第7話

「術師というのは、術が使えなければ話になりません。そしてそのための術式図が読めなければ、術式は使えません……分かりますね?」


 ドレン先生が、しわがれた声で説明し、手に持ったタクトのようなもので黒板に書かれた図を示す。


 書かれた図は、単純なモノのようだったが、リースリットにはまだ全部解読することが出来なかった。


「リース様はアレ読めます?」

リースリットに、隣に座るロゼが小声で尋ねる。


「いえ。……目標指定、速度強化、弾道補正が入っているのは解りますけどそれ以外は……。攻撃用の術式でしょうか?」


「それなりに読めてるじゃないですか」


「ロゼ様は?」 

 

「私に解るのは、魔力子マギの配置が『5』ポイントしかないってことくらいですね」


「あ……本当ですわ。では攻撃用の術式とは違うのでしょうか」


 教室のあちこちでひそひそ話がささやかれる中。

 授業中の私語に対して厳しいドレン先生が、ピシリ、とタクトを黒板に叩きつける音で、教室は静寂を取り戻した。

 

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