第68話 ついにキャラクター化!

9月6日(火)23:12分

日中はまだ残暑が厳しいと思うが、夜間はだいぶ涼しくなったと思う。


発送と元グリミー大森さんの対応が終わった。

大森さんのグリミー化は解け、元グリミーという感じだ。


「大沢君、オッケーだね。」

「はい、じゃあ受付に行ってきます。」

「お願いします。」


大沢は駆け足で車に向かい出発した。

草加部は休憩室に行き、リュックからタバコを取り喫煙所に向かった。


ホームからの階段を降り駐車場まで行った。星が綺麗に見えていた。月はだいぶ高くなっていて半分くらいだろうか、だいたいそんな感じだった。


向かい側の公園には誰もいなかった。歩道にある街灯と駐車場の電灯だけが点いていた。


タバコに火を着けた。深く吸う。


“あとはグリミー民族の残党だよな。大型ドライバーのグリミー伊藤と榊は手伝ってもらえればいいだけだもんな。当たり前にしか思ってない。これもどうかと思う。”


タバコを消して休憩室に戻った。


いつもの席に座りスマホを見る。なんか見慣れない通知のマークが出ていた。


“なんだろう”


“ネット小説 メッセージがあります”


草加部はサイトにログインした。


メッセージが届いていた。


それを開く。


ーーー

ナイトワーカーズ様


なかよし保育園の菊池と申します。

いつも連載中のグリミーを楽しく読ませて頂いております。


この作品での、ハラスメントはカッコ悪い、ダサい、臭いに大変共感致しまして、いじめっ子はカッコ悪い、ダサい、臭い、グリミーになっちゃうよ!と、小説を参考に子供向けに作って園児に教えています。


じつは、そのいじめっ子対策のことをテレビ局がどこかで聞いたらしく取材の依頼がありました。


そこで、遅ればせながらグリミーの名前の使用と、作品を参考にさせて子供向けにしてること、テレビの取材に応じることを許可して頂きたくご連絡させて頂きました。


よろしくお願い致します。

ーーー


草加部は感激した。


“おーー!”

“大沢君はまだ戻んないの?”

“仁田さーーん!”

“うぉーー!”


“いいじゃん!使ってよ。”


ちょうど大沢君が戻ってきたのがガラス越しに見えた。


草加部は興奮と感激でうまく声が出なく、手を大きく動かして、スマホを指すような素振り。


“おーー!これ見てーー!”と言ってるつもりだ。


大沢君はそれを見て、


「???」


草加部はスマホを差している。


「スマホを見ろということですか?」と言って草加部のスマホを見た。


大沢の表情も驚きを隠せなかった。


「おーー!おーー!」


草加部もやっと落ち着きを戻してきた。大沢君が読み終えるのを待ち、


「これってキャラクター化?」

「そ~ですよね~」

「テレビ局」

「グリミーになっちゃうよ。」

「凄いよな~」


「大沢社長、どう?」

「いやいや、これはオッケーでしょう。」

「小説の趣旨も理解してくれてるし、使用目的を見ても教育だ。問題ない。」


草加部は大沢君に、


「早めに仁田さんに連絡してあげて。俺は早いとこ返事を出しちゃうから。」


「分かりました。」


草加部は返事を作り始めた。2人は食事を忘れて取り組んだ。中沢さんの北日本便がくるまでは終わるだろう。


ーーー

なかよし保育園 菊池様


ナイトワーカーズです。


ご丁寧にご連絡をいただきましてありがとうございます。作品の趣旨をご理解いただきましたことを大変嬉しく感激しております。


お問い合わせいただきました件、まったく問題ありません。


グリミーの名前、どんどん使って下さい。


参考にしていただき光栄です。


テレビで作品のこと等、公開していただいて問題ありません。


我々は、教育で活用していただけるなんて思ってもいませんでした。


無制限で使って下さい。

ーーー


気さくな文章にした。


“送信”


「よし、終わった!」


草加部は大沢君の様子を見た。スマホに打ち込んでいる。


「大沢君、終わったよー」

「は、はい」

「何かしたの?」

「今、頑張ってましたので」

「そうか、ごめん。」


草加部が思い出した。

「あっ!」

「なんですか?」

「今回は消滅させなくていいよ」



ーつづくー

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る