」


「わかった、あとこのゴミ片付けとけ」


「了解しました!」


新しい事件が始まる

















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