第2章 海上の侵入者 No.2
シャ、シャ、シャ……。
男は剣に磨きをかけるべく必死に研ぎ石を磨いていた。
ここは中型船の暗い部屋。ここには似つかわしくはない、12畳と“ポツン”と置いてある、一本の太い線が薄暗く、そして恐ろしさを物語っていた。
「ん……?」
どうやら、失神してたみたいだ。下半身の所が“ビッショリ”と濡れている。
“うぁ……マジで恥ずかしい///
どこか見つからないようにしょう…”と思った矢先、腕が動かない!しかも、口を塞ぐために、猿ぐつわで固定していた!
「ん!んーん……」
少年はジタバタして抵抗していた。すると、ある男が動きを止め、ゆっくりとこちらの方に向かって歩いてきた。
「ん!!!」
よく見たら“ガルシアさんだ!”
ガルシアは師として心に決めていたのだが、普段の近況の様子を見て“果たして師を呼べるものかなぁ…?”と疑問を感じてしまった。だから、タイミングを踏み止まっていたのだ。
“このまま隠れていようかなぁ?”と思った矢先、見つかってしまった!
コツン、コツン、コツン……。
ガルシアの足音が次第に大きくなってくる、やがて足を止め、無表情で口を開いた。
「なぜ、この船に乗り込んだ?」
「ん!んーん……!」
ガルシアは不機嫌そう顔で喋りかけた。
「そっかぁ……しゃべりたくないんだ……だったら」
ガルシアは右手で握り締めた剣を挙げた。
“猿ぐつわ!猿ぐつわ!しゃべれないの!?”
少年はパニックになりながら、最後の声を振り絞った。
“もうダメだ…”
と諦めそうに感じだ矢先、奇跡が起きた!
コンコン…。
その音を聞いた瞬間、見知らぬ男はゆっくり歩み寄った。その姿は“ガストンさんだ!”
普段なら何も感じないガストンだったが、今は天使のように感じた。
「コラコラ!何してんの?」
その声を聞いた、ガルシアは“クルッ”と180度向いて言った。
「この少年に尋問しようと思って……」
ガルシアも“しどろもどろ”のような感じだ。
ガルシアは陸の上なら立場的に上でも、海だったら立場が下である(船には一種のコミニティーがあり、色々やらかしたガルシアなら、立場にせざるを得ないから)
ガストンはため息をつきながら、こう言った。
「船の中で剣を振り下ろさなくてくれよ。船が臭くなる」
「前言撤回!!!」
“常識的なガストンでも、こんな発言するとは知らなかった……”
少年は“死ね死ねリスト”上位にランクアップしてしまうぐらい、憎悪で満ち溢れていた。
“ガストン!◯す!”
「んーん!ん!…」
少年は何度も何度もバタバタして諦めず、必死になっていたら幸運が迎えにきた。
「ん?何か言いたい?よし!分かった!最後の言葉だ」
そう言ってガルシアは少年の猿ぐつわを外した。
「ガルシアさん!アナタの師匠になりたいんです!どうか、お願いします!」
少年は話すなりに、すぐに言葉を発していた。それはそうである。なんせ、死ぬか生きるかの瀬戸際であるからだ。
「えっ!でもなぁ……」
ガルシアは命ごいをするかと思ったが、突然のお願い発言!しかも師匠に弟子入りは、まんざらでもない。
ガルシアは明らかに鼻の穴が空いていた!
“よっしゃ!ひと押しだ!”
「私の名は“カシム・ゴンザレス”といいます。モスト帝国とダマスア王国とのハーフにございます。先日、ガルシアさんの戦いを拝見しまして、本当に感動しました!」
カシムは必死になって訴えきた。
「だから、強制送還も覚悟の上です!どうか、働かせて下さい!」
ガルシアは必死になってお願いする、少年の姿をいたく気に入ってしまった。
「なぁ、この少年…何だっけ?」
「カシムです!」
カシムは真剣にな眼差しで、ガルシアの方を見つめる。
「そう!カシム!聞けば良い感じだし、師匠である、俺のセンスとして良い感じ!」
ガルシアは“まんざら、そうではない!”というような感じがしてきた。
“よし!もうひと押しだ”
「しかし、師匠なんてなぁ…こんな面倒くさいこと俺は嫌やぞ」
と言っている隙に、カシムは縄を解いた。そしてカシムは、すかさず土下座をした。
「ありがとうございます!このご恩は一生忘れません!どうか、カシムを手となり、足となり遠慮せずに使って下さい!」
ガルシアは悩んでいる隙に、強引ではあるが了解を取り繕っていこうとした。
「おいおい!まだ、決めてないぞ!」
ガルシアは焦って返答するも、カシムは必死なって懇願した。
それを見たガストンはため息をついた。
「分かったよ!」
“よっしゃ!命は免れた!後、数日ガルシアの様子を見てダメだったら、逃げよう!”
そう思って“最初の指示は適当にやると怪しまれるから素直に従おう”と感じてニコニコの顔で指示に従った。
「では早速、何にしましょうか?」
「船員の助手」
「へ??」
カシムは“何言っているのか?”を解らないまま、立ち尽くしてしまった。
「だ・か・ら!船員の助手!今から言って、文句を言わず頑張ってこい!」
“もう終わった……”
人生でこの期間。理不尽な状況があったと思うけど、ここまで理不尽なことはなかった。
カシムは思考停止になっていたが“世の中には甘くない。だったら、ゴールを決めてゴールしたら直ぐに撤退しょう”と思い、実行した。
…ちなみに、ガストンは“敵”とみなし少しでも触れように思うのなら“シャーッ”という言葉を発していた。
残りあと、2日。
果たして、ダマスア王国の儀式、マナー、生活な文化などを聞いているのだろか?
少し気をなるが、新天地へ確実に進んでいるのであった。
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