第9話
「さぁ、答えなさい、リースリットさん」
「ドレン先生……わたくしに解るのは、目標指定と弾道補正、それと弾速強化が籠められている事だけですわ」
リースリットはロゼをちらりと見る。
ロゼのウィンクを見届けて、答えを付け加える。
「……あと、
「よろしい。的確な回答です、リースリットさん」
ドレン先生は、満足したかのように、リースリットから視線を外す。
はぁ、とリースリットが胸をなでおろす。
そしてその横で、「お疲れ様」とねぎらうロゼに、その矛先は向いた。
「では、これはどのような魔術ですか? ロゼさん?」
「へ?」
不意を突かれたロゼは驚く。
「……ど、どのような……? 何かをぶっぱなす的な……ヤツでは?」
「いいえ、この術式はあくまで補正するだけのもの……例えば……」
とドレン先生は背中を向け、黒板の下方にあるケースから、何かを取り出した。
そして。
「……これはこのような時に使います」
ドレン先生が振り返り、右手に持った何かを無造作に投げた。
ロゼの動体視力がそれを捉える。
「チョーク!?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます