第11話
実習場は広く、殺風景な所だ。
そこに、ローブを纏った学生服姿が次々に入ってくる。
頭の上には、実習中を示す『とんがり帽子』も被っている。
勿論リースリットもその帽子を身に着けていた。
一際長くきめ細かな黒髪は今は纏められており、その傍らに居るロゼも、ワインレッドの髪を縛って帽子の中に突っ込んでいた。
そんな生徒たちの様子を、先に来ていたドレン先生が眺めている。
授業の開始5分前には全員そろっていることが理想であり、ドレン先生はそのことをよく口にしているのだが、やはり皆が皆守るかと言えばそうではなく。
この時も一人、授業の開始時間を少し過ぎてから入ってきた者が居た。
そうして。
ドレン先生は、生徒全員が到着したこと、授業の開始時間を過ぎていること、結界を制御している魔道具が故障していないこと、を確認し、結界を起動する。
この実習場は、安全のために周囲に障壁で囲う結界を展開することができるのだ。
ドレン先生が、障壁が完全に展開し終わるのを見守る中。
時間を持て余した生徒達は、ざわついていた。
「リース様、杖は?」
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