1 両性人間の時代(12)

 かつてなら、容姿が冴えず、異性に相手にされなかったようなタイプの人たちも〝飽性〟の時代の真・フリーセックスの輪の中にいました。ここでも平等な社会が完成していました。モテる人をモテない人がうらやむことも、その逆も無くなりました。というか外見からモテない人はむしろ体にいいとか言われて、逆に人気でした。「好き嫌いしてはいけません」と国は『国の宝』たちに教えました。世の中変わるものです。皆が楽しく、欲求不満も社会的プレッシャーも無いです。


「エミ。イチローが来週の火曜日のパートナー探してるって言ってたけど、オーケー?」

「うん!ありがとう。シン!」

「じゃあ伝えておく」

 男女も美醜も差別が無くなった真・フリーセックス時代は、実にくったくがなく、皆が思いやり、気軽に助け合える理想の世界であるかに見えました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る