第五十九話 魔王の日朝
今日は、日曜日なので。魔王城のママンの執務室の隣で大人しくニチアサの特撮を見ていた。ちなみに、どんな番組かというと。セーラー服女装戦士アキラという番組で、桃色のリボンのセーラー服(上半身のみ)桃色のブーメランパンツ(ケツにはしっかり食い込んでいる)と桃色のブーツと桃色の手袋と桃色のショートボブの股間大き目のもっこり主人公、ショタ顔のアキラが悪の組織コレアカーンと戦いを繰り広げる特撮ヒーローモノ。ちなみに、悪の組織の戦闘員は全員Fカップ以上の黒いベレー帽と黒いラバースーツの女性戦闘員。悪の首領は「全世界の少年少女のいたいけな性癖を歪ませる」という目標を掲げ。怪人は、毎回変態にしか需要が無さそうなラインナップとなっている。
ちなみに、このアキラ。足わざが得意で良くフランケンシュタイナーとか足に魔法を込めてオーバーヘッドキックみたいにうちだしたりするのだ。
こんなものが何故シリーズ化されて許されているのかと言えば、くどい程登場する設定だが「魔国では強い事は是である」という考え方がしみついておりそれは番組人気にも表れている。
とにかく、怪人の中の人も主人公も毎回クソ程強いので熱いバトルと違う方向の熱意以外存在しない番組なのに普通に放送されているげせぬ。ちなみに、この番組の次にやるのがスライムのスローライフだというのだからびっくりぽんである。
ちなみに、アリアちゃんの日曜日はスライムのスローライフまでを楽しく見た後で始まる。
大きく伸びをした後、とてとてと機嫌よく体を揺らし。
EDの「変態(とも)よ、一緒に腕を組め~♪」のフレーズで悪の首領の黒いレースの下着だけの瓶底眼鏡のお姉さんと主人公のアキラが仲良く腕を絡めながら夕日に向かってあるいているシーンが映っていた。
「今日も女装戦士は楽しかった♪」とご機嫌の魔王に対し、丁度それを見かけた官僚の一人ジュディが魔王をよびにきた所で口元に手をやった。
「魔王様~、そろそろ身支度をお願いします」「うむ」
そう短く会話した後、ジュディがみっともなくぶっほとかやってた訳だがそれは読者しかしらなくていい事だ。
「アリアちゃん、顔はあらったの?」とヒルダリアが聞けば「ばっちり」とブイサインで答えた。
ゆっくりと頷く、ママン。
そうして、ママンが作ってくれた朝食はオムライスだった訳だが。ケチャップで先ほどの女装戦士アキラの股間部分のイラストが描かれていたのをみて再びジュディが「失礼します」と静かに退室してから「こkrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrre無いですねぇ!」とか舌を巻きながら頭を抱えていたのだがそれも読者しかしらなくていい事だ。
「今日は、お出かけするんでしょ」
「うむ、屋上で女装戦士アキラのヒーローショーがあるのだ」
(マジかぁぁぁぁ、あれのショー行く気かこの魔王)
「貴女がつれていくのよ、子供一人で行かせられるわけないじゃない」とヒルダリアがジュディの肩をポンと叩く。
油がきれたブリキの様な音を立てながら、ゆっくりとヒルダリアの方を向くジュディ。満面の笑顔で頷くヒルダリア。
「こrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrre横暴ですねぇ!!」
こうして、アリアちゃんは楽しい日曜日を過ごし。楽しくないのは、ジュディの様な被害者だけとなったのだ。
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