第21話 アマラ深界(第1カルパ)

 ゴズテンノウに会う前に済ませておきたい事がある。

 それは、ある目的の為にアマラ深界第1カルパに行く事だ。

 以前、禍魂がある程度揃ったら行くと言っていたが、前言撤回。

 アレと戦う1回目がある事を、すっかり忘れていた。

 アレと戦う事前準備するには、やはり出向かねば。


 というわけで、ターミナルからアマラ深界へ。


 覗き穴の奥から、不思議な気配を感じる…

 隼人は覗いてみた。


 シンジュク衛生病院とアマラ経絡で迷い込んだ先にあった、

 舞台のある場所。

 緞帳が上がると、車椅子の老人と喪服の淑女が姿を見せた。


喪服の淑女

「…

 …あの魔人から、メノラーを取り戻してくれたのね、隼人くん。

 私が、ずっと前から思っていたとおり…

 君は私の力になってくれるのね。

 …そう信じていたわ。

 たとえ世界の姿が変わっても、って…」


 まるで自分は祐子先生本人だとでも言いたげな台詞に聞こえる。

 だが当人は氷川の元にいるはず。

 であればこの女性は、先生と同じ声を出して親密に語る事で、

 隼人を懐柔しようとしているだけに他ならない。


 車椅子の老人が喪服の淑女に目線を送る。

 喪服の淑女は静かに頷き、視線をまた隼人に戻した。

 この仕草や行動は、あの金髪の少年と喪服の老婆を連想させる。

 …そういえば、姿は違えど雰囲気は凄く似ていると言っていい。


喪服の淑女

「…

 …我が主の言葉をお伝えします。

 あなたが手に入れたメノラー。

 それは我が主の持つ大事なコレクションだったのです。

 メノラーはアマラ深界の流脈を制御する生命の炎…

 それが恐ろしい魔人によって、何処かへ持ち去られたのです。

 それを手にした者は、このアマラ深界を自在に行き来する力を得ます。

 しかし、それは誰彼無しに許された事ではありません。

 ここは本来、我が主が許した者しか足を踏み入れる事が出来ぬ

 禁忌の場所なのです。

 そこで、あなたにお願いしたいのです。

 そのメノラー、本来アマラの各層を照らす生命の炎を…

 取り返し、アマラ深界に戻して頂けないでしょうか?

 それが我が主の願いです。

 全部で10と1本あるメノラーを取り返す事。

 それをしていただけるなら、あなたがアマラ深界に出入りする事を

 許しましょう。

 あなたにとっても損ではない話だと思われますが如何でしょう。

 頼まれて、頂けますか?」


隼人

「はい。」


喪服の淑女

「ありがとう…隼人くん。

 君なら…いえ、あなたならそう言ってくれると信じていました。

 あなたに1つのメノラーを渡したのは、メノラー同士が引き合う力を

 持っているからです。

 それを手にしていれば、いずれ全てのメノラーを見つけ出す事が出来る

 でしょう。

 メノラーを取り戻したら、アマラ深界の各階層に配して下さい。

 各層に配する毎に、その働きに報いていきたいと考えております。

 あなたがたの世界でアマラの転輪鼓、トウキョウでターミナルと呼ばれる装置。

 それにメノラーをかざす事で、この地と自在に行き来する力を得るでしょう。

 それでは、くれぐれもお気をつけて…


 多々ある他の覗き窓から拍手が鳴り、緞帳が降りた。


喪服の淑女

「…これで準備はすべて整いました。

 我らが選びし魔人が、全ての死を乗り越えられるのか…

 そして新たな悪魔が誕生するのか…

 見守ることに致しましょう。」


 車椅子の老人は、軽く目を瞑ってこたえていた。


 隼人が奥に進むと、5つの扉のうちの1つが開いていた。

 地の底深くへ続く穴が開いている。

 意を決して飛び降りた。


 長いトンネルを滑空して金貨などをゲットするのは大の苦手。

 とにかくダメージを受けないように進むのが精一杯だ。


 そしてアマラ深界第1カルパに到着。

 進むと巨大な台座があった。

 隼人は、魔人マタドールから奪った基礎のメノラーを灯して台座に乗せる。

 すると第1カルパに入る扉が開いた。

 その先にはすぐ思念体。


思念体

「ここはアマラ深界。

 キミのいたボルテクス界とは、全く異なる世界だ。

 カルパと呼ばれる複数の層に分かれ、その一番下に、

 混沌の者たちを統べるあの御方がいる。

 人として…創世を目指すつもりなら、あまり長居はしない事だ。」


 女神アメノウズメがLV19に。

 ハマを諦めた。

 スキル変化。

 煌天の会心を引き止めに変えた。

 静天・煌天の会心は対ボス戦用のチートスキルだが、この通り変化しやすい。

 ボス戦用に使いたいなら、ボス戦直前に仲魔作成するか、わざとレベルアップ

 させない方が良いと思う。

 スキル変化させないという手もあるが、それはあまり面白味が無い。

 女神アメノウズメはもうボス戦に挑む予定は無いので、変わっても問題無し。

 次のレベルアップで引き止めを他のスキルに変えればいいだけだ。


 近くには夜魔ロアと思念体。


悪魔(夜魔ロア)

「人は死して学ぶ魂を持つ。

 悪魔は死せず学ばぬ魂を持つ。

 …悪魔であり人であるオマエはどうなんだろうな。」


思念体

「アマラ深界のどこを探しても、安息の場所なんて無いわよ。

 それにここの悪魔たちはみんな、ある目的のために集まってるから

 仲魔にはならないわ。

 死にたくなければ、せいぜい準備は怠らないことね。」


 下りる梯子もあったがそちらは行ったところで行き止まりだから後。

 まずは北西側から探索する。


 宝箱からはチャクラドロップ。

 もう一つの宝箱からは宝玉。

 歪んだ壁から入れる通路の先には、下りる梯子がある。

 下りた先にある魔法の箱からはヒスイ2個。

 ヒスイは、じゅえりーRAGで御霊交換する為の必須宝石なので有難い。


 その近くには墓標の間がある。

 魔獣オルトロスと鬼女ヤクシニーの記憶が眠っている…

 墓標の間は悪魔が出現しないようだ。

 安息の場所は無いなんて言ってたけど、あるじゃないか。

 もしチャクラの具足の回復が追い付かなくなったら、ここで歩き回ればいい。

 よし、これで探索がますます楽になるぞ。


 戻って西側の梯子から下りる。

 その先には鍵のかかった部屋があった。

 その扉の向かい側に思念体がいる。


思念体

「宝物庫の扉を開くにはカギが必要よ。

 反対側の宝物庫はどうだが知らないけどね。」


 宝物庫らしい。

 唯一あった宝箱は宝玉1個のみ。

 鍵が無いので今は諦め、今度は東側へ。


 こちらにも墓標の間があった。

 堕天使フォルネウスと妖精トロールの記憶が眠っている…

 奥に思念体がいた。


思念体

「墓標の文字は、常に刻まれ続ける。

 誰かさんが悪魔を葬るのに合わせて…」


 堕天使フォルネウスの墓標があるという事は、ここが最初の墓標の間

 という事だろう。


 近くの部屋には闇ブローカーがいる。


闇ブローカー

「オマエ、なかなかの強さだな…

 いいもん売ってやろうか?

 いいもんってのはな…

 全てを見抜く力の持ち主、

 コイツの前じゃ、どんな迷宮もいちころさ。

 見知らぬ場所を冒険する…

 そんな際のお供に最適の悪魔だぜ。

 値はちと張るが、欲しくなるだろ?

 15,000マッカだが…買うか?」


隼人

「買わない。」


闇ブローカー

「そっか、まぁ欲しくなったらまた来いよ。」


 うん、後で欲しくなると思うから後で買うよ。

 今は仲魔の空きストックが2体分しかないし。

 残り一枠になってしまうのだけは、今は避けたい。


 近くの部屋には変わった思念体。


思念体

「ガルルルッ…

 あなた 人間? 悪魔?」


隼人

「悪魔」


 場所が場所だから、悪魔と言っておいた方がいいだろう。


思念体

「アタシはカマラ。

 悪魔は好き、みんなお友達だよ。

 いつでも会いに来て。

 魔人の事とか、教えてあげる。」


 すぐに会話再会。


カマラ

「また来てくれたんだ。

 いいコト教えてあげようか~。

 うんとねー、魔人の気配はぁ…

 今はどこにもないみたい。

 安心して歩けるね。」


 魔人の出現場所を教えてくれるようだが…

 次に戦うアレは魔人ではないのだろうか?

 もう間もなくだと思っていたが、思い違いか?

 近くの部屋には思念体。


思念体

「その昔、天より堕ちた時より、時は止まったままだ…

 そして真夜中のように沈黙し続けてる。

 全ての悪魔は、一人の御方の声を待つ。

 いつか、告げられる始まりの声を…

 以前出会った悪魔が言ってた言葉だけど、さっぱり意味が分からねえぜ。」


 部屋を出て、闇ブローカーの反対側に行くと闇医者がいる。

 シンジュク衛生病院でアマラ深界みたいな場所に入った時に回復してくれた

 のと同じ存在だ。

 どことなくブ〇ックジャックをイメージしている気がする。


闇医者

「生き物とは、死ぬ時は自然に死ぬもんだ…

 つまり治療とは自然に反する行動なのさ。

 …オマエも自然に反し、治療を望んで来たのかい?」


隼人

「いいえ。」


 余程の事がない限り、治療を望む事は無いと思う。


闇医者

「…それでいい。

 人は自然に生き、そして死ぬものだ。

 オマエの身に早く安息が来るよう祈ってやるさ。」


 下の階に降り、宝箱からチャクラドロップ1個。

 更に下の階におりると色っぽい思念体が2人いる。


思念体

「おにいさん、お疲れのようね。

 どう、休んでいかない?

 500マッカで大サービスするわよ?」


 ぼったくりバーだ。

 間違っても使ってはいけないぞ。


隼人

「いいえ。」


思念体

「そう…じゃあ、また今度いらしてね。

 待ってるわ。」


 隼人がLV33に。

 放電を覚えた。


 女神アメノウズメがLV20に。

 誘惑を覚えた(さっきの引き止めを捨てた)。


 また梯子を上り、部屋に入ってスイッチを押す。

 すると、どこかの扉が開いたようだ。

 脇にあった宝箱から、今回の目的の品である死兆石を頂く。

 魔法の箱からは運の香。もちろんすぐ使う。


 隼人がLV34に。

 電撃高揚を覚えた。

 もうこの時点で竜巻を捨てている。

 放電+電撃高揚の方が使い勝手が良い。

 衝撃系は後で仲魔を作ろうと思う。


 妖鬼モムノフがLV26に。

 一分の活泉、説得、特攻を諦めた。

 モムノフの体に異変が起きた。これも目標としていた1つ。

 見届けると…


アラハバキ

「我、名を邪神アラハバキと申すなり。

 汝に従いて、覇道を往かん…」


 モムノフはアラハバキに変化した。

 スキル絶妙剣を失った。

 武器を持たない悪魔に変化した為とはいえ、もったいない…

 スキル枠が1つ空いたが、とりあえず今は放置。


 女神サラスヴァティがLV32に。

 誘惑を諦めた。

 パールを貰った。仲魔からパールを貰うのはこれで2回目。

 なかなか運が良い。


 女神アメノウズメがLV21に。

 ペトラディを覚えた。

 これで主要な状態回復魔法が揃った。

 リカームこそ無いが、普段のサポートならこれで十分。

 会話スキル誘惑も残しておく。

 後で地霊サルタヒコと特殊会話する為だ。

 男の悪魔を誘惑する役目も任せよう。


 落とし穴に落ちて下のフロアへ。

 目の前の魔法の箱からチャクラポット入手。


 妖魔ディースLV24に。

 ディアラマを覚えた。

 スキルパワーアップ。

 マカジャマがマカジャマオンになった。

 くらましの玉を貰った。


 目的としていた

 死兆石の入手と

 邪神アラハバキの作成

 をクリアしたので、まずは帰還する。


 その後、

 天使アークエンジェルと妖鬼モムノフを誘惑で仲魔に。


モムノフ

「お! よく見ればイイ女じゃん!

 オレ様、美女の誘惑には弱いからなァ…」


 妖鬼の台詞は天使とは違っていた。

 種族別に台詞が用意されているのかもしれない。

 やっぱりどちらもチョロかった。無償で仲魔は助かる。

 特に天使はエンジェル以外男なので、誘惑はかなり使えてお勧め。


 仲魔のストックがいっぱいになったところで邪教の館へ。


館の主

「ほう…お主、不吉なモノを持ってきたな…

 お主が持っている死兆石は、死を呼び寄せる呪われし石。

 …我が合体の秘術のうちにもその死の影は忍び寄ろう。

 あるべき合体法則をねじ曲げ、その死はお主の前に姿を現す。

 そう、呪われし死の使い、魔人どもがな…

 その者ら、善にあらず。

 とはいえ、悪と断じられる者でもない。

 いかなる因果をもたらすか…結局はお主次第であろう。」


 予定としていた魔人マタドールを作成する。


〇魔人マタドールLV30=妖鬼モムノフ×天使アークエンジェル

 魔人マタドールLV30=魔人マタドールLV30×御霊アラミタマ

 スキル:マハザン/血のアンダルシア/気合い/タルカジャ/

    /煌天の会心


 死兆石はその輝きを失った…

 御霊は悪魔全書で購入。


マタドール

「我が名は魔人マタドール!

 貴公に勝利を! さもなくば喪服を…」


 魔人マタドールを連れ、再びアマラ深界へ。

 今度の目標は、魔人マタドールのレベルを30から31にする事だ。

 ぼったくりバーのいる通路まで下りる。

 この通路では邪神アラハバキ4体が出現する事があり、経験値

 稼ぎに適していた。


 隼人がLV36に。

 耐電撃を諦めた。


 女神サラスヴァティがLV33に。

 マハザンマを覚えた。

 ディスポイズンを貰った。

 …女神アメノウズメがいるから不要かもとは言いづらいだろう。


 魔人マタドールがLV31に。

 目標のスキル、デクンダを覚えた。

 スキル変化。

 煌天の会心をデカジャに変えた。

 ルビーを貰った。

 宝石を貰う確率が高い気がする。

 スキル変化全てを受け入れてるからなんだろうか?


 隼人はLV37に。

 勝利の息吹を諦めた。

 イヨマンテの力を完全に引き出した。


 イケブクロに戻ってもう一度邪教の館へ。

 御霊アラミタマをまた購入し、魔人マタドールをパワーアップ。

 これで準備は全て整った。



※現在のステータス


〇聖魔:檀 隼人/LV37/HP282/MP150

 禍魂:イヨマンテ(精神無効)

 パラメータ(補正無し):力14/魔13/体8/速12/運8

 スキル:アイスブレス/放電/電撃高揚/雄叫び

    /フォッグブレス/気合い/会心/反撃


〇女神:サラスヴァティ/LV33/HP270/MP150

 相性:破魔・バッドステータス攻撃無効/火炎に弱い

 パラメータ:力10/魔17/体12/速10/運14

 スキル:マハザンマ/メディラマ/リカーム/タルカジャ

    /洗脳/マカトラ/チャクラの具足/煌天の会心


〇魔人:マタドール/LV31/HP252/MP120

 相性:衝撃・破魔・呪殺・バッドステータス攻撃無効

 パラメータ:力16/魔8/体11/速27/運9

 スキル:マハザン/血のアンダルシア/気合い/タルカジャ/

    /スクカジャ/デカジャ/デクンダ/煌天の会心


〇邪神:アラハバキ/LV30/HP294/MP120

 相性:氷結反射、物理・破魔・呪殺無効/その他に弱い

 パラメータ:力14/魔10/体19/速6/運9

 スキル:突撃/気合い/タルカジャ/煌天の会心

    /アギラオ/デカジャ/精神無効


〇妖魔:ディース/LV25/HP216/MP117

 相性:火炎吸収

 パラメータ:力14/魔14/体11/速10/運6

 スキル:アギラオ/ペトラアイ/マカジャマオン/テトラジャ

    /ディアラマ/タルカジャ/スクカジャ/煌天の会心


〇聖獣:ユニコーン/LV23/HP198/MP105

 相性:破魔・魔力・精神無効/電撃に弱い

 パラメータ:力12/魔12/体10/速8/運7

 スキル:マハブフ/メディア/ラクカジャ/マカカジャ

    /雄叫び/石化かみつき/反撃/煌天の会心


〇女神:アメノウズメ/LV21/HP174/MP102

 相性:衝撃・破魔無効/電撃に弱い

 パラメータ:力7/魔13/体8/速9/運14

 スキル:メディア/マハザン/誘惑/メパトラ

    /ポズムディ/パララディ/クロズディ/ペトラディ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る