Ｌｕｃｋｙキミにストライク ‐探偵リクのはじまりの遺言‐

ーーナナーー金持ちパンクロッカー

第14話

　金持ちパンクロッカー

　国崎れれみ。

　なんという珍しい名前。

　僕は彼女の生きる姿が想像できなかった。

　生きる姿と言うか、生き様と言うか。彼女がどのように日常を過ごしているのかが全く想像がつかなく、彼女を思い浮かべるのにちょっとばかし苦戦をした。

　国崎れれみの失踪情報は新聞にも載るくらいの一大事件だったようだ。

　新聞の見出しには「国崎れれみ、音楽を残して消失？」と書かれてあり、国崎れれみについてびっしりと書かれてあった。

　カナガワを中心に颯爽とファンを作り上げたアーティスト。

　パンクロッカー国崎れれみはクラブでライブをした後、ファンとの打ち上げをしていたようだ。

　その最中、突如、姿を消した。

　誰も国崎れれみが姿を消すなんて思っていなかったから、国崎れれみが何気なく席を外しても何も違和感を覚えたりせず、当たり前のようにしていた。その席を外す何回目かで国崎れれみが帰ってこなくて、違和感を覚えたファンの一人が国崎れれみが消えたことに気が付いたのだ。

　その日は、国崎れれみの気分が変わって先に家へ帰っただけかと思い何気なく過ごしていたファンたちも、次の日になって、ライブにも姿を現さなかった国崎れれみの存在に疑問を持ち始めた。それ以降、国崎れれみはファンたちの前に姿を現さず、ファンたちは騒然となり消失について疑問符を持ち掛けていた。

　突如有名となったパンクロッカーは、一体どこへ行ったのか。

　国崎れれみのファンたちは今困惑してたまらないだろう。