深淵の森
転生したらそこは凶悪な魔物の蔓延る森のはずれ。
そう森の外れなのだ。だがこの森の魔物は異常なほどの強さを持っている。
だからこの世界の人々は森へは決して足を踏み入れない
森には規格外の魔物が生息し、また貴重な資源がありふれていた。この世界には龍脈と呼ばれるものが巡っているがその全てがこの森を起点としている。その龍脈から流れ出るエネルギーでこの世界は成り立っている。
その森は「深淵の森」と呼ばれていた。
そしてこの世界では森といえば深淵の森の事を指し、他は林、密林、熱帯雨林、雑木林、様々な呼ばれ方はあるものの決して森とは呼ばれなかった。
なぜなら森とは深淵の森を指す言葉でこの世界の人々はその森に恐怖と畏敬の念を抱いていた。
ちょっと森まで魔獣を狩りに行くなんて表現はこの世界ではあり得ない。
そこは武の頂にたどり着いたと確信したものが自分の力量を確かめる為だったり、死に場所を求めているものだったり、深淵の森なら万病に効く薬の原料があるのではないかという噂を信じた者に強制的に送り込まれて向かう場所である。普通に生活していればまず近づくことすらなく一生を終えることだろう。
しかし、この世界のことをなにも知らない異世界の者なら話が変わってくる。
異世界テンプレ的には森の外れや森の中に転移してチート能力で強大な魔物を倒していきなりレベルアップして俺TUEEEや、雑魚を少しずつ倒してそれを近くの街で換金したり街に入る入場料にしたりする地道なもの。森の外れを通っている街道に向かって何故か襲われている馬車を助けて物語スタートなどの王道と言われるテンプレはいくつかある。
そして今回の転生者はラノベ大好き、特に異世界転生・チート・いきなり最強的な話がとても大好きな者だった。
そんな人間が異世界に行けると知り、何故か剣と魔法のファンタジー世界となっていて、価値観も現代の日本人がとても共感しやすかったり理解しやすい世界への転生と聞けば転生先として森の外れを選んでしまうのもわからなくもない。例え神様にお勧めされなくても俺にはチートがあるこれを使いこなして異世界でヒャッハーしてやると勘違いしても仕方のないことかもしれない。
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