1 両性人間の時代(13)
しかし、物事には、必ず長短があります。良く効く薬に副作用があるように。かつて、人類(の一部)が飢餓の不安から解放され、逆に食べ過ぎによる生活習慣病が副作用的に生まれたのと同様、いくつかの深刻な問題が生じました。それも続けざまに。
最初は、人口爆発でした。医学の進歩で寿命は飛躍的に延びました。そしてこの真・フリーセックス時代による超ベビーブームです。当然の結果でした。このことが社会保険費としての子育て費用も国の財政を圧迫しました。かつての老人介護問題がそうであったように。
そして何よりも深刻だったのは、人々の性への興味が低下していったことでした。かつての多様性の社会は、異なる人間同士が、理解しあい思いやることでした。逆に言えば、理解できないところが、問題であり、また、魅力でもありました。ところが、両性人間化により、男女間での謎が無くなって、恋心が覚めてしまったのです。気軽に性交渉できることも原因でした。今も昔も未来も、人は困難があると禁断の恋に燃えあがるようにできているのですね。
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