第11話 アマラ経絡(探索編)

 キラキラ輝く一本道のところに降り立った。

 間違ってもギンザではない。

 アマラ経絡だ。


ヒジリ

「…おい、聞こえるか?

 よかった…なんとか無事なようだな。

 どうやら転送に失敗し、アマラ経絡内に転落したらしい。

 だが…アマラ経絡は転送路だ。

 「路」である以上、入り口があれば出口も必ずある。

 とにかく、俺がバックアップする。

 ギンザを目指して進んでくれ…」


 目指すも何も、ただ進むしかない。

 通路を歩くと、ここでも思念体と出会う。


思念体

「アンタ、こっちじゃ見ない顔だな?

 だったら忠告してやろう。

 こっちの世界じゃあ、地図が頭に入ってねえと…道に迷うぞ。」


 Xボタンでいつものマップを見れば問題無し。

 言われるほど迷う事は無い。

 宝箱からディストーンを入手。

 悪魔と会話して仲魔に…は無理なので、ひたすら倒す。

 上り階段が見えたかと思うと、行き止まりに変わった。


ヒジリ

「…?

 何かあったようだな。

 先に進めなくなったか?」


隼人

「はい。」


 初めてのおつかいを心配で見守るヒジリ…

 みたいな構図が見える。


ヒジリ

「よし、試したいことがあるんだ。

 ちょっと待っててくれ。」


 待つと再び階段が出現した。


ヒジリ

「なるほど…

 どうやらアマラ経絡ってのは、常に形が安定してるとは限らんようだな。

 こいつは悪魔のおまえをもってしても、移動は一苦労ってわけか…

 まあ、何かあったら呼んでくれ、こっちで出来ることはするぜ。」


 呼ぶって、どうやって?

 と思いながら階段を上がる。

 左手通路奥の部屋で、宝箱から宝玉1個入手。

 その後、右手通路を進むと、また同じ現象が。


ヒジリ

「…やれやれ、またか。

 さっきと同じ様に、こっちで上手くやって…

 …!

 …お…い…聞こ…える…か?

 返…事…しろ…

 …く…そっ!

 通…信も…不安定…に…」


 ヒジリの声が聞こえなくなった。

 こうなったら行けるところを行くしかない。

 すると間もなくヒールスポットを発見。


思念体

「…なんだよ、帰ってくれよ。

 オレは誰とも関わりたくないんだよ。

 回復してやるから帰ってくれよ。」


 …

 隼人たちは回復した。


思念体

「いつでも回復してやるから、帰ってくれよ。」


 関わりたくないのに、いつでも回復してくれる…?

 微妙な矛盾を…というか、実はただのツンデレか?

 隣には記録の間もあったのでセーブ。

 一安心したところで先に進んでみる。


思念体

「…何よアンタ?

 話し相手なんか望んでないわよ。

 そんなに誰かと話したければ、

 どっかに下界と通信できる場所があるから…

 …そこでやってよ。」


 なるほど、そんなところがあるのか。

 まずはそれを探せばいいわけだ。


 通路を進むと宝箱から魔石2個入手。

 戦闘していると、外道モウリョウがまさかの命乞い。

 仲魔になった。

 会話で仲魔に出来ないが、何故かこうなる事がままある。


 そして、ここと思える行き止まりの部屋、希薄空間に入った。

 声が聞こえる…


ヒジリ

「…い、お…い…俺…だ、ヒジリだ。

 …聞こえるか? 返事してくれ。」


隼人

「聞こえる。」


ヒジリ

「よかった…

 通信の安定する場所に出れたようだな。


 よし…こうしよう。

 これから先、何かあった場合も、

 今お前のいる場所のように、通信の安定する場所で落ち合おう。


 …おっと。先に進めないんだったな?

 ちょっと待ってて…くれ…」


 階段が出現した。


ヒジリ

「…やれやれ。どうやらそこも…

 通信が…不安定に…なって…きた…よ…う…だな。

 ま…た別の…通…信…の…安定した…場所…で…会おう。」


 声は聞こえなくなった。

 とりあえず戻り、出現した階段へ。


思念体

「いいこと、教えてやろうか?」


隼人

「はい。」


思念体

「天井や床を走る、赤い物体があるだろう?

 これは全部、マガツヒさ。

 マガツヒは大きな感情の流れより生じる。

 苦痛、不安、悲しみ…

 そう、感情の流れは、大きな力を生み出すんだよ。」


 自身がマガツヒを集められるわけでもない。

 マガツヒを使えるわけでもない。

 なので、この手の話は本当に聞くだけって感じ。


思念体

「このアマラ経絡には、マガツヒが膨大にある。

 だから、それ目当てにもぐり込んでる悪魔がいる。

 せいぜい目をつけられないよう気をつけな。」


 気をつけな…か。

 あからさまにボスキャラの存在を匂わせる台詞だ。

 そう思いながら希薄空間の部屋を見つけたので入る。


 声が聞こえる…


ヒジリ

「…

 生きてるようで何よりだ。

 悪魔の生命力は伊達じゃないな。

 先に進めないんだろ。

 待っててくれ。」


 消えた階段が復活した。


ヒジリ

「…そうそう。気になる事がある。

 おまえとの通信に、何者かが割り込もうとしてるようだ。

 …敵かもしれない。気をつけてく…れ。

 …どうやら…ここも、

 通信が…不安定…になって…きた…よう…だ。

 ま…た…会お…う。」


 声は聞こえなくなった。

 敵かもしれないという忠告。

 先ほどの思念体との会話に通じるものがある。

 確実に出口手前にボスキャラがいるとみて間違いない。


 そしてようやくアマラ経絡1階に到着。


思念体

「ちょっと前まで、この先がギンザターミナルに通じてたよ。

 でも…アマラ経絡はご機嫌斜めでご覧の通りさ。」


 その近くにはヒールスポットとターミナル。


思念体

「なによ、帰ってよ。

 ワタシは誰とも関わりたくないのよ。

 回復してあげるから帰ってよ。」


 …

 隼人たちは回復した。


思念体

「いつでも回復してあげるから、帰ってよ。」


 ここでは、これから、かなりお世話になるスポットだ。

 たっぷり関わるから覚悟してくれ。

 そしてターミナルでセーブし一息つく。


 さて、ここからは宝箱巡りを兼ねたレベルアップが始まる。

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