第13話 ギンザ~ハルミ倉庫

 ギンザのターミナルを出るとそこは噴水のある広場。

 目の前には堕天使エリゴールがいる。

 ターミナルを使ってやってくる者を監視しているようだ。

 アマラ経絡にいた悪魔や思念体が出てくるんだろうか。


悪魔(堕天使エリゴール)

「ここはニヒロ機構統治下の街、ギンザ。

 くれぐれも変な気など起こさぬように。」


 なるほど、要は街のお巡りさんらしい。

 パトカーが無いから馬に乗っているんだろうか。

 馬に乗っているので文字通りの上から目線状態。

 圧を感じるが、治安維持には丁度良さそうだ。

 傍には思念体がいる。


思念体

「ギンザの街はこの噴水広場を起点に、北と西に分かれてるわ。

 外への出口も別よ。」


 街に入り、まずは目の前のお店へ。


店主

「…いらっしゃい。

 ここはギンザ・じゅえりーRAG。

 おや、あんたの体からは宝石の香りがプンプンするねえ。

 へっへっへっ。歓迎するよ。


 いらっしゃい、よく来たねェ。

 なんでも交換してあげるよ。」


 話を聞く。


店主

「宝石を捜すなら、カグツチに注意しなよ。

 アイツが輝いてるときが狙い目だね…

 お次はなんだい?」


 魔法の宝箱を開ける時の注意事項を話してくれる。

 とりあえず、精霊と交換を確認する事に。


店主

「どの精霊が欲しいんだ?」


 確認すると、現時点でノーマルな精霊アクアンズと交換可能。

 仲魔のストックに空きはあるが、とりあえず今は保留する。


 次はBARマダムの店に入る。

 思念体2体と魔王ロキ、そしてBARのママ夜魔ニュクスがいた。


思念体

「ニヒロの統治は、はっきりいってカタっ苦しい!

 …でもそのお陰で、この街じゃあ悪魔同士のイザコザは起きねえな。」


思念体

「ニヒロ機構には、人間の巫女がいるって話だ。

 総司令と彼女が、実質ニヒロを支えてるらしい。

 まあ、ロクなヤツラじゃねえだろうな。」


 氷川と祐子先生の事だ。

 ここギンザにいるのだろうか。

 一席には魔王ロキが椅子に座って酒を飲んでいる。


ロキ

「…オマエ、見ない顔だな。

 ここに何しに来たんだ?

 ミルクでも飲みに来たのか?クククッ…

 まあ、甘いの一杯飲んだら、うるさくしないで出てってくれよな。」


 ミルクとからかわれたが、特に悪気も悪意も感じない。

 扉が見えたので開けようとすると


ロキ

「おい。

 そこはオレの大事な部屋だ。

 指ひとつ触れるなよ。」


 ロキの部屋があるのか。

 BARのママ悪魔と良い関係になってそうだ。

 そのBARのママ悪魔に声を掛けてみる。


BARのママ悪魔

「アラ…

 こんなお店に来るなんて、おませな坊やね。

 この辺りじゃ見かけないけど、アナタもニヒロに興味があって

 この街に来たの?」


隼人

「はい。」


BARのママ悪魔

「フフ…やっぱり。

 どうせ、人間の巫女に興味があるんでしょう?

 …ニヒロの本部は、ギンザを出てすぐよ。

 悪魔だったら、ドーンと行っちゃいなさいよ。

 もしダメだったら、また相談にのってあげるから。」


 ヒジリ以外に相談相手が出来た事は喜ばしい。

 隼人は、オッサンよりも美女な悪魔の方がいいと思っているだろう。

 BARを出た近くにもエリゴールがいるので声を掛けてみる。


悪魔(堕天使エリゴール)

「ニヒロ機構は、静寂な世界の創世を目指しています。

 そこは感情に左右されず、ゆえに、苦しみの無い機能的な世界。

 …今のトウキョウのように、無秩序で混沌とした世界とは違うのですよ。」


 BAR向かいの部屋には妖魔カラステング。


悪魔(妖魔カラステング)

「オレたちニヒロには、人間の総司令がいる。

 人間だが、どこをとっても抜け目の無い、とても頼れるお方だ。」


 まあ会社の社長やってたくらいだから、悪魔の心を掴むのも容易いのだろう。

 邪教の館の向かいの部屋には思念体。


思念体

「ちょっと、ごぞんじ?

 BARのロキって悪魔は、色々なモノをお持ちだそうよ。」


 あの奥の部屋の事だろう。

 邪教の館の隣の部屋にも思念体。


思念体

「ニヒロ機構の本部は、ギンザを出て南西…

 シオドメにありまっす!」


 そして通路の端にまたも堕天使エリゴール。


悪魔(堕天使エリゴール)

「わたしたちは、ニヒロ総司令と巫女様を命に代えて守護しています。

 いざとなれば、命を捧げる覚悟さえあるのですよ。」


 皆、心酔してるといったところか。

 残りの扉を開けると階段が見える。

 進むと外に出れた。

 ギンザ~ユウラクチョウエリアの2Dフィールドを南に進む。

 そこに思念体が1体。


思念体

「トウキョウに漂うマガツヒを、吸い込んでいる建物…

 あれがニヒロ機構だよ。」


 まるでバフンウニの殻のような形状の建物だ。

 赤く点滅している。

 意を決して中に入ると、堕天使ベリスが立ち塞がった。


ベリス

「待たれい…

 ここは静寂を求むる場、ニヒロ機構本部なり。

 総司令と巫女様のもとに、下賤な輩を通すことまかりならん。

 早々に立ち去れい!」


 そう言われ、簡単に追い出されてしまった。

 線路だった瓦礫の向こう側に、一回り小さい同じ建物が見える。

 しかし残念ながら、ここから向こうには行けないようだ。

 止む無く、BARに戻って結果報告。


BARのママ悪魔

「…え? 本部の中には入れなかったですって?

 アラ…本当に行っちゃうとは思わなかったわ。

 …何か、ニヒロに乗り込まないといけないワケがあるの?」


隼人

「はい。」


BARのママ悪魔

「…

 …そう。

 だったら、良いこと教えてあげる。

 ゴズテンノウに、お会いなさい。

 ゴズテンノウは、イケブクロ界隈を牛耳る悪魔の親分よ。

 彼はニヒロとは敵対しているから、アナタに協力してくれるかもしれないわ。

 イケブクロには、ここを出て橋を渡った先のギンザ大地下道から行けるわよ。

 ヤボな事を言う気はないけど、…アナタの望み、叶うといいわね。」


 一旦ターミナルでセーブ。

 外へ向かう前に、まだ立ち寄っていなかった方を回る。


思念体

「邪教の館でイケニエ合体って秘術が編み出されたらしいね。

 …おいおい、ボクはイケニエにはならないよ?」


 それ以前に仲魔にできないだろと言いたい。

 部屋には宝箱と思念体。


思念体

「ねえ、おにいさん。

 宝石をアイテムに交換してくれる、ギンザ・じゅえりーRAGが

 この街にございましょう?

 あそこのお店って、入る度に品揃えが変わるから、

 …んもぅ、目移りしちゃうのよ!」


 思念体って物を持つ事が可能のようだ。

 宝箱は封魔の鈴が1つ。

 他の部屋に行くと夜魔クイーンメイブ。


悪魔

「世界の創世には、マガツヒの力が欠かせないわ。

 ニヒロ機構ではターミナルを使い、アマラ経絡からマガツヒをガンガン集めてるの。

 総司令は頭の切れるお方よ…」


 最後の部屋には思念体。


思念体

「実は…

 BARの奥の部屋には、外から通じる裏口があるんですよ。」


 こんな台詞が用意されているという事は…

 ロキに声掛けしても交渉は無駄だという事を、暗に示している節がある。

 後で用事が出来たら裏口入学(侵入)確定だな。

 さて、こちらの通路にも堕天使エリゴールがいたのでお声掛け。


悪魔

「まったくけしからん。

 BARにたむろする連中は、ロクでもないのばかりです。

 何が「情報交換の場」だ!」


 なるほど。という事は、話が進むにつれて会話が変化するわけだ。

 シブヤのディスコと同じなんだろう。

 2Dフィールドに出て周囲を探索。


思念体

「うーん、なかなか見つからないなあ。

 …宝探しって技を身に付けた悪魔は、外をうろつくだけで、

 お宝を発見してしまうらしいんだ。

 だからマネしてみたけど、…やっぱりボクにはムリか。」


 宝箱を発見。ソーマの雫を入手する。

 ハイウェイ入り口にも思念体。


思念体

「おいおい、ハイウェイの先はスゴイ悪魔が多くてキケンだぞ。」


 警告係。

 でも、そっちに行く日はそう遠くない。

 後で行くので、その時は通してもらうよ。


思念体

「ギンザ大地下道だったら、どこかの倉庫から入れるはずよ。」


 赤く点滅している建物の事だろう。

 さっそく、ハルミ倉庫の中に入る。

 宝箱が2個。マカジャマの石とマッスルドリンコを各1個ずつ。

 シャッターを開け、Sターミナルでセーブ。

 2Dフィールドを探索して隼人のMPが減ったので、一旦ギンザに戻る。

 回復後、再びハルミ倉庫へ。


 梯子を下りて、ギンザ大地下道に入る。 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る