緋色の部屋

終幕

　伊吹（いぶき）緋色（ひいろ）　プロフィール。

20××年、N県生まれ。現在24歳。ミステリー、サスペンス作家。

当時高校生にして新人賞を受賞、以後人気作家として活動を続ける。

個性的な文体と、その独特な作品の雰囲気から高い人気を誇る。

「とまぁ、こんな感じで先生のプロフいかがでしょう？」

「良いですね。何か凄いお褒め頂いて恐縮ですが。」

「いえいえ、こんなのまだまだですよ。先生の魅力は記事でもっと詳しく載せますので。」

「そうですか。」

「早速最新作の取材に移らせて頂きたいのですが……、その前に聞いても？」

「何でしょう。」

「あの……マネキンは何ですか？」

「マネキン？――あぁ、あれですか。」

「えぇ、あの。首から上だけのマネキン。とても綺麗な顔ですね。」

「……えぇ、本当綺麗ですよね。昔、友人から貰ったものなんですよ。」

「へ、へぇー。そうなんですね。あ、では取材に移らせていただきますね。」

「どうぞ。」

　　伊吹緋色　コメント

　小説は人間の産物である。私はそれを念頭に置いて、いつも小説を書いてます。

ほら、よく現実は小説より奇なりって言うじゃないですか。あれです。

どうしてか？あぁ……そうですね……。

そういう体験をしてしまったから、ですかね。

一生かけても償いきれない様な大罪でも犯してしまえば、きっと分かりますよ。

何がおかしくて、何がまともなのかなんて、それはもう簡単に。