6話目 オカマ国を目指す

「さてとこんなものかしらね♪」


あれから1日がたち王国に行く準備をおえて

私は屋敷の前に立っていた


「そんなに長い期間いるわけじゃないけど、

やっぱり家のことは少し心配ね」


ここは、霧と結界で守られているとはいえ

やはり少し心配だ


「絶対に安全って保証なんてないものね、

そう言えばこの家も、ルキエルちゃんの贈り物だし、何か特別な物だったりするのかしら?」


《鑑定》


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(アダマント性の赤いレンガの家 )

作 ルキエル


アダマント製のレンガで

組み立てた最高の家、アダマントの特性上

魔力は、弾いてしまうが耐久性は抜群

 家の中に錬金術により魔法陣を刻むことにより埃や汚れがたまりにくくする作りになっている、さらに自己修復機能も備えられている


スキル《自己修復》《清浄維持》


材料 アダマント


スキル 錬金術10

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「……大丈夫そうね、少なくとも壊される

ことはないわ」


想像よりすごい家に、住んで居たことに驚き

とりあえず、ルキエルちゃんに改めて感謝した


「さて、家は気にしなくても大丈夫ってわかったし改めて出発しようかしら」


娚は空間魔法の【空間収納】から

《異世界の基礎》と肩に魔法の袋を担いで出発した


空間収納はその名の通り物を収納できる4次元空間を作りそこに物を入れる事が出来る魔法だが物入れているだけで魔力を使うので娚は

現在すぐに使うものだけこっちに入れていた


「この本、本当に便利ね地図まで備え付け

なんてこれがなかったら少し道に迷ったかもしれないわ」


娚は走りながら《異世界の基礎》

を読んでいた

この《異世界の基礎》は国の立地だけでなく詳しく調べようと思えば現在の自分の位置を地図に写し出してくれる 


「料理、動物の解体手順まで出てくるなて、もうほぼスマホと変わらないわね」


魔法について、調べてるときについでにこの世界についても調べてたら、偶然気づきもう少し早く気づけば猪の解体が楽になったのにと思った


「まっしょうがないわね、気づいてからは、

料理も、解体もだいぶ楽できるようなったし気づけてよかったと思いましょう」


(それにしてもやっぱり王国は少し遠いわね

人目につかない場所に作ってもらった私が

言っても仕方ないけど、ちょっとミスったわね)


娚は走りながらそんな事を考えていた



5時間後、娚はフルマラソン選手と同じくらいの速度で王国方面に走っていたが、家から王国の王都までは数百キロ離れおり道のりは

まだ長い


「やっと半分地点ねレベルと、スキルの身体強化のお陰で余り疲れてはないけど、走るだけって退屈ね」


娚は、木の影で腰を降ろしながら呟いていた


「王都に着いたら何しようかしら?」


まずは何よりお金が心配ね

ルキエルちゃんが、幾らか置いていてくれたけどそんなに多くはないから注意しないとね


今の持ち金は、

金貨が5枚、銀貨5枚、銅貨10枚、

本で調べたら、この世界の硬貨は前の

世界基準で

鉄貨=10円 

銅貨=100円

銀貨=1000円

金貨=1万円、

白金貨=10万円

となっているので

娚は5万6000円持っていることになる


「少なくはないけど余裕があるわけじゃないから注意つけないとね」


とりあえずは、ルキエルちゃんが言ってた

冒険者ギルドに行って取れそうだったら

商人ギルドでカードをもらわないとね


「あら、なんだかたくさんの気配がするわね何かしら」


娚が気配のする方に行くと大きなクレーターの中にゴブリンの集落があった


「たくさんのゴブリンね、100は行かないけど

相当あるわね、ちょうど走るだけにも飽きたし少し軽い運動でもしようかしら♪」





その日は、いつも通りの平和な日のこと

だった集落の長である自分は一番大きな家で休んであると急に大音がした


「グギャ(何事だ!)」


すぐに一人の部下が報告にきた


「ギャギャ(襲撃です敵が一人乗り込んで

来ました!)」


「グギャグギャ(状況はどうなっている)」


「ギャ(押されています!)」


「グギャ(わかった俺が出る)」


壁に立てかけてあった以前殺した襲撃者が

使っていた剣を手に取り私は家を出た

そして、そこには地獄が広がっていた

報告では一人と聞いていた敵が四人になっておりそれぞれが別の場所で虐殺を行っていた


「グギャ(なんだこれは)」


私が傍観していると、襲撃者の一人がこちらに近づいてきた


「うーん、【影分身】の精度は悪くないわね

分身は身体能力が下がるのがネックだけど、

技術はそのままだから雑魚処理や足止めにはすごく使えそうね、あとは分身でも魔法が使えたらいいんだけど、それが今後の課題ね」


襲撃者は、ぶつぶつ何か言っていたが

私にはよく意味がわからなかった


「あら、ごめんなさいちょっと考え事を

してて、え〜とゴブリンキングくんね

レベルは30か、大丈夫そうね少しの間だけどあなたにはちょっと実験に付き合って貰うわ」


そう言うと、襲撃者は黒塗りの小さなナイフを、取り出し…

次の瞬間、襲撃者は姿を消しその直後自分の腹に激痛が走った、急いで目を向けると

襲撃者が腹をナイフで突き刺していた

急いで右手の剣で反撃するがすでに襲撃者は離れていた


その直後


「グギャ(なんだ)」


突然、得体の知れない喪失感に襲われた

何か大事な物を、取られたそんな気持ち悪い

感覚に襲われた


「う〜ん、切れ味は抜群ね、効果の方もしっかし発動してるわね」


襲撃者の言っていることはわからないが

これだけはわかるこの喪失感の原因はアイツが関わっていることに


「さて次は、連続で切りつけた場合どうなるのか試さないとね」


来る!そう思い身構えると、また相手は

姿を消した


「グギャ」


痛みがし右腕を見ると、血が流れていた

そして次々と胸、腿、背、右腕と順に切られていった


数分間、私は切られ続けられ気がつくと、

私はうずくまっていた、膝を折り、地に頭をつけ、手で頭部を守るようにただ恐怖した

見えない敵にひたすら切られることに


「あら、うずくまっちゃた

どうしましょう、もう少し試したかったん

だけど」


襲撃者は少し考え


「まっいいかしら、うずくまってもできるし

じゃあ続けるわよ」


私の地獄が続くことが確定した


十分後


「ふー、やっと終わったわ

それにしても、やっぱりヤバいわね、コレ

使われる側になったら、だいぶピンチね」


切れ味は勿論、死神のナイフ切った相手の体力の最大値を減らすやばいナイフなので理論上10000切れたら相手を殺せる、特攻だと1000回で殺せてしまう、さらにすごいことに切るの定義が緩い事ので傷をつけなくても、敵に刃を当てれば、カウントされてしまう

そして極めつきは持ち主以外に持たせたら一気に相手が老けていった


「いいわね、攻撃が通じなくても相手を

倒せるのは便利ね、これで100%負けるなんてことは、なくなりそうね、それにナイフを

持たせたら一発逆転もある、あとは」


そこには真っ黒な人型が3人立っていた


「ご苦労様、休んでていいわよ♪」


「(コク)」


人型は頷くと娚の影に潜って行った

これは影魔法のレベルが3になってから覚えた

【影分身】、最大で【影魔法】のレベルの数だけ分身を出せる


オートとマニュアルで操作ができ、

オートは手間はかからないがそんなに強くはなく、逆にマニュアルは自分の体と同じように操作ができる、ただマニュアルは、ひたすら分身の人形を動かすことになるため、数が増えるほど操作が難しくなる


「今回初めて実戦で使ったけど、並列思想が

なかったら絶対使えないわね、目の前の景色と分身が見ている景色を、同時に処理しないといけないなんて、前の世界だった無理ね」


マルチタスクは得意だったけど、これは前の

世界とレベルが違うわね


1人の分身に体を操作する思考と、景色を理解する思考を当てて、さらに影魔法を維持し ないといけないし並列思考はレベルの数だけ意識が増えるが、同時に二つの光景の処理をすることに慣れておらず分身たちの動きは少し不格好な形になった


「並列思考と【影分身】はもっと慣れないとね、分身たちをもっとスムーズに動かさないとすぐやられそうだしね」


この二つはこのコンボはとても強いため

今後も積極的に使って慣れようと決めた


(それに分身に魔法を使わせたいわね)


だが分身は本体の身体能力÷分身数になる

ため、使える魔力も少なくなってしまうため一人あたりが持てる魔力には限りがある


(それをカバーするにはひたすら強くなるしかないのよね)


「さてと、息抜きもできたしそろそろ

移動再開しようかしら」


そう言って娚は走り去った

娚が去ったその場にはゴブリンの亡骸と

リーダーだった者のミイラだけが残った















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