第52話 報告(秘密会議)

7月13日(水)19:28分


いつもの秘密会議の時間。


草加部は昨日のことを順番立てて報告した。

大沢君も一緒にいた。


「呪縛ですか。なるほど、公平性とかあっちやるならとか言われたら、やらなきゃならないという心理が働きますね。」

「現実的に言って、呪縛ってこういうもんなんじゃないでしょうか。」

「そうかもしれないですね。」

「呪い返しは、質問で返すことがポイントだと思います。」

「たしかに言われたら説明出来ませんね。」

「はい、もっともらしいことを言ってるだけだと思いますので説明はできませんよね。」


今村はニヤけていた。


「歴史的背景と夜勤への差別は、説得力ありますね。」

「はい、これは、分けて考えるべきだと思います。」

「そうかもしれませんね。歴史的背景にグリミーが重なったと考えたほうがいいですね。」

「歴史については、当時はそれでよかったんだと思いますが、これだけの人数と物量になったわけですから、当時の考えのままでとはいかないんじゃないでしょうか。組織化と線引きが必要だと思います。」

「ルール化も必要ですね。」

「やはり、自分の仕事は自分でやるだと思います。」


今村がグリミーについての話しに変えた。


「あと、東藤さんについての仮説も信憑性がありますよね。」

「あ~、夜勤への差別のやつですね。結局、相手を悪く言って自分を良く見せて行って、矛先を鈴木さんに向けたということなんでしょうね。」

「そうなんでしょうね。」

「ただ、これが原因で、夜間のことを全く知らない人までが差別的な態度を取ってるわけですから迷惑です。」


「いや~、根深いな~」と今村が言った。

「けっこう根深いと思いますよ。ただ、契約書の業務内容を確認しましたし大義名分はありますよね。」

「そうですね。あると思います。」


「あと、大森さんと能見さんについては分かりました。頭にきたら怒って構いませんから。それで、なんか二人で夕方に相談してましたよ。」

「懲りてくれればいいんですけどね。」


「もう、引き返せないと思います。改善するの止めたとは、もう言えませんよ。」


今村は少し考えた。

「・・・そうですね。」

「貫きますからね。」

大沢君は、ここで力強く頷いた。


「そうですね。それでいいと思います。村上さんについては一度話してみますよ。」

「はい、キーマンは開設当初からいる村上さんだと思います。よろしくお願いします。」


「はい、じゃあこれであがります。よろしくお願いします。」

「はい、お疲れさまです。」

「お疲れさまです。」

大沢君も言った。


今村は事務所に向かった。


草加部と大沢は作業に戻った。

「え~と、なにすればいいんだ。よし、手分けするか。」

「そうですね。」


今村は事務所のいらない電気を消してあがった。


大沢が草加部のところに行った。


「草加部さん、ゴリラだと思ってと言ってたのはカイさんですよね。実は、カイさんが呪術使いなんじゃないかと…。」


「えっ」


「まじない(御呪い)を広めてるとか?」


金髪でフリーターでモデルのような体型。


「似合うよな。」

「えっ、いや似合うとかじゃなくて。」

「いいね。使える。小説で使おう。」



ーつづくー

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