第18話
SAYURIから放射される青白い射光と激しい震動が、エリアから第9新都心全体へ伝播していた。
「行かなくては…仲間を…」
深町がGM9の前に膝をつきながら呟く。受け入れる事が出来なくても前に進まなくてはならない。他に出来る事は無い…沙由里と優子はもう…膝が動かない。深町の頬を涙が伝った。
「動いてくれ…頼む。やらなければならない事があるんだ…最も大事なものを失っても」
わかっている。それでも自分はもう駄目だ。立ち上がる事は出来ないだろう…優子と沙由里の居ない、多摩の家に帰る事など出来ない…。
"…また、私と心中する気なのね"
声が聞こえた。忘れもしない声だ…深町が顔を上げると見覚えのある姿が、SAYURIの前に立ち微笑んでいた。
「沙由里…」
"まだ、早いわ…優子を、ちゃんと見届けて"
姿が優しい光の流体となり、深町の頬を撫でると弾け全てが激しい閃光に包まれた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます