第18話 乙女ゲームだよね⁈ 2

 進めていくことで分かったことがある。

 これがただの乙女ゲームではないということだ。だからこそ燃えるし、ほどよいにどんどん手が伸びるのだ!


「はー攻略しづらい!でも百合くんへの好感度は上がってきましたよ!共感しかないんで‼︎」


:さっきからほどよい飲みすぎじゃね?

:いや、まだ三本なはずだ

:なんでそんな覚えてんだ⁈ ¥500

:音を聞き逃すわけにはいかないからな!

:それより男をおとすゲームであかちゃんがおとされている件について

:仲間意識だろ ¥1700

:百合くん実はこのゲームでいっちゃん攻略しづらい


「えっ、そうなの⁈だからか……まあ百合にしか興味ない男を振り向かすのは難しいですよねぇ」


:それはそう

:名前百合なのに性格が百合ではないという矛盾 ¥250

:性格も花にちなんでいるはずなのにな

:きっとシナリオライターが大変だったんよ


「何人もの分のシナリオを考えるの大変でしょうね……仲間の人にはおやすみを与えてください。このシナリオ私は好きですよ!」


『なぜ毎回僕のところに来るんだい?』の選択肢に『百合くんがいるところの近くに女子が二人で仲良くしてる気配を感じるから』とあるのは爆笑ものだからね。

 そしてそれを選んで好感度が上がるのが面白い。


:なんか休みを与えてってのが切実 

:自分も激務の経験があるんだろうな

:今は適度に休んでな肝臓も ¥5000

宮野ハナ:疲れたらハーブティーがいいわよ


「リスナーさんが優しい……ハナ先輩もありがとうございます!ところで随分進んできてません?私ずっと共感するやつを選んでるだけなんだけどさ」


:それが正解だぞ ¥500

:正解を素で選ぶのがあかちゃんなんよな

:百合があるところにあかちゃんありだもんな ¥1000

:なんか名言みたいなん生み出したな?

宮野ハナ:冬まで進んだのならもうすぐね


「あながち間違いじゃないね!やっぱりもうすぐなんですね?いやー今まで色々なスチル絵見られて良かったですな‼︎私はあれが好きですね。あの体育祭の時の借り物競走!主人公が引っ張られていったんですけど、お題が気の合う友人ですよ?大体ああいうのって好きな人とかなのに、友人!そういうの嫌いじゃない!」


:あかちゃんのマシンガントーク!

:楽しそうでなによりです ¥700

:体育祭のスチルもよき 

:普段走らない百合くんが頑張ってるしな

:最小限の力で頑張る百合くんと反対にめちゃくちゃ頑張る子がいる ¥1000

:また違うキャラのルートやってほしいな!


「終わったら違う子もやりますよ‼︎とりあえずこのルートを最後までやる!それが今私がすることですね!」


 もう少しで卒業イベントがくるからね。それまでやらないと。

 私はすっかりこのキャラとシナリオに夢中なのだ。

 まさか乙女ゲームをこんな楽しんでやる日がくるとは思わなかったけど買って良かったなあ。

 

 エンディングまでしっかり楽しむぞー!

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