第12話

「ねえ、ユッコ…」

東京中央新都心上空を飛行する車内で美雪が言った。

「おじさん、私達で何をしようとしてたのかな?」

珍しく考え込む表情の美雪。

「ゴメンね、こんな時に…でも気になるの。ユッコママの事は言わないよ、でも、おじさんは私達がああ云うふうになるかも知れない事、私達にしないと思う…ユッコママの事も、きっとあんな事になるなんて知らなかった…だから協力したんだと思う」

「知らなかった、じゃ済まされない事もあるわ」

暗闇を探るように話す美雪にレイナが力強く断言する。

「おじさまは隠し事が多過ぎるわ。QCC関係者だった事、RAKILLと繋がっていた事。ユッコだってさっきまで知らなかったんじゃなくて?」

「私は…」

レイナに視線を向けられたユッコが話し始めた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る