第195話 異世界にもいる。
跳んで上の通路に戻ると魏王一家は、ギンジとサスケさんが居るのでもうすぐ終わりそうな様子。
武双連合の方は、メンバーが半分以上既に倒してるのでこちらも終わりそうだった。
俺は武双連合の方へ歩いて行くと、様子を伺ってる構成員達の首に魔糸を巻き付け、順番に首を落として行く。
すると、武双連合とメンバーが乱戦状態の中突然、あっちこっちで爆発が起きてメンバーと武双連合の構成員が吹っ飛ぶ。
「ぐあっ!?」
「何だ!?」
「ぶへらぁ!?」
「離れろ!!」
「どけ!!」
「お前がどけよ!!」
「ギャアアア!!」
忍者部隊の仕業だな。
3人程メンバーも吹っ飛ばされたが、大きな怪我は無いようで、わざと敵の近くへ行くと爆発を起こさせ、自分は結界を張って防ぐ。
メンバーも忍者部隊がやってる事に気付いてる。
俺はその場で刀を抜刀し、周囲の構成員を切断すると瞬殺を発動させ、数十人の構成員を始末しながら乱戦地帯を抜け、刀を持ったまま歩き出し、すぐさま走り出す。
魔眼を発動させると俺が通る前方に、魔力と魔素が集まるのが視えたので、横に逸れるとその瞬間、爆発が起こる。
忍者部隊に辿り着くまで何度も爆眼による攻撃が襲うが、全て避けながら走って行くと50メートル程手前で瞬殺を発動。
丁度爆発が起きる直前にその場から移動し、忍者部隊の最前列に居た者達の首を斬り落とすが、最後の1人が直刀で防ぐ。
瞬殺の流れで少し離れた場所へ戻り止まると、大量の忍者部隊が俺を見る。
「武双連合の連中と一緒に吹っ飛ばすとはな。流石忍者」
そう言うが誰も答えず、最前列に居た者達が姿を消し、直刀を持って迫って来た。
俺は不動金剛術を発動させ、間合いで止まった忍者部隊を一瞬で切断。
しかし、後方の忍者部隊は止まる事なく、次から次へと襲い掛かって来る。
剣神と侍神を得た事で、刀による攻撃は以前と比べ物にならない程になった。
感覚が研ぎ澄まされ、刀に魔力を流すと以前では斬れなかったものが斬れるようになり、相手が剣や刀を持ってると剣筋が手に取るように分かる。
なので自然とその隙が視えるので間を縫って避け、隙が無ければ刀で弾き道を作り、流れるように襲い掛かる忍者部隊を斬り殺していく。
数十秒で忍者部隊を50人程斬ったところで、周囲に溜気を放ち忍者部隊を吹っ飛ばすと、出来た隙に刀を納刀して居合切りの構えを取り、すぐさま抜刀。
その瞬間、通路を埋めていた忍者部隊の殆どが切断され、血を噴き出し死に絶える。
俺の斬撃を防いだ者、避けた者が数十人程居た。
今ので死なないとは、強い奴も混ざってるようだな。
忍者部隊は、仲間がどれだけ殺されようと気にせず、俺を殺そうと動き出す。
勝てないと分かっていても退かない。
洗脳でもされてるのか、死を恐れていないようだ。
まあ、忍者だから当然と言えば当然か?
残りが襲い掛かって来たので、不動金剛術で動きを止めて細切れにすると刀を振って血を掃い、納刀する。
「ふぅ」
剣神と侍神の練習には丁度良かったな。
以前ならもっと技を発動させてたが、ただ斬るだけでも十分な威力。
だがまだまだ精進しないとね。
剣の道は死ぬまで続く。
次は格闘系の職業を取得しようかな?
まあ、取得は剣神と侍神の熟練度を上げてからだけど。
「ん?」
殺した忍者部隊の死体が影に沈み、通路には血の跡だけが残る。
誰かが死体を回収した。
調べられると困る物でも持ってたのかな?
そこへ他の者達も殲滅したようで駆けつけて来た。
「師匠……忍者部隊は、始末したようですね」
「ああ」
「うむ、魏王一家と武双連合の死体も消えたが、ここも消えたようだな」
「誰かが回収したっぽいですね」
「通りやすくなって有難いです」
すると1つの気配が数十メートル先に現れたのを感知し、振り向くとそこには、白い髪をオールバックにした白いスーツを着た男が立っていた。
「どうも初めまして」
「マジかよ」
「どうしたんですか師匠?」
俺が言う前にサスケさんが口を開く。
「悪魔」
「アクマ? ってあの悪魔ですか?」
「ああ、この世界にも居るとはねぇ」
ゲームにも居たけど……あの死体。
この悪魔を受肉させるために使ったのか。
「我々を知ってるとは驚きですね」
「何体か倒した事があるからな」
「ほう、それはそれは……どうやら本当のようですね。ですが、私を他の悪魔と同列にされては困りますよ」
「師匠、ここは僕がやります」
「倒し方は知ってるのか?」
「はい、実戦は初めてですが」
「なら丁度良い機会だ。倒してみろ」
「キジ丸君、ギンジ君1人で大丈夫かい?」
「まあ、ギンジなら大丈夫だと思いますよ。危なくなったら代わるからな」
「はい!」
そう言って前に出るギンジ。
「おやおや、1人で私と戦うつもりですか?」
「ああ、僕が相手をする」
「では、他の方達の相手はこの者らに任せましょう」
悪魔がそう言うと奴の周囲の空間に大量の黒い穴が出現し、穴から二足歩行のガーゴイルっぽい生物が姿を現す。
ふと気付くと俺達の背後にも、大量のガーゴイルが姿を現しており、俺達は挟まれた状態なる。
「これって、あの悪魔を倒さないと永遠に出て来る感じの魔物じゃね?」
「ふむ、奴が生み出してると見て間違い無さそうだ」
「ギンジ、さっさと倒せよ?」
「師匠とサスケさんは、先に行って下さい」
「そうです。ここは俺達とギンジさんでやります」
メンバーもそう言い始める。
ん~……ここで足止めくらうのも面倒だし、任せて先に行かせてもらうか。
一応、ギンジの影に分身を1体忍ばせておく。
「分かった。ではサスケさん。先に行かせてもらいますか」
「お前達、油断するなよ?」
「「「「はっ!」」」」
「ギンジも、相手は悪魔だ。油断するなよ? 殺されれば力を奪われるからな?」
「は、はい!」
「ほう、悪魔に殺されると力を奪われる事を知ってるとは驚きです」
「ちょっと奪われた奴を知ってるからな」
ゲームでの話しだけど。
「しかし残念ですね」
「何が?」
「私はここを誰も通すなという契約で受肉したので、先に行かせる訳には行かないのですよ」
悪魔がニヤっと笑みを浮かべると、身体から大量の瘴気を放ち通路に充満させる。
「これで誰も通れません。では……はっ?」
「さっさと来ないとリュウゼンを貰うぞ!」
「後は任せる!」
そう言って俺とサスケさんは、瘴気の中を駆け抜けて行く。
原初の悪魔の瘴気程じゃないし、これぐらい耐性がある俺には意味が無い。
サスケさんも状態異常の耐性があるので、大丈夫のようだ。
「な、なぜ私の瘴気に触れて無事で居られる!?」
「お前が弱いからだろ!」
手を振りながら走り去る。
そろそろトップが出て来るかな?
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