主人公のミランダが文句なしに魅力的でした。
高級娼婦としてしたたかに振る舞い、青年貴族に飼われようと媚びることもなく、不幸のドン底まで突き落とされても心に灯した火を消さず、弱きものに手を差し伸べ、真の愛を信じ続けたミランダが大好きです。
ドン底描写が圧巻でした。容赦なさすぎる。
だからこそ、ミランダの靭さがいっそう際立ちました。
どんなに落ちぶれて惨めな生活を送ろうと、彼女の魂は気高さを保ったまま。ずっと美しかったです。
苦節の末に真の想い人と再会してめでたしめでたし……ではなく、その後の苦難もリアリティたっぷりに描かれおり、素晴らしいヒューマンドラマだと感じました。
世間一般の「女の幸せ」を得られなかったミランダが、それでも手にした幸せに、涙が滲みます。
メインタイトルでもある「星の金貨」に込められたもの。前半部とラストでがらりと変わり、胸を打ちました。
本当に素晴らしい作品でした。ぜひご一読ください。