第18話

SAYURIから放射される青白い射光と激しい震動が、エリアから第9新都心全体へ伝播していた。

「行かなくては…仲間を…」

深町がGM9の前に膝をつきながら呟く。受け入れる事が出来なくても前に進まなくてはならない。他に出来る事は無い…沙由里と優子はもう…膝が動かない。深町の頬を涙が伝った。

「動いてくれ…頼む。やらなければならない事があるんだ…最も大事なものを失っても」

わかっている。それでも自分はもう駄目だ。立ち上がる事は出来ないだろう…優子と沙由里の居ない、多摩の家に帰る事など出来ない…。

"…また、私と心中する気なのね"

声が聞こえた。忘れもしない声だ…深町が顔を上げると見覚えのある姿が、SAYURIの前に立ち微笑んでいた。

「沙由里…」

"まだ、早いわ…優子を、ちゃんと見届けて"

姿が優しい光の流体となり、深町の頬を撫でると弾け全てが激しい閃光に包まれた。

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