第20話 イケブクロ(決闘裁判)

 マントラ軍本営の階段途中にマネカタがいる。


マネカタ男

「マントラ軍の悪魔は、本能のままに暴れまわるぞ。

 でも好き勝手やれるって、ちょっと羨ましい。」


 本能のままに暴れた後で後悔しなきゃいいけど。

 そう思いながら階段を上りきると、門の前に妖精ジャックフロストの姿が。


ヒーホー君

「オイラ、あの偉大なキングを目指して、マントラ軍に入門しに来たホ!

 …でも、怖くて中に入れないホ~。

 …炎も熱いホ。」


 あ、シブヤのジャンクショップにいたヒーホー君か。

 ふと辺りをよく見ると、このフロアにも部屋がいくつかあるみたいだ。

 門を開ける前に部屋を全部チェックしてしまおう。

 ヒーホー君のいる方から近い部屋にまず入る。

 そこは思念体がいるのみ。


思念体

「ジャンクショップのしあわせチケットって、

 いっつも魔石しか当たらないじゃない。

 アタシはアレが欲しいのに、アレが!」


 アレって何?

 …っていうか、まだ10枚たまってないから幸せ貰った事無いよ。

 さっさと出て次の部屋へ向かって扉を開けようとすると


「…カモだ、カモが来たぞ。

 身ぐるみ全部、剥がしてやれ!」


 悪魔たちが突然襲い掛かってきた!


 妖鬼オニ2体と強制戦闘の部屋かー…。

 物理に強くて面倒だから、竜巻で一掃。雑魚扱いにしてなんかスマン。

 さっさと終わらせて本営に行きたいし。

 というわけでさっさと倒したら宝玉輪ゲット。

 他には宝箱2個と魔法の箱が。こいつら結構ためこんでたのかな。

 と思ってたら、宝箱の1つはダメージ。こんなとこにもトラップかい。

 もう1つの宝箱は宝玉2個。

 魔法の箱はマントラらしく力の香だった。よし、すぐ使わせてもらうぞ。


 隣の部屋には妖獣ヌエと妖鬼ヨモツイクサがいた。


悪魔(妖獣ヌエ)

「ニヒロ機構はダメだ!

 ニヒロ機構はクズだ!

 …マールカジリだ!」


悪魔(妖鬼ヨモツイクサ)

「ニヒロ機構の悪魔なんて…

 人間に飼われている犬だ…

 腰抜けの操り人形だ!」


 ゴズテンノウに飼われてる分にはいいんだ。

 更にその隣の部屋には妖鬼オニ(オニのNPC多いねー)。


悪魔(妖鬼オニ)

「ゴズテンノウは、オレたち悪魔に力を与えてくれるぞ。

 スゲー力だ、ホントに。」


 スゲー力って、禍魂みたいなものなのかな…?

 もうちょっと具体的に言ってほしいなと思いながら最後の部屋へ。


思念体

「ニヒロには、戦わずして経験をちゃっかり積んじまう能力を持つ

 悪魔がいるんだってな。

 ニヒロの悪魔の方が、頭が切れるねえ。」


 見覚えの成長の事だ。

 待機中の仲魔に持たせればいいんだけどね…

 残念ながらうちらは持ってないんだよ。

 今回はまだコッパテング作ってないからなー。


 さて、回るだけ回ったので、いざ本営へ。

 すると、扉の先から声が聞こえる…


「…なんだよ貴様っ!

 オレは何も…

 …

 …」


 声は聞こえなくなった。

 マントラ軍本営に入ると、勇とデカい悪魔が対立している。


「なっ…なんだよ貴様っ!

 オッ…オレは何もしてねえっての!!」


 勇が隼人の気配に気付いて振り向く。


「また…!?

 オ、オマエ…、隼人か…!?

 た、助けてくれ!

 こんなところで時間をくってる暇はねえんだ!」


 勇が叫んだ直後、悪魔は勇を黙らせるかの様にの頭を掴む。

 そして何やら赤い塊を抽出して、頭上に掲げ、握り潰した。

 勇が倒れる中、悪魔は隼人に目線を移す。


トール

「見かけぬ悪魔だな?

 このマントラに足を踏み入れし者は全て、我が裁きを受けてもらう。

 そいつを捕まえておけ!」


 トールがマントを翻して去っていく。

 脇からは妖獣ヌエたちが現れ、隼人を取り押さえた。


 そして独房の様なところに入れられる。

 そこに看守をしている悪魔(妖精ジャックランタン)がやってきた。


看守悪魔(妖精ジャックランタン)

「おい! 起きろ! いつまでも寝てるんじゃねぇ!

 オマエはこれから裁判を受けるんだぞ?

 力による決闘裁判だ!

 潔白だと言い張るのなら、死ぬ気で相手をねじ伏せてみろ。

 まあ、オマエには無理だろうなぁ…

 ひゃははは…!」


 言うだけ言って去ってしまった。

 仕方がないと改めて部屋を見ると宝箱があった(宝玉1個)。

 あとはもうやる事が無いから、隣の壁に聞き耳を立ててみる。

 すると壁の向こうから声が聞こえる…


「おや、新入りさんかい?

 どうせ、あらぬ罪でも着せられて、牢に押し込まれたクチだろうねぇ。

 だが、マントラの連中に理屈など通用せんよ。

 アンタもそこから出たけりゃ、自分が強いことを力で示して、

 無実を証明するんだね。」


 随分と落ち着いた台詞だ。物怖じしないタイプかも。

 反対側の壁からは…


「ボクをここから出して下さい!

 マントラ軍はどうかしてます!

 ボクは戦うなんてダメなんです。誰か助けて!」


 さっきのとはえらく対象的だな…

 そう感じていると、音も無く(浮いているだけに)看守悪魔がまた来た。


看守悪魔(妖精ジャックランタン)

「裁判を開廷する。出ろ。」


 目の前の柵が上がって通路に出れるようになった。

 看守悪魔がすぐいなくなったところを見るに、脱走は不可能と思える。

 通路に出て、隣の牢を覗いてみると鬼女ランダ。


捕虜悪魔(鬼女ランダ)

「おやアンタ、戦う順番が回ったようだねぇ。

 アタシもこんな所に閉じ籠ってないで、早く戦いたいよ。

 あぁ、若い男の血が欲しい…血が欲しい! 血が欲しい!」


 全然臆していないわけだ。鬼女ランダなら強いんだし当然か。

 っていうか、裁判無しでマントラ軍の即戦力にした方がいいと思うけど。


 通路を歩いていくと、扉の前に妖鬼オニがいた(またオニか)。


看守悪魔(妖鬼オニ)

「何だオマエ。

 裁判を受けるのなら、さっさと反対側の扉に行けよ。

 それともオレサマを買収して、裁判の裏情報を聞き出す気か?」


 あ、反対側か。

 でも裏情報は欲しいよねえ。


隼人

「そうだ。」


看守悪魔(妖鬼オニ)

「…オマエ! 被告の分際で…なかなか分かってるじゃねえか!

 ホラ、誰かに見られる。さっさと200マッカよこせ。」


 なかなか面白いオニだ。

 隼人は素直に支払う。


看守悪魔(妖鬼オニ)

「よし…じゃあ耳の穴カッポじって、よく聞けよ。

 いいか?

 オレたちマントラの流儀では、裁判はバトル3連戦で白黒つける。

 で、その3連戦に勝てなきゃ有罪、…すなわち死刑だ。

 死刑はオマエのゲームオーバーを意味する。

 せいぜい準備ぐらいは整えとけよ。


 …なに? もっと教えろだと?

 なら、もう200マッカだ。

 こっちも命懸けなんだよ。」


 …今の人って、カッポじって、なんて言うのかな…

 微妙に死語な気がする…のはどうでもいいとして、

 隼人はまた素直に支払う。


看守悪魔(妖鬼オニ)

「よしよし。

 じゃあ、オマエが裁判で戦う相手の情報を教えてやろう。

 まずは…

 …!」


 ジャックランタンが音も無くやってくる。


看守悪魔(妖精ジャックランタン)

「おい、何をしてるんだぁ?

 また、ヨカラヌコトをしてるんじゃないかぁ?」


看守悪魔(妖鬼オニ)

「な…何でもねぇよ!

 …そう! コイツが道を間違えたんだ、だから注意してたのさ!」


看守悪魔(妖精ジャックランタン)

「へぇ…そうかい。

 そりゃあ親切なこったねぇ…

 …」


 そして音も無く去っていった。


看守悪魔(妖鬼オニ)

「ふぅ…あぶねぇ、あぶねぇ。

 アイツ、足音ねぇから気付かなかったぜ。


 …よし、続きだ。

 対戦相手の情報だったな。


 まず、初めの対戦相手は、炎で被告を焼きまくる悪魔だ。

 炎といえば、アレに弱い。アレだよアレ、分かるだろ?


 次の悪魔が、衝撃的な魔法を使うレディーだ。

 ルックスも中々の衝撃系だ。

 …男の魅力で感電させるか?


 で、最後だ。

 最後は、マントラ軍No.2のあのお方だ。

 キツーイ雷落とされねえよう、せいぜい気を付けな。

 ちなみに弱点なんて無いぜ、あのお方には。


 …

 …さあ、情報はこれで全部だ。

 さっさと準備を済まして反対側の扉に行け。

 …またアイツに怪しまれるだろう?」


 対価を支払ったとはいえ、随分と面倒見のいいオニのようだ。

 反対側に行く途中、声が聞こえていたもう片方の牢を見る。


マネカタ

「どうしてボクが、戦わなくちゃダメですか?

 ボクは潔白です! ここから出して下さい!」


 太ったマネカタだ。

 まさか大地下道で門番していたヤツだろうか。

 残念ながら助ける事は出来ないよ。


 さて、入る前にカグツチFULL調整。

 御霊合体で煌天の会心を付けていたから、楽に戦えるようにしよう。

 なんせ、最後のお方は弱点が無いって言ってたし。


 で、カグツチFULLになったので、いよいよ入る。


悪魔裁判官

「これより、我らマントラの流儀にのっとり、

 決闘による裁判を開廷する。

 被告隼人は、速やかに闘技台へと移動せよ。」


 隼人はゆっくりと歩いて行った。

 闘技台の出入り口が閉じる。


悪魔裁判官

「…被告隼人は、ふてぶてしくイケブクロをうろつき、

 挙句に、我らの本営ビルに入り込んだ。

 更に、目撃者の証言によれば、ギンザ大地下道を通ってきたとの事で、

 ニヒロのスパイの可能性もある…

 このイケブクロの街は、我らマントラ軍の縄張りだ!

 我らの縄張りで、新参者がデカイ顔するだけでも、十分有罪に値する!」


 …あれ?

 イケブクロに来て早々オニを倒したんだけど、そこはお咎め無し?


 すると突然、魔獣オルトロスが現れた。


オルトロス

「判決ヲ 下ス…

 …オマエハ 死刑ダ。死刑以外 アリエナイ。

 オレノ 心ヲ満タス 死ニ方ヲ 考エロ。

 準備ノ時間ヲ クレテヤル。」


 では、お言葉に甘えて準備。

 隼人は禍魂シラヌイを取り込んだ。

 仲魔は

 オルトロスは氷結に弱いので、マハブフが使える聖獣ユニコーン、

 オルトロスの火炎攻撃を吸収できる妖魔ディース、

 あとは回復役に女神アメノウズメを入れた。

 

オルトロス

「準備ガ出来タヨウダナ。」


 戦闘開始。


 戦闘は、仲魔3人の煌天の会心が強すぎてフルボッコ状態。

 隼人は気合いからの攻撃、

 女神アメノウズメと妖魔ディースは煌天の会心とタルカジャ、

 聖獣ユニコーンは煌天の会心のみ、

 それで終わった。

 魔獣オルトロスのファイアブレスがあったものの、

 妖魔ディースが火炎吸収。

 わずか2ターンの戦闘だった。

 せっかく情報買ったのに、氷結系魔法使わず。


オルトロス

「強イジャ…ナイ…カ…」


 なんか済まなかったな、オルトロス君。

 続いて衝撃的なレディー、鬼女ヤクシニー登場。


ヤクシニー

「オルトロスに勝てた程度じゃ、あんたに下った判決は覆らないわ。

 あんたは死刑なの…ああ…早く切り刻みたい!

 でも、準備の時間はあげる。

 せいぜい、あがいてちょうだいね。」


 また準備。

 隼人は禍魂ヒフミを取り込んだ。

 妖魔ディースを戻し、鬼神タケミナカタを入れる。

 MPの回復はしないで続行。


ヤクシニー

「では、よろしいかしら?」


 戦闘開始。


 語るまでもないが、オルトロスと以下同文。

 鬼女ヤクシニーはマハザンを使ったが、

 隼人と女神アメノウズメが衝撃無効。

 こちらも2ターンで終了。

 電撃系魔法も使っていない。

 (なんの為に鬼神タケミナカタと交代したのか意味不明。)


ヤクシニー

「あぁぁぁぁぁッ!!」


 ヤクシニーが消え去ると、地響きが始まった。


悪魔裁判官

「いっ、いよいよだぜ…」


 ドン!と色んな圧をかけた状態で鬼神トールが現れる。


トール

「私は…鬼神トール。

 ここまで見事な戦いぶりだった、と誉めてやろう。

 しかし…この私にも、キサマの力が通用するかな?

 我が裁きのハンマーを持って、キサマの力を試させてもらうぞ。

 今しばらくの猶予を与える。

 万全の準備を整えるがよい。」


 隼人は禍魂カムドを取り込んだ。

 電撃に弱い女神アメノウズメと聖獣ユニコーンはここまで。

 代わりに、女神サラスヴァティと妖鬼モムノフが入る。

 MPの回復はせず、このまま続行。


トール

「では…キサマの力を見せてもらおう!

 いくぞ!」


 戦闘開始。


 実はトール戦も、オルトロス、ヤクシニーとほぼ同じ。

 煌天の会心おそるべし。もはやチートスキル扱いだ。


 途中で


トール

「ほほう、強いな…

 その力、もう少し見せてもらおう!!」


 と言った直後にディアラマで回復し隼人を殴ったが、

 次のターンで終了してしまった。

 トールの魔法攻撃は、ジオンガ2回とマハジオのみ。

 マハジオンガもジオダインも使わず、デカジャやデクンダも無かった。

 (ホントにノーマルモードか、これ?)


 結果、

 カグツチFULLに調整すれば、3体とも全てゴリ押しで問題無し。

 煌天の会心は強すぎ。

 回復はメディラマ1回で済んだ。


 聖獣ユニコーンがLV23に。

 マヒかみつきを諦めた。石化かみつきあるからいらないでしょ。

 テトラジャの石を頂いたけど、妖魔ディースが使えるんだよね…


トール

「…私をここまで追い詰めるとは、…見事だ。

 どうやらキサマの奥底には、他の悪魔には無い何かが宿っているようだ。

 …これは、私を楽しませてくれた礼だ。

 受け取るがいい。」


 隼人は、ナルカミの禍魂を手に入れた。


トール

「…ゴズテンノウに会え。

 我らの指導者ゴズテンノウは、真の強者のみが生きるユートピア建設を

 目指されている。

 ゴズテンノウは、この本営ビルの最上階に在らせられるぞ。

 キサマの力で世界が変わるかもしれん。

 よく覚えておけ。


 おい、裁判官。

 隼人に無罪判決を下せ、私が認める。」


悪魔裁判官

「えっ!? 無罪? …はっ、ハイ!!

 …で、では、判決を下す…です。

 トール様の命令…いや…被告隼人の力に免じ…ここに無罪放免を言い渡す!

 …これにて裁判は閉廷、被告は釈放につき、速やかに退去せよ!」


 裁判バトルは無事終了。

 そしてターミナルのある西館の地下に戻ってきた。

 ここまで看守悪魔(妖精ジャックランタン)が付いてきてくれたらしい。


看守悪魔(妖精ジャックランタン)

「チッ!

 トール様に認められるなんて、運のいいヤツめ…

 ホラよ。どこにでも自由に行きやがれ!」


 吐き捨てるように言いながら帰ろうとすると、扉の前で振り向く。


看守悪魔(妖精ジャックランタン)

「…そうそう。

 トール様が、オマエは顔パスだってよ。

 マントラ軍の本営内を、自由にウロついていいんだとさ。

 …気に入らねえ!」


 最後に悪態をついて去って行った。

 まあ、新参者にデカい顔されるのは嫌だろう。


 セーブする前に戦闘があって、女神サラスヴァティがLV31に。

 リカームを覚えた。

 体力の香を頂いた。もちろん、すぐ使う。


 次はゴズテンノウに会うわけだが、その前にやる事がある。

 大事な雑用を済ませてから会いに行くとしよう。

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