第17話


「どうして、わたくしの先生までバカにするんですの?」

 思わず、険しい表情になるリースリット。

 そこに。


「ちょ、ちょいちょい。あんたら、もう辞めなよ。リース様がどんな方なのかあんたたちも知ってるだろ?」


 リースリットの機嫌が悪くなったところで、ワインレッドの髪が割って入った。

 ロゼだ。

 見かねて、三人組とリースリットの間に立ったのだ。


 三人組の真ん中が、鼻で嗤う。


「ふん。知ってるさ。だからなんだよ? そもそも魔術の学校なんかに来なくても、未来に何の不自由もないやつが、どうしてここに居る? どうせ親に言われました、とか教養のため、とかなんだろ?」


 リースリットは反論できなかった。

 確かに、リースリットが魔術学校の入学試験を受けたのは、親に言われたからだ。学校に入ったうえでやりたいことも決まっていない。

 三人組に言われた通りだ。


 けど。

 ロゼの背中は言う。

「――いいじゃないか、別に? 入学の理由なんて人それぞれで当然じゃん。あんたら、いろいろ言ってるけど、ようは唯のやっかみだろ? ……不敬罪で打ち首になりたくないなら、さっさと立ち去りなよ」

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