第三十五話 農場(ふぁーむ)
ここは、城壁の外に作られた魔王様お気に入りの芋ほり畑もとい農場である。
ここで、邪神グリフィスとクルツマンの二柱(ふたり)は麦わら帽子をかぶって大ハッスルしていた。
「姫から申し付けられたこの仕事は最高だな!」とはクルツマンの感想である。
「異議なし!!」そうって、今も雑草をいっぺんに死滅させる魔法を行使しているグリフィス。
何で邪神がこんなにいい笑顔で働いているかと言えば、魔王から命令された内容が「私の許可した生物植物以外の生存を許すな(農場限定)」との命令を貰い。
過去一全員がいい顔で「はい! 喜んで!!」と回答した。
殺し尽くすというのは邪神や悪魔にとって、これこそが専門であり。苦しめながらとかいたぶりながらとかいうのは、タダのオプションなのだ。
よって、悪魔や邪神の中でもこの仕事はすこぶる人気が高く。
「仕事中は、麦わら帽子をかぶって首にタオルをしろ」と言って魔王様に渡されたタオルと麦わら帽子を装着してこうして作業にいそしんでいる訳である。
「フハハハハハ! 良いぞ!!この雑草粘りおるっ」と根っこがしつこく残っている雑草を見つけては喜びながら潰し。丸太があれば切れ目を入れてから、油をしみ込ませ木々の毛細血管に油がしみ込んだのを確認してから魔法で火をつける事により根深く地中に埋まっていたとしても根絶やしにする事が可能とか。
やりたい放題やって、害虫も殺しまくり(受粉等は農業組合の人が頑張りました)。
結果的に、無農薬栽培を確立。野菜も果物も大人気になって、農業組合の人達が邪神さんたちやべーっぺとか陰口を叩かれる有様。
邪神達は、ここでは麦わら帽子をかぶってタオルを首に巻いていれば虐殺が好きなだけ楽しめる場所という間違ってはいないのだが間違っている認識で邪悪な笑みを浮かべながら働いている。
「今日もご苦労様だっぺよ~」と組合の人間に声をかければ、「物足りんな、もう少し農場を広げて欲しいものだ」とか腕組みしながら言うものだから。
「そういうのは、ヒルダリア様か魔王様にいうっぺよ」と笑われた。
「ふむ……、姫に陳情するのはいい案かもしれぬな」と邪神達も妙に納得。
これを受けて、本当に魔王様に相談した所「水田を作りたい」と言われ。ここでも黒長靴と麦わら帽子とタオルを装着してれば許可した作物以外全部殺していいと言われ「やります!(輝く笑顔」との回答をして。水路をあっという間に、作ってしまった。
「ゲンゴロウもカエルもザリガニも、許されているもの以外の生存を許してはならん!!」今日も怒号の様な気合の入った声がそこらで聞こえてくる。
ここの作物は、魔王様の名にちなんでアリアブランドと呼ばれ。バカみたいに人気になっていて、王都の名物となるのだがそれは又別の話。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます