第29話 女子高生、おじさんに色々質問する。
「これはもう完全にお手上げだな。おとなしくササメを待つことにしよう」
特訓の
たいくつでたいくつでたまらないアタシは、おじさんに気になったことをいくつか聞いてみることにする。
「おじさんって、ロカちゃんのADですよね。その前は何をしていたんですか?」
「ダンジョンの整備員だ。一般客用エリアの地面の舗装とか、ダンジョン内に併設されたショップの建築とかかな」
「ふうん。どうして辞めたんですか」
「辞めたくて辞めたわけじゃないよ。仕事をクビになったから、しょうがなくダンジョンでモンスター狩りをしていたところを、偶然ロカと出会って、なりゆきでADになったんだ」
「ずっと気になってたんだけど、ダンジョン配信のADってそんなに儲かるんですか? おじさんのマンションって購入すると億じゃきかないんじゃない?」
「あの部屋は借り物だよ。もとはササメの妹が住んでいたんだがな。仕事の都合で関西に住むことになったから、貸してもらうことにしたんだ」
「ふーん。てか、ササメさんの妹さんってすごいね!! どんな仕事をしてるの?」
「ロカの所属している芸能事務所の社長だ。他にも色々な会社の取締役に就いている」
「え? ってことは、おじさんは義理の妹さんの部下ってこと??」
「そうなるな」
「じゃあさ、じゃあさ、おじさんとササメさんってどこで出会ったの???」
「ササメは大学の後輩さ。俺が四年の時に入学してきたんだ……って、おいおい、さっきから俺のプライベートをズケズケと聞いてくるな」
「え? だってササメさんが来るまで暇だからさー」
「……暇潰しなら、もっと建設的な話にしてくれ」
建設的って? ちょっと何言ってるかわからない。
「モンスターとの戦闘のコツとか、シェールストーンの使い方のコツとか、いろいろあるだろう?」
「ああ、そう言うこと!! じゃ、気になったことがあるんだけど、適正能力の『管理の星』とか『表現の星』とかって、全部で何種類あるの??」
「シェールストーンと同じ全部で5種類だ。
おおまかな適性はササメのやった方法で判別はできるが、実際のところ特化型だったり、バランス型だったりと人によってかなりのばらつきがある。こればかりは実践を繰り返して自分にあった戦い方を模索するしかない」
うーん。なんだか難しいな。学校の授業とおんなじくらい退屈だ。アタシは睡魔におそわれてあくびをする。
「……
「それって、ロカちゃんのこと!? やったあ! 一流の探索者にそっくりだなんて! アタシ、やっぱり才能あるかも!!」
「はあ、無駄にポジティブなのもそっくりだ……」
おじさんは、あきれ顔をして両手を頭の後ろで組むと、赤い砂の大地のうえにゴロンと横になった。
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