第194話 組織の襲撃。
床を照らす罠を超えた後、真っ直ぐ続く通路を歩く事約10分。
突然前を行っていた斥候達のすぐ目の前で、爆発が起きて斥候の3人がこちらへ吹っ飛ばされて来る。
すぐさま後ろに居た補佐の3人が、吹っ飛んだ者達を受け止め、俺達の所まで下がった。
「爆弾か?」
「いや、魔力による爆発だ」
爆発による煙を見ながら言うサスケさん。
俺もすぐ魔眼を発動させて見ると、周囲に漂う魔力が視える。
確かに魔力だ。
魔法か遁術かは分からないが……。
「爆発する前、何か無かったか?」
吹っ飛ばされた斥候は、大した怪我は無いようで無事だった。
周囲を警戒していたので問いかけるが特に何も無く、突然目の前で爆発が起きたという。
「ん? 爆発の直前に何か火や光りのようなものは無く、突然あの規模の爆発が起きた?」
頷く斥候達。
うむ、それはおかしい。
遁術でも魔法でも爆発が起こる前には、必ず魔力を圧縮するから小さな火や光りが発生するはず。
そんな前触れも無く爆発……あっ。
「近くに敵が居るぞ。今のは爆眼だ」
それもかなり威力が高い。
「やはりそうか、爆眼を持つ者は少ないのであまり知らないが、何も無い空間で突然爆発するというのは本当らしいな」
「魔眼を点で重ねると視えますよ。魔力ではなく魔素が集まるのが」
「魔素? 爆眼は魔素を使ってるのか?」
「石眼も同じです」
「僕も爆眼を持ってますが、そういう仕組みだったんですね」
「ギンジは爆眼を選んだのか」
「はい、見ただけで爆発させられるって憧れるじゃないですか?」
扉とか門を睨んで破壊! とかやりたいよね。
分かるぞその気持ち。
「でも、遁術でも同じ事が出来るよな?」
「えっ、マジですか?」
いや、あれは体内に印を書く方法を知らないと出来ないか。
「たぶんな……それより、敵の居場所が分からん」
空間感知、気配察知、魔力感知でも反応が無い。
爆眼を使うなら50メートル以内には居ると思うんだけど。
…………いや、違う。
俺は空間感知を前方に広げると、500メートル程先に大量の忍者部隊が通路を塞ぐように立っているのを発見。
あそこから爆眼を使ったのか。
おそらくあのマスクに付いた目のレンズ。
あれが射程を広げたんだな。
「前方約500メートルに敵発見」
「そんな所から!?」
「ほう、数は?」
「ハッキリとは分かりませんが100以上居ますね」
サスケさんが俺の答えを聞いて少し考えると口を開く。
「ここは私が残って殲滅しよう。私が影に潜り突撃し、敵を混乱させたら全員先へ行け」
しかしメンバーがそれに反対する。
「長、ここは我々が残って殲滅します」
「そうです。奴らを殲滅したらすぐ後を追います」
それは死亡フラグだぞ?
仕方ない、ここは全員で……ん?
話し合いをしてると突然背後に大量の気配が出現したのを感知し、振り向くとそこには、ライフルや武器を持った黒スーツの男達が立っていた。
その数ざっと200以上。
通路を埋め尽くす黒スーツの男達。
「何だあいつらは?」
「たぶん魏王一家の構成員ですね」
そこで進んでいた方にも大量の気配が出現するとそこには、大量のギャングのようなチンピラのような恰好をしたムキムキの男達が手には武器を持ってニヤニヤと笑いながら立っていた。
「武双連合か」
「うむ、馬鹿かこいつら?」
俺の言葉に頷くギンジとサスケさん。
「挟撃は良いですけどこの立ち位置で、銃やライフルはダメですよね」
「武双連合の連中に当たってしまうぞ?」
すると次の瞬間、黒スーツ達が銃を構え、一斉に撃ち始める。
俺達は全員影に潜って避けると、武双連合達の手前には見えない光の壁があるようで銃弾を弾く。
数秒撃ち続けると銃弾の雨が止み、すぐさま後方の奴らが前に出て銃を乱射。
その間に半分のメンバーを影移動で、黒スーツ達の方へ向かわせ殲滅を開始。
「うおっ!?」
「何だ!? どこから現れた!?」
「ぐあ!!!」
「ギャアアアアア!!」
「この野郎!!」
と、黒スーツ達が混乱し始めるたので残り半分を武双連合達へ向かわせ殲滅開始。
俺とギンジとサスケさんはその場で影から出る。
「じゃあ、殲滅するか」
「ですね」
「ああ、さっさと終わらせよう」
ギンジとサスケさんが黒スーツの方へ行くと俺は、武双連合達の方へ歩いて行く。
だがその瞬間、地面に落ちた銃弾が一瞬光り、宙に浮いて俺の方を向いた。
「なるほど、そう来るか」
俺はすぐさま念話でギンジとサスケさんに、銃弾が動く事を伝えると銃弾が一斉に動き出し、まさに弾丸の雨といった感じで迫って来たので俺は、自身を強化して両腕をクロスして顔を護ると銃弾が俺の腕を掠め、小さな傷を付けると次々と全身に小さな傷が付き始める。
正面から当たる銃弾は弾くが、掠める銃弾により傷が付くな。
強化してる身体を傷付けるとは、銃弾自体強化されてるね。
ギンジとサスケさんも強化してなんとか耐えている。
しかしこの銃弾、黒スーツ達の方へは飛んで行かない。
まあ、誰かが操ってるんだろう。
一度通り過ぎた銃弾は、ギンジ、サスケさんを襲うとまた方向転換し、俺達に迫っていた。
どこから操ってる?
この精度ならそんなに離れられないはず……下か。
俺は全身から溜気を放ち、銃弾を弾くと地面に向かって右拳を打ち込む。
すると俺の周囲半径5メートル程の地面が崩落し、下に居た連中を下敷きにする。
下には、上と同じような通路があり、白いローブを着た者やシスターの格好をした者達が、魔法陣を展開していた。
女神の懐だ。
数は約100人程。
悪いが一瞬で終わらせる。
落下して空中に居る俺は、無属性で空中に足場を作ると技を発動。
影明流奥義・五式斬獄
その瞬間、通路に居た女神の懐のメンバーは全員、細切れになって絶命。
死体が転がる中でチンッと納刀すると共に、残りの瓦礫が全部落ちる。
女神の懐構成員全滅。
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