第4話 レミちゃんとコラボ配信1

「もっしもーし」

「あっ、やみちゃん?おつかれさまーまだ元気残ってそうだね〜レミだよ〜」


 声の主はレミちゃんだった。

 最初の声が聞こえた時点で分かったのだけどね。レミちゃんの声には特徴があるから。

 アバターもピンク色の髪を両サイドで高く括っていて、服もゆめカワ?みたいな感じですごく可愛いし。

 私は黒くて長い髪でフードを被っていてゴシックな感じだ。そういうふうにしてもらったのだけど。

 それと、二期生はみんなポケットがついてて、その中に小さな動物のぬいぐるみが入ってる。レミちゃんがつけたいって言ったものだ。レミちゃんはうさぎで、やみがコウモリできぃちゃんはライオンでネムちゃんはねこ。全部可愛くて最高なんだよねえ。


「レミちゃん?どうしたんですか?」

「明日コラボでしょー?楽しみにしててね!って連絡だよ〜」

「それはもちろんですが……」

「んふふっ、サプライズ用意してあるんだ〜あっ、明日はやみちゃんでコラボかな?」

「そのつもりですよ」

「そっか〜じゃあまたね!」


 そうしてレミちゃんは通話をきった。

 サプライズってなにするんだろう。

 少し前から入ってた予定だから元々のやみのままでするつもりだけど……

 もしかしてバレてからシラフで配信って初めてになる⁈なんか緊張してきたなあ。

 まっ、とりあえずもう寝て明日に備えよー


次の日


「いやっほー!今日はレミちゃんと配信始めてくぞーい!常夜やみだぞー!」

「ピンクの蕾は愛情の印!可愛いは正義!蓮華ピンク桃井レミだよ。今日はいつものやみちゃんだと聞いてたから少し困惑気味だよ〜」

「やだな〜これもいつものやみちゃんですぞ?」

「そうだね〜はい、ではチョコ返していきましょうね〜」


 なんかサラッと流された。

 あっ、チョコというのは配信者に対してファンが匿名で感想だったり聞きたいことだったりを送れるものだ。時々面白いのも送られてくるんだけどね。


「じゃあまずはこれから!」


[百合好きさんはいつから百合が好きなんですか?]


「気づいたら、かな?」

「名前で呼ばれないことにはツッコまないんだね?」

「だってここからのチョコもあんまり私の名前書いてないんだもの‼︎」


:ほぼ名前書いてないって、誰だよそんなの送ったの!俺だ!

:俺もだ!

:あれ、俺がいる?

:ちわーす俺くんたち

:気づいたらってもはや恋だよな

:やみちゃんの初恋は百合ってこと⁈


「はいはい次いこーテンポよくいかないとたくさん見れないからね〜」


[百合に挟まる男をどう思いますか?僕は挟まりたいです!]


「だってさ。どう思う?」

「んーシンプルにキン◯蹴りたいですね」

「こっわ!怖いよもう!」


:ヒュンッてなった

:俺の息子が……

:とりあえずチョコ送ったやつが心配

:自分の心配もしてやれ

:挟まりたいとか思ってないから大丈夫だ


「だいたいね、百合は神聖だから美しいんだよ⁈わざわざ神聖なものの間に入ろうとしないで!あっ、でも女の子が一人増えるとかならあり‼︎」

「やみちゃんの基準が分からない……というかやっぱりこのモードの時はあかちゃんって呼ぼう。しっくりくるし!」


:赤ちゃん、だと⁈

:やみちゃんのママー!

:やみちゃんって赤ちゃんだったのか?

:初めて知ったわ

:おめでとうございます!元気な百合女子です‼︎

:生命が誕生した時からだったのか……奥深いな


「レミちゃん⁈みんな勘違いしてるんですけど⁈」

「明るいからあかちゃんなのにね〜草だね」

「レミちゃんがこう言ってるので私は赤ちゃんではない‼︎わかったら次にいこう!」


:レミちゃんが草って言ってるのが草

:アバター作ったから実質レミちゃんはママ

:ってことはやっぱり赤ちゃんだな


「だから違う!もーチョコ返さないよ〜」


:それは困る!

:お願いしますあかちゃん様‼︎

:お願いします!


「ふふんっ、分かってくれればいいんだよ!」

「なんかあかちゃんが得意げだね〜ちなみに返さないならもう終わっちゃうけど?」

「いや!まだ読みたいのあるんです‼︎ということでこれいっちゃお〜」


[カラーズの推しカプはネムシオだけなんですか?あ、あとほどよい差し入れでーす]


「実はこういうのがいっぱいきてたんですよね。ほどよいはありがたくもらう!」

「今も飲んでるでしょ〜で、推しカプは?」

「レミちゃんとこんなことを話す日がくるとは……そうですねぇ、レミきぃも好きですよ!あとは……今後が怖いですけど実はマオミツも好きですね!」

「わぉ、まさかのユニットの先輩もか〜」


進藤あおい:ぼくもユニットのメンバーで妄想してるのでわかりますよ〜

:あおいちゃんが百合話の匂いにつられてやってきた⁈

:見境ないんだなー

:でも自分が挟まってることになんねえ?

:あかちゃん的にはどうなん?


「あおい先輩もですか!ふへへっ、嬉しいです!ちなみに、私は自分関係に抵抗ないよ〜むしろ私が挟むことによって嫉妬で更にイチャつく推しカプが見たい」

「あはー欲望に忠実だね〜」

「そりゃもちろんですよ!推しカプの更なる発展のためになら‼︎」

「はいはい、暴走しそうなあかちゃんは置いといて次いこっかな。あと少しだけ返すよ」

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