第10話 シブヤ

 シブヤに行く途中で、元みすぼらしい男だった思念体がいる。


思念体

「ホラみろ!

 オレの言ったとおり、世界は丸くなったじゃないか!

 …と言ったところで、やっぱりダレも信じてくれない。

 オレは木星のお告げが聞けるんだ。

 アンタは信じてくれるだろ?

 …ヒック。」


 酒飲んでるのか?

 というか、思念体が酒のめるのか?

 そんな状態で話してたら、誰も信じなくて当然だ。

 だが丸くなった事実は信じるに値する。


隼人

「はい。」


思念体

「おお! アンタ信じてくれるか!

 だったら、良いことを教えてやる。

 「人修羅の男」が混沌のトウキョウに新しい世界を創造するらしいぞ。

 …あれ?

 アンタ…ヒック。」


 …あれ?って…

 やはり俺が人修羅だというのか。

 まあ、悪魔人間などと呼ばれるよりは聞こえが良い様な気もする。


 フィールド奥にも思念体がいる。


思念体

「ここから、ヨヨギ公園が見えるわ。

 やっぱり東側の公園も、妖精たちに占領されているのかしら?」


 東側…ヒジリと出会ったところか。

 そう言えば、月刊アヤカシは千晶に貸したままだったな。

 こんな世界になってしまった以上、とりあえず読んで情報収集したい。


 そう思いながらシブヤに入る。

 思念体と、堕天使デカラビアが目立つところにいた。


思念体

「ここは、自由の街シブヤだよ。

 ヨソの街じゃ、考え方が違うとかで悪魔同士が争ってるけど、

 ここじゃみんな自由にやってるよ。」


 中立的な街といった感じだろうか。

 とりあえずクルクルと一人風車やってるデカラビアにもお声掛け。


悪魔(堕天使デカラビア)

「遅い…

 遅いぞ、フォルネウス!」


 あいつは病院から出る気ゼロのインドア派だったように見えた。

 デカラビアとの約束をド忘れしていたのだろうか?

 もう一人思念体がいた。


思念体

「この街には地下街が2つあるの。

 お店が並ぶほうと、ディスコがあるほう。

 とくにお店では邪教の館がオススメ。

 ヤバイ儀式が楽しめるわよ。」


 うむ、俺も早く合体して作りたい仲魔がいる。

 まずは手前の地下街から入る事にした。

 降りると正面に思念体。


思念体

「この世界で使える金は、マッカだけだぜ。

 悪魔や変な店は、宝石を要求するかもしれねえが、売買の基本はマッカだね。

 マッカがあれば何でも買える!」


 まだチュートリアルな思念体がいるようだ。

 回復の泉の部屋を確認後、ジャンクショップに入ってみる。


ヒーホー君

「ヒ~ホ~!!

 …いらっしゃいだホ。

 オイラ、ここでお金を貯めて修行の旅に出ようと思ってるんだホ。

 目標は…あの偉大なキングのようにサイコーにサイキョーの悪魔になる事だホ。

 …だから、ジャンジャン買い物していって欲しいんだホー。

 さぁ、用件を言うんだホ。」


 まさかのジャックフロスト店員。

 (残念ながらこのゲームで例のキング様は登場しない。)

 ここでは禍魂イヨマンテとシラヌイを購入出来る。

 まずLV8でタルンダを習得するイヨマンテを購入した。


 ターミナルでセーブした後、また地下街を探索。

 隼人のレベルはまだ6なので、邪教の館は後で行く。


 ターミナル隣の部屋にある魔法の宝箱からメノウを入手。

 (魔法の宝箱はカグツチFULLの時に開けるべし。)

 その向かいの部屋には思念体がいる。


思念体

「このトウキョウの最新情報が知りたければ、ディスコね。

 いつもあそこには、最先端の情報があるわ。」


 探索ついでに戦闘して隼人がレベル7になった。

 ようやく邪教の館へと入る。


館の主

「ここは邪教の館…

 我々の秘術は、悪魔を従えしお主の助けとなり得るだろう。

 各地の邪教の館に気軽に立ち寄ると良い。

 悪魔が集いし邪教の館へようこそ…

 何が望みだ?」


 もちろん合体する。

 目的は精霊アーシーズ(LV7)。

 アーシーズはLV8でラクカジャを習得してくれる。

 後に向かう事になるアマラ経絡のボス、スペクターを倒すのに役立つからだ。

 地霊カハクも育てれば習得するのだが、アーシーズの方が効率が良い。

 アマラ経路では後半、精霊アクアンズが敵として出現する。

 マハブフがくるので地霊カハクを育てにくい環境なのだ。


 1体目に地霊コダマ、2体目に地霊カハクを選ぶ。

 精霊アーシーズの表示が出た。


※ここでXボタンを押そう。

 すると、継承可能なスキルが自由に選べるのだ。

 外観継承タイプの制限は受けるが、継承難易度の影響が無くなる。

 昔みたいに何度も合体結果をやり直す必要が無く、ストレスゼロ。

 もし気付いていなかった方がいたら、是非試してみてほしい。


 今回は2つ継承出来るので、ザンとアギを選択。

 ジオ、ザン、アギと3系統揃えていれば、弱点が突きやすい。


 アーシーズを仲魔に加え、もう片方の地下街に入る。

 すぐに思念体を発見。


思念体

「ああ? てめぇ、オレにガンくれただろう?」


 絶滅危惧種のような台詞が飛ぶ。

 相手にするのも面倒なので


隼人

「いいえ。」


 はいと答えたところでウィルオウィスプと戦闘して終わるのみ。

 特に益は無い。


思念体

「…チッ! 気にいらねえヤツ。」


 その台詞はそのまま返すぞウィルオ君。

 部屋に入っても思念体。


思念体

「アンタのタトゥー、イカスなあ?」


 こちらは好意的な思念体だった。

 しかしヨヨギ公園のインキュバスも言ってたが、

 『イカス』という言葉は当時流行っていたのだろうか。


 別の部屋ではお取込み中の思念体。

 通路を進むと鬼女ダツエバがいた。


悪魔(鬼女ダツエバ)

「この街は若い子が多くて、ツイていけんわい。

 特に下の階の「でぇすこ」は。」


 ついていけんというか…

 ダツエ婆さんが歩いているの見た事が無いぞ。


 右側の通路から外へ。

 魔法の宝箱からアメジストを入手。


 地下に戻って3つ並んだ部屋の右側へ。

 魔獣ネコマタと強制戦闘。

 ジオ連発、

 感電したら殴る、

 以上。

 先制攻撃されない、または躱した場合、無傷で終わる。

 アクアマリンを入手。

 宝箱からはディスチャーム2個。


 真ん中の部屋には龍王ノズチがいる。


悪魔(龍王ノズチ)

「オレタチ 悪魔ハ カグツチノ 影響ヲ受ケル。

 カグツチガ 最大ニ輝ク時、興奮シテ マトモニ会話デキヌ。

 サラニ 魔性ノ血ガ騒ギ、敵ヲ逃ガシタク ナクナル。

 カグツチガ 最大ニ輝ク時ハ、危険ガ増ス…覚エトケ。」


 隼人も悪魔のはずだが、そうならないのは何故だろう?

 ちなみに最大に輝く(FULL)時、まれに煌天会話が発生する。


 左の部屋には地霊コダマ。


悪魔

「マガツヒってね、

 どんな願いもかなえちゃう力を与えてくれるモノらしいよ。

 「強くなりたい」ってお願いとかね。

 だからみんな欲しがるんだよ。

 ボクってものしり?」


 どうやって手に入れて、どうやって活用するのか。

 具体的な手法を知りたいものである。

 (真・女神転生Ⅴだと、その機能があるらしい。)


 戻って別の通路へ。


思念体

「ヨーーォ。

 ディスコ コノ先ネ。」


 言われるがまま奥の扉を開けてディスコに入る。

 千晶がいた。


千晶

「…どんな顔したらいいのかな。こんな時。

 …喜べばいいのかな。

 「お互い無事でよかったね」…とか。

 …分かるわ。隼人くんでしょ。

 大丈夫よ、驚かないから。

 もう分かったもの。

 泣いても…大声を出しても…この悪夢は覚めないって。

 少しだけ…疲れちゃった。

 隼人くんは…知ってるの?

 世界に、いったい何が起きたのか。」


隼人

「受胎が起きた。」


千晶

「…受胎?

 それって、東京…受胎?

 隼人くんの雑誌に載ってたあれが…現実になったってこと?

 …

 …そっか。

 …嫌になるわね。

 街の外がどうなってるか…もう見たでしょ?

 わたしの家なんて、

 何処に建ってたかも分からなくなっちゃった…

 もしかしたら人間は世界中でわたし一人なのかもって、

 本気で考えてたわ。

 …隼人くんに会えて良かった。

 ちょっとだけ…希望が見えた気がする。

 無事だった人、他にもきっといるわよね。

 祐子先生だって、勇くんだって、

 何処かにいるかも知れない。

 わたし、探してみるわ。

 …このままじゃ、気が済まないもの。

 みんな…きっと生きてる。

 運命は、そんなに残酷じゃない。

 そうでなきゃ…あんまりだわ。」


 千晶は出て行った…


 まさか受胎を起こした張本人が先生だとは、間違っても言えまい。

 というか、月刊アヤカシは手にしていなかったのだろうか。

 聞きそびれてしまった感じだ。


 千晶が去ったあとは、たくさんいる思念体に片っ端から声を掛ける。


思念体

「だれ、アンタ?」


思念体

「チョット!ひとの踊りを邪魔しないでよ!」


思念体DJ

「…!…!

 …!…!…!

 …!…!!」


 DJはプレイに夢中だ。

 プレイに夢中って…思念体が機械に触れるのか?


 思念体の会話が聞こえる…


右の思念体

「ギンザの街に「新しい世界を創る」とか

 言ってる組織があるそうだよ。」

左の思念体

「え? 「新しい世界を創る」?

 まあくんこわ~い!」


 …あのバカップルだったのか。

 思念体になってもこの手の会話が健在とは、ブレないタイプらしい。

 神経もかなり図太いと思われる。


思念体

「ギンザノ 組織ニ、人間ノ男

 関与シテルラシイネ。」


 恐らく氷川の事だろう。

 たぶんそこに祐子先生もいるはずだ。


思念体

「魔法の箱を知ってるかい?

 アレには上質のお宝が入ってるって話だよ。

 でも、上手く開けないと、中身が変わっちゃうらしいね。

 …何か法則でもあるのかな?」


 後で行くギンザのじゅえりーRAGで、それらしい話は聞ける。

 さて、あとは真ん中にいる魔獣ネコマタのみ。


悪魔(魔獣ネコマタ)

「アタシ、ギンザの組織の名前知ってるわよ…

 …そうねえ。

 アタシと「いいこと」してくれたら、教えてあ・げ・る!」


 魔獣ネコマタと「いいこと」してみますか?に、もちろん


隼人

「はい。」


悪魔(魔獣ネコマタ)

「ニャー、ステキ!」


 2度目の魔獣ネコマタ強制戦闘。

 内容は先ほどと全く同じ。

 イヨマンテを装備していたからかマリンカリン無し。

 2個目のアクアマリンは有難い。


悪魔(魔獣ネコマタ)

「ギンザの組織は、ニヒロ機構って名前よ。」


 何度声を掛けても同じ台詞が帰ってくるのみ。

 2度も感電フルボッコしたから完全に嫌われたかもしれない。

 気を取り直してディスコを出、まだ行ってない部屋を探索する。


思念体

「うう…

 さっき悪魔に食われかかった、…ディスコで。」


 魔獣ネコマタと「いいこと」したのかもしれない。

 あとは宝箱から1000マッカ入手。

 全て周ったので地上に戻ると、妖精セタンタがいた。

 ヨヨギ公園から抜け出てきたんだろうか。


悪魔(妖精セタンタ)

「突然、ターミナル部屋に人間の男が現れた。

 「分かった!」とか言って、ガサゴソやってるぜ。」


 妖精セタンタはいいところの坊ちゃんに見えるのだが、

 語尾「ぜ」を言うタイプだった。ちょっと意外。


 地下街に戻ったら、まず回復の泉で回復。

 資金が3000マッカ以上になったのでジャンクショップへ。

 まだ買ってなかった禍魂シラヌイを購入する。

 それからガサゴソ音のするターミナルの部屋に入った。

 いたのは聖(ヒジリ)。


ヒジリ

「おまえ…

 …驚いたな。

 自力でこの街まで歩いて来たのか。

 どうやら、大変な力を得たらしいな。


 オレも少し前に着いたところさ。

 こいつを使ってな。


 覚えてるか…?

 同じ物が病院にもあっただろ。

 こいつはただのオブジェじゃねえ。

 トンデモねえ機能を秘めた装置だ。

 1つ1つが回廊のような不思議な空間でつながってるんだ。

 その回廊…

 「アマラ経絡」を使えば、何でも一瞬で離れた場所へ飛ばせる。

 その転送機能で、オレはここまで来たのさ。

 …恐らくこの装置はまだ幾つもあって、巨大なネットワークになってる。

 あの男…氷川の所にも必ずつながってるはずだ。


 よう、手を組まないか。

 しゃくだが、今の状況を変えるには氷川の影を追うしかない。

 ウワサじゃ

 「創生」とやらを掲げる組織がギンザにあるそうじゃねえか。

 しかも率いてるのは人間だってな。

 オレは…氷川の事だとにらんでる。

 …

 そこで、だ。

 おまえに、その組織ってのを調べてもらいたい。

 オレはこいつを操作して、おまえをギンザへ転送してやる。


 …どうだい?確かに危険だが、

 やみくもに歩き回るより、だいぶマシな提案だと思うぜ。


 …オレはしばらくここにいる。

 決心がついたら、言ってくれ。


 ただし、ギンザが今どんな事になってるかは想像がつかん。

 話に乗ってくれるなら、くれぐれも準備を怠るなよ。」


 まずはセーブ。

 それから、話を聞く。


ヒジリ

「どうだ、アマラ経絡に入る決心はついたか?」


隼人

「はい。」


ヒジリ

「…わかった。

 おまえの転送に成功したら、オレも何とかして後を追う。

 …それまで死ぬなよ。

 …それじゃ、行ってこい!!」


 いざ、アマラ経絡へと入る。

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