第13話
「もう授業は始まっています。術師以前に、時間の厳守と公私の区別は、秩序を重んじる人として、一般的な礼儀です。規律を守れない者は、世間で爪弾きにされるだけだと、覚えておきなさい――」
先生は特に、遅れて入って来たものに目を向けて行っているようだった。
「――では授業を始めます」
ドレン先生は、一連の叱咤を終えると、生徒が静かになったことを確認して、授業を開始する。
「皆さんの中には、既に術式を使用できる者も居ると思いますが、できる者はその術式で、できない者は先ほどの『補正』の術式をこの実習の課題とします。しかし今日は出来なくても構いません――まずは、皆さんの術……合成技術を見せていただきます」
ドレン先生が、はじめ、を宣言して、あちらこちらで陣が展開し始める。
生徒全員が一様に術を使用し始めたからだ。
「各自、安全距離を維持するように。標的が必要な者は、実習場後方の的を使いなさい、攻撃用の術式も同様です!」
「では、わたくしはあちらがよろしいですね」
先生の言葉を聞いて、リースリットは念のために後方へ向かう。
「じゃ、私もそうしよう」
それにロゼも付いていく形になった。
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