第14話 ギンザ大地下道(マネカタの手紙を入手するまで)

 地下道を進んでいく。


思念体

「ここはギンザとイケブクロを結ぶ、通称「ギンザ大地下道」。

 …毒を食らわす悪魔のいる、長ぁーーーい通路だ。」


 ポズムディ必須との情報。

 それならハイピクシーが習得しているので問題無い。

 しかし、帰還困難な長い通路に毒って…エグい設定だ。

 その通路を進んでいくと


「…あっ!!」


 入院中の患者さんみたいな服装の男が声を上げて驚いていた。

 …というか、そんな見た目の問題はどうでもいい。

 ボルテクス界になって、ヒジリや千晶以外に初めて見た人だ。

 …だが受胎前、氷川も祐子先生も、全ての人が死ぬと語っていた。

 では、人でなければ何者なのだろうか。

 隼人は、男の後を追う様な感じで通路を進む。


 まず、奥の梯子を下りる。

 宝箱からマハラギの石2個入手。

 それから、あっと驚いていた男のいた近くの梯子を下りると


「…いっ!!」


 『あ』の次は『い』ときたか。

 そうすると今後の展開も予測がつくと思っていたら案の定


右の男

「…うっ!!

 アイツこんなとこまで来ちゃったよ。」


左の男

「悪魔…?

 マントラ軍の悪魔かなあ?」


右の男

「…えっ!? マントラ軍!?

 えーっと…

 …とにかく、みんなに報告。」


 『う』と『え』が出た。

 すると次が最後の『お』か。

 1人増えて2人だったが、みんなに報告と言ってたという事は

 まだ仲間が他にもいると見て間違いない。


 進んだ先にある途中の小部屋には宝箱。

 マハンマの石2個入手。

 そして先を進むと、悪魔の出現しない安全地帯の地下道に出る。


「…おあっ!!

 き、来たぁぁ…!」


人々

「…あ、悪魔が来た!」


人々

「…マ、マントラ軍の、悪魔が来たぁ!?」


老人

「マントラ軍の悪魔…

 …おしまいじゃ…

 …もう、何もかも、おしまいじゃ…

 …

 …

 …?

 …ああ?

 …

 …なんじゃい。マントラ軍の悪魔ではないぞ!

 こんな悪魔はマントラにおらん!

 …心配して損したわい。」


老人

「…

 …なんじゃいアンタ。

 ワシらがそんなに、珍しいんか?」


隼人

「はい。」


老人

「ワシらは、マネカタっちゅうモンじゃ。

 まあ、こんな所で暮らしとるから、ワシらがどんなかは、

 だいたい察しはつくじゃろう。

 …さあ、帰った帰った。

 皆のモノも、引き上げるぞ。」


マネカタたち

「なんだ…

 マントラ軍の悪魔じゃないらしいね…」


マネカタたち

「…ああ、心配して損した。」


 マネカタたちは部屋に戻った…。


 ターミナルでセーブ後、マネカタエリアを探索する。

 ターミナル隣の部屋にマネカタ2人。


マネカタ老人

「…なんじゃ、またアンタか。

 ワシらがそんなに、気になるのか?」


隼人

「はい。」


マネカタ老人

「…

 …ワシらは、マネカタじゃ。

 悪魔どもに奴隷として使われる、そういう運命にあるモンじゃ。

 …だが、ワシらとて、苦しみを感じる心は持っておる。

 奴隷であることは苦しい…だからこの地下道に隠れ住んどるんじゃ。

 …わかったら、ほっといてくれ。」


マネカタ男

「ボクらは、人のようで人ではない…

 人間をまねて創られた、…そういう存在なんです。」


 水の流れるところをジャブジャブと歩いて、対面の通路へ行く。

 が、水の箇所は妖魔イソラが出没する。

 特に今は仲魔にする気が無いので、隼人は火炎高揚ファイアブレスを吐く。

 経験値が欲しくなったら、後で『イソラ狩り』をするかもしれない。

 とりあえず今は探索中に出現したら倒すだけだ。


 水路を渡ったらジャンクショップに入る。


マネカタ店主

「あぁ~ら、イイ男!

 こわぁい悪魔かと思って、ビクビクしちゃったじゃないのぉ!

 こぉんなステキな悪魔サンには、う~んとサービスしちゃう!

 い・つ・で・も来てちょうだいね。うふっ。


 いらっしゃ~い!

 いいモノそろえてるわよぉ!」


 男マネカタのオカマバージョン店主登場。

 …このゲームの中で一番濃いキャラかもしれない。

 まずは話を聞く。


マネカタ店主

「何て言ったかしら、この…まがたま?

 虫みたいでイヤらしいのよぉ。

 アンタ早いとこ買って行きなさいよね!


 どんどん買ってちょうだいね!」


 まずは禍魂アンクを購入。

 そして外へ出る。


マネカタ店主

「たくさん買ってくれて、あ・り・が・と!

 はい、これ、しあわせチケットよ。

 10枚集めると、な~んとしあわせプレゼントしちゃうわよ!

 またいらしてねぇ~!」


 しあわせチケットを3枚入手する為に、禍魂は1個ずつ買う。

 予算充分なので、ヒフミとカムドも買った。

 禍魂を全部買った後で、他の話も聞いてみる。


マネカタ店主

「アタシの身の上バナシでも聞きたい?

 …うふっ。今度ゆっくりお話ししましょうね?」


 …軽く地雷を踏んでしまった様な回答だった。

 隼人は足早に店を出る。


 ジャンクショップ脇の部屋には女のマネカタ。


マネカタ女

「仲間の大半はマントラ軍の奴隷として、イケブクロで苦しんでるわ。

 …ええっと、マントラ軍は、イケブクロを本拠地にしている悪魔の集団の事よ。」


 奴隷制度のある軍か…氷川のニヒロが大分マシに思える。


 妖魔イソラと戦闘したら聖獣シーサーがレベル14になった。

 シーサーが最初のスキル変化に挑戦する。

 ひっかきをラクンダに変えた。

 …ひっかきのままの方が良かったのに、これは残念。

 だが、その後で運の香を頂いた。有難く使わせてもらおう。


 水路を渡った先の部屋でマネカタと宝箱。


マネカタ男

「ひぃぃぃぃぃぃっ!

 こここ…殺さないで!

 …

 …なんだ、悪魔違いか。」


 マントラ軍に対するイメージは最悪のようだ。

 そんなとこに力を借りに行って大丈夫なんだろうかと不安になる。

 宝箱からは毒矢を入手。

 隣の部屋にもマネカタ。


マネカタ男

「この地下道は迷路みたいに入り組んでるから、隠れ住むには丁度良いです。」


 梯子を上って最初の部屋にマネカタの子供。


マネカタ子供

「チミ、ゴズテンノウって知ってる?」


隼人

「はい。」


マネカタ子供

「…イケてるね、チミ。」


 マントラ軍のボスなんだから、マネカタから見れば恐怖の対象のはず。

 それを知ってるとイケてるとは、どういう意味だ?

 子供の感覚がよく分からない。

 マネカタのいる部屋はまだ続く。


マネカタ男

「マントラ軍とニヒロ機構は、考え方が違うから対立してます。

 トウキョウがどうあるべきなのか、まったく考え方が違うんです。」


マネカタ女

「ガラクタばっかり集めてるマネカタには、もう会った?」


隼人

「いいえ。」


マネカタ女

「…そう。

 人間の使っていた物に、マネカタ一倍興味のあるヤツよ。

 この下にいるわ。」


 奥の、赤い照明のついた扉。

 そこを通ると太ったマネカタがいた。


門番マネカタ

「ぴぴー、トマレなさい。

 この先、マントラ軍のあるイケブクロに通じてます。

 マントラ軍が来たら大変だから、この門は開けられないのです。」


 事情を考えれば門番がいても当然か。

 とりあえず反対側に行って梯子を下りた先には魔法の箱。

 宝玉輪を入手する。

 その後、戻って梯子を下り、入り口にガラクタのある部屋へ。


ガラクタ集めマネカタ

「…

 …やあ。

 キミが今、ボクらの間で話題の悪魔かい?

 ボクは人間が使うというモノに興味があるんだ。

 色々収集してるんだ。

 だから時々この地下道を抜け出すんだ。

 門番に上手く口を利いてね…

 困ったことでもあったのかい?

 …

 …さては、門番が邪魔でイケブクロに行けないんだろう、そうだろう。

 ボクが口を利いて、門を通れるようにしてあげようか?」


隼人

「はい。」


ガラクタ集めマネカタ

「それなら、交換条件だ。

 ボクが門番に口を利いて、キミをイケブクロに行けるようにする。

 その代わりにキミは、ボクの欲しいモノを探してくるんだ。

 ボクはオサツという、人間が描いた小さな絵画が欲しいんだ。

 美しいガラが細かく描かれていて、おまけにスカシという技術で絵ガラが変化して…

 …とにかく、大変なものだったらしい。

 オサツが命より大事な人間もいたらしい。

 とても欲しいんだけど、探すための手掛かりも何も無くて、ボクにはムリだ。

 噂だと、人間でニギわっていた場所に沢山あったらしいけど、街のことかな?

 とても欲しいよ。

 キミだったらできるんじゃないかな。

 悪魔なんだし。

 とにかく…オサツ探し頼むよ。」


 流されるままに依頼を受けてしまった感じだ。

 今まで得た情報に、色んな物を持っているというロキが真っ先に思い付く。

 一番オサツを持っていそうだ。

 自室を見せないロキに相談したところで、相手は魔王だ。

 仮に持っていたとしても、払えない額を請求されるのは目に見えている。

 やはり、ここは裏口入学(侵入)するしかあるまい。

 段々、犯罪じみた考え方が定着してしまいそうだ。


 ギンザに戻って、いざ出陣。

 裏口から入った通路では、ハルミ倉庫と同じ悪魔が出現する。

 幽鬼ラフィン・スカル、幽鬼ヤカー、幽鬼ガキの幽鬼3種盛り合わせ。

 ロキの部屋に入ると、ギンザで出現する悪魔に切り替わる。

 但し、オープンフィードで出現する天使エンジェルも含まれる為、ハマが怖い。

 ひとまず宝箱から千円札を手に入れた。

 あと魔法の箱が3つもあるのでカグツチFULLに調整するのだが、悪魔はポンポン出現する。

 ロキの部屋は立ち入り禁止じゃなかったのかと嘆きたいほどだ。

 というか、部屋でガンガン戦闘していて、ロキは気付かないのか?

 どんだけ酒飲んでんだ?

 そう思っていると戦闘後に隼人はレベルアップ。

 竜巻を習得した。

 ようやくカグツチFULLになったところで、エメラルド、パール、サファイアを入手。

 白昼堂々の泥棒行為、見つかったら明日の朝刊の三面記事に掲載される事は間違いない。

 あとは早々に逃げるべしと、カグツチFULLのまま部屋を出ると


見張り悪魔

「むむむ!! オマエ!!

 ちょっと目を離した隙に、勝手な事をしてるぞ!?

 むむむむむむーーーーーー!

 オシャレにあの世行きだぞ!」


 妖精トロールとの戦闘が始まった。


☆魔人 檀 隼人(LV17/禍魂カムド)

 仲魔 妖精ハイピクシーLV13/聖獣シーサーLV14/地霊スダマLV14


★妖精トロール(HP850/MP150/100EXP/1000マッカ/宝玉輪)

 相性 氷結吸収、精神に弱い

 スキル 暴れまくり/マハブフーラ


 隼人はスクンダ、あとは突撃、

 妖精ハイピクシーはラクンダ、あとは攻撃、

 聖獣シーサーは雄叫び1回、あとは攻撃、

 地霊スダマは煌天の会心、あとはラクカジャ、

 以上。


 ここの戦闘は特に対策を考えていなかった。

 精神系スキルを誰も所持していなかったのは失敗。

 それでも地霊スダマの煌天の会心と、隼人のスクンダが良い結果に結びつく。

 煌天の会心で攻撃回数が1回増えるのは大きい。

 そのプラス1回でスクンダを重ね掛け。

 マハブフーラが来るが、スクンダの効果か一人二人は躱せた。

 更に聖獣シーサーの雄叫びも効果あってか、ダメージがそれほど大きくない。

 暴れまくりが怖くてラクカジャをかけていたが、暴れまくりは1回も無し。

 タルカジャの方が良かったかも。

 戦闘中は回復しなかったが、無事に終了した。


 さっさと戻って回復し、ターミナルでギンザ大地下道に行ってセーブする。

 そしてガラクタ集めマネカタの元へ。


ガラクタ集めマネカタ

「おお!!

 オサツだーーーー!!

 約束だろ!?

 さあ! さあ!!」


 隼人は、千円札を手渡した。

 というか隼人…電車移動してたのに、千円札の1枚も持っていなかったのか?

 もしかしたら隼人の自宅は、小銭で移動できる距離内だったのかもしれない。


ガラクタ集めマネカタ

「よし、約束だからね。

 ちょっと待っててよ。

 …お待たせ。

 この手紙を門番に渡すといい。

 きっとイケブクロへ通してくれるはずだ。」


 隼人は、マネカタの手紙を手に入れた。


ガラクタ集めマネカタ

「じゃあね…

 イケブクロに無事に行けるといいね。」


 ジャンクショップの店員並みに濃いキャラだった。

 さて、無事に手紙を手に入れたが、すぐイケブクロには向かわない。

 まずはレベルアップと悪魔合体を行い、盤石の体制を整える。

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