第19話



「そうなのですか、リースリットさん……?」

 威圧的なドレン先生の目が、リースリットに向けられる。


「え、ええ。そうですわ。だから、魔法陣型の事を訊いていたんですの」


「なるほど?」

 ドレン先生は、一度納得したような素振り。

 のようにみえたけれど。

「これは良い機会かもしれません」

 と呟いた。


 どういう意味だと、リースリットたちが思っていると。



「確かに、昨今では詠唱型の魔術師スペルキャスターは減ってきている。けれど、陣型の魔術師アーキテクチャーに劣るということではない――その認識を皆に改めていただくためにも、お二人を題材として、特別に講義を致しましょう」


 ドレン先生はそんなことを言い出した。


「特別、講義……?」


「ええ。リースリットさん、ロゼさん。手伝って頂けますね? あとそこの三人は、案山子ターゲットの前に他の生徒達が集まる様に伝えて回ってきなさい」

 

 そうして、ドレン先生の特別講義が、はじまるのです。

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【魔法学園★マジックマスター】《Ⅰ》――リースリット編―― 日傘差すバイト @teresa14

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