第十一話 ディアマント降臨
「お呼びにより、参上仕りました姫」
そう跪いて口上を述べる、ダークエルフの様な顔をした妖艶な女性。
百に届きそうな胸、五十か六十位の腰といったプロポーション。
魔王様に対してのみは何処までも慈愛の女神の様な表情で微笑んでいるが、彼女はそれなりに位の高い邪神の一柱だ。
「呼び出してすまない、ディアマント。相談したい事がある」
「姫が私に相談でございますか?」
きょとんとした顔であれ?みたいな顔をしたディアマント。
「膝枕してほしい」
「はいよろこんでー♪(居酒屋風」
さっきまで相談していた部下にほっぺたをびよいんびよいん伸ばされながら「ちげえだろ」とつっこみを受け。「貴女もハイ喜んで♪じゃないですって」と釘をさすが部下に対してはにらみだけで殺せそうな眼を向けた。
「大体、貴女のデカい胸で膝枕なんかしたらアリア様は胸が顔に当たって息ができなくなるでしょうが!」
「そんな死に方なら本望だ!」
「少し、黙ってて下さい魔王様。そんなオッサンみたいな、力説はいりません」
ちぇっ、となる魔王とディアマント。「魔王様はともかく、なんで貴女まで残念そうな顔をしてるんです……」
ため息交じりに、あぁ……となる部下。
魔王様もここで本題を思い出し、慌てていった。
「相談というのは、お前の部下の中で程々手加減がウマいやつを紹介して欲しい。私の部下を生かさず殺さずしごいて欲しいモノ達が居てな」
有体に言えば修行させてやって欲しいのだ。と魔王様が言えば、ディアマントは私めではダメでしょうかと尋ねるがお前はそのものと比べて強すぎると苦笑した。
「現在の基準を、教えて頂きたいのですが」と魔王様に尋ねる。
「黒龍といい勝負出来た辺りで拳の悪魔を呼び出し、現在は全員対悪魔一人で戦わせていい勝負になっておるな」
「話になりませんな、そのクソ雑魚ども」ディアマントは口をへの字に曲げふてくされる。
「私の近衛なのだ、今は弱くとも私の為に必死に鍛えようとしておる。将来を見てやりたい、忠義という意味だけならお前にも劣らないもの達だ」と魔王様が真剣な眼差しでいうと流石のディアマントも失礼しましたと頭を下げた。
「成程、であればなるべく早急に鍛え上げる必要がありますね。姫の近衛であれば、当然それなりに強く無くてはいけません。そうでなくば、私を始め悪魔や邪神達は存在を許さないでしょう」
「重ねて言うが、殺さず限界を攻めながら鍛え上げて欲しいのだ。才能も力もない連中だが必死に私の為に先へ進もうとしておるのだからな」
魔王様は優しく微笑むと、その顔をみたディアマントが顔を赤らめる。
「判りました、それでは黒葬(こくそう)に鍛えさせます。貴女に相応しい近衛となれるよう精々頑張ってもらいましょう」
「相変わらず、姫はお優しい……」
それだけ言うと、ディアマントは跪いたまま姿を消した。
(かわいそうに……)
今部下達の心は一つとなった
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