第4話 これから、、

医療キャンプに運び込まれた後、極度の栄養失調だった僕は体力が回復するまで点滴を受け、無事に食事が摂れるまで戻るのに1週間程かかった。


結局僕が森林に入ってから戻ってくるまでは、どうやら1ヶ月程経っていたらしい


僕の所属していた小隊は僕を残し全滅

少年兵も8割が戦死を遂げた


僕がいたクラスのクラスメイトや友人達は誰一人として帰ってこなかった。


死体を回収できたとしてもその死体は、大半が五体満足では帰ってこなかったが、中にはまだ少し息がある人間もいた。

息のある人間を見た時、僕は少しドキッとして、鼓動が早くなるのを感じた。

でも悲しいとかの感情は不思議となく、ただあの何気ない日常は二度と帰ってこないのかと漠然と考えただけだった。


その後、僕ら少年兵は作戦本部近くの心理施設まで護送され、一人一人が心理カウンセリングを受けた後、PTSD?と診断された者達は各家へと帰される予定となっていた。



ほぼ生き残った全ての少年たちがPTSDと診断される中、僕だけがその診断結果にならず

担当したカウンセラーも頭を抱えていた。


この場合、本人の強い意志があれば帰ることは叶うみたいだが、僕は残る選択肢を選んだ。


散々医師とカウンセラーに説得されたが、僕の意志は変わらず


何故そこまで戻ることを拒むのか


という問いに対し


僕のお父さん、友達を殺した奴らに敵討ちがしたい


と涙ながらに訴えた


医師達は軍に相談した上、そこまで強い意志があるならと許可が下った。

少しでもそんな気持ちを持った兵士が欲しい軍部はどちらかと言うと歓迎だったみたい



正直、お父さんと友達の敵討ちはどっちでもいい

僕が軍に戻りたかった本当の理由はー、、




僕が軍に戻ってから直ぐに、僕には出撃命令が下った


また同じようにトラックに揺られ戦地へと送られる中、僕はふと、自分の中心が軽く硬くなっているのに気づいた。

それと同時に少しずつ気分は高揚し、あの民家での出来事を思い出しながら、僕はヘルメットを深く被り、周りに聴こえるか聴こえないかくらいの小さな鼻歌を唄い、トラックの揺れを子守唄にしながら眠りに堕ちた。

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生と死の狭間で @AE_zionics

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