第14話 北日本便

「チョコレート食べるのわすれてたな~」と話しながらホームまで行った。


 行くと、荷台の高さ調整の終わりかけだった。ピッピピーの音共に終わり、運転席から降りてきた。


 中沢さんはめんどくさい人じゃない。2人は気楽な感じだった。


 中沢さんは、「お疲れさん。」と手をあげ、箱型の荷台の観音扉を開けた。


 白髪のリーゼント頭で顔はホームベースのような輪郭をしている。


 お疲れ様です。と二人も挨拶し、草加部は手前側にパレット物が5~6枚載ってるのが見えて、フォークリフトに向かった。


 北日本便の立ち寄りの時の荷物量はさほどでもない。ここに立ち寄り、降ろしてから集約店に行けば積める量が増える。歩合制ということもあり、中沢さんは立ち寄りの指示はされていないが、毎日立ち寄っていた。そういう計算で仕事する人だ。


 ホームに接車された。曲がっていない、まっすぐだ。中沢さんは曲がることが少ない。


 トラックの荷台はオートフロアタイプのものだ。荷台の内側の入口付近のボタンを操作すると動く。


 大沢は、ボタンの操作をするために、そこで待機していた。


 ドライバーの中沢さんは事務所に向かっていた。


“パレットさえ降ろせばすぐ終わる量だ。”


 フォークを運転しトラックに向い、パレット物を抜く。大沢は次のパレット物が抜ける位置までオートフロアを動かす。


 草加部は、いつものところにパレット物を仮置きして、お腹を揺らしながらトラックに戻る。


 中沢さんが事務所から歩いてきた。


 二枚目、三枚目と繰り返し、スムーズに降ろした。パレット物は全部で五枚。


 そのままフォークから降り、草加部は荷降ろしに向かった。手伝って早く終わらせてしまった方がいいと判断した。


 大沢君と中沢さんで荷降ろしを始めた。草加部も入り、いっぱいになった台車を大沢が“コの字”まで運び、中沢さんと草加部で荷降ろしを始めた。


 すぐに終わった。


 中沢さんは、「どうもね~」と言いながら運転席に向かった。


 仕分けもすぐ終わり、2班の荷物も降ろしに行くまででもなく、パレット物もすぐに終わった。


「よ~し、オッケーだね。」

「はい。」


 24:56分


 次は二回目の横持ち。グリミー大森だ。2:30分くらいだろう。それまで休憩だ。


 草加部は、喫煙所に向かった。

 まだ向いの公園でバスケットをしている。好きなんだろう。いつも1時半くらいまでやっていた。

 月は、さっきより高くなっていた。

 草加部は、タバコを深く吸った。


 フゥー


“会社の名前、どうするか”


 ーつづくー

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