第4話

 そして、俺が発見されてリビングに引きずり出された。自分のことを説明するというのは存外恥ずかしいもので、しどろもどろになりながら自分と月城ルナが姉弟であることを2人に理解してもらうことはできた。そして、俺が配信者であり、ふーかという名前で活動していることがバレた。しかも、APEXの大会の時にミアさんとかルナにはコーチングをしたこともあり、ゆきくんともコラボ自体はしたことがあった。つまり、俺はこの場の全員と面識があったのだ。そのせいだろうか。二人の目が輝いているように見える。どんな追及が待っているのかと戦々恐々としていると。

「二人ってなんか似てないよね。」とゆきくんが言った。

「私たち、実は......血が、つながってなくて。虹心っていうか綺羅星ステラとあたしは実の姉妹なんだけど、こいつは私たちの母親とこいつの父が再婚してできた義理の姉弟なんだよね。だからあんま似てないってこと。でもさ、ほらかっこいいでしょ?けんかとかもするけど、自慢の弟なのよ。」そうルナが答える。

「それは認める。私は結構タイプだよ。」

「私もこの子はかっこいいと思いますよ先輩!」


「お二人は何歳差なんですか!?」これはミアさんからの質問。

「俺が20で、こいつが22だから、2歳差やね。」

「いいなぁ~。私年が近いお姉ちゃんほしかったんですよね。」

「こいつならあげるよ。お金持ってる以外に取り柄ないし。」

「は?殺すぞ貴様。」

「ワーオネェチャンコワーイ」


そんな感じで質問攻めにあって時が過ぎ、いつの間にか時間は夜だった。

そして、今、俺はミアさんと一緒に鍋に入れるための野菜を切っている。帰るタイミングを失ってしまったのだ。4人で話しているうちにあれよあれよと一緒にご飯を食べることになってしまった。ネギを姉に見立ててぶった切るも多少大きな音が鳴ったことでミアさんがビクッとしただけで現実は何も変わってくれなかった。その後、俺は無心になって料理に取り組んだ。昔料理人を志したこともあり、料理には自信がある。

そして、鍋が完成した。

「この鍋おいしい!出汁を一から取ったからなんでしょうか。あとは、柚子でしょうか。ふーかさんって料理お上手なんですね!」

ミアさんは自炊する人らしい。少し手伝ってもらった時、俺の手際には及ばなかったが包丁さばきなどから料理慣れを感じた。普段から料理をする人だからこそ料理の細やかな工夫にも気づいてくれるのだろう。

「えへへ。そういってもらえるとうれしいね。」

「ねぇ、あんた。うちと同棲しない?」

「しねぇよ。何で姉としなきゃいけねえんだよ。」

「渚。肉団子とって。」

「はいはい、由希、器貸してね...... は?」

「あ、間違えた。」

そのとき、本日2個目の爆弾がゆきくん、いや由希から降ってきた。


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