第6話 廃屋の謎

夜が訪れると、霧雨村は再び濃い霧と雨に包まれた。夏川遼と山本進は懐中電灯を手に、村の外れにある廃屋へ向かっていた。廃屋には以前見つけた音声再生装置や隠された地下室があり、再調査が必要だと考えたからだ。


雨の中、二人はぬかるんだ道を進み、廃屋にたどり着いた。廃屋は相変わらず荒れ果てており、雨音が屋根を叩く音が不気味な静けさの中に響いていた。


夏川と山本は廃屋の内部に入り、以前見つけた音声再生装置を再び確認した。夏川は慎重に装置を調べ、スイッチを入れた。


再生装置からは前回と同じように、不気味な音声が流れ出した。しかし、今回はその音声の中にかすかに聞こえる何かがあった。夏川は耳を澄ませ、その音声を注意深く聞いた。


「これは…何かを暗示しているのか?」


夏川は音声を録音し、後で解析することにした。次に二人は隠された地下室へ向かった。


地下室に降りると、そこには古びた箱や書類が散乱していた。夏川は手帳やメモを再調査し、何か見落とした手がかりがないかを確認した。その中で、古い地図とともに一枚のメモを発見した。


「これは…」


メモには、古い文字で「光の場所」と書かれていた。それは以前の調査では見つからなかった手がかりだった。


「山本さん、このメモの意味がわかりますか?」


山本はメモを慎重に読み、考え込んだ。


「『光の場所』…これは村の伝承にある場所かもしれません。村の北西にある森の奥深くに、伝説の光が現れると言われている場所があります」


「そこに行く必要がありますね」


夏川は地図とメモを手に、次の調査場所を決めた。


さらに調査を進める中で、夏川は古い写真の束を見つけた。それは数十年前のもので、霧雨村の様子や村人たちの姿が写っていた。しかし、その中の一枚が特に不気味だった。


「これが…」


その写真には、薄暗い森の中に立つ人影が写っていた。その人影はまるで亡霊のように薄れており、その周囲には奇妙な光が漂っていた。


「この写真が、藤村さんが言っていた亡霊の証拠かもしれません」


夏川はその写真を慎重に調べ、何か手がかりがないかを探した。


調査を続ける中で、夏川は廃屋の奥にあるもう一つの部屋を見つけた。その部屋は以前には見つからなかった隠し部屋であり、そこにはさらに多くの古い書類や道具が置かれていた。


「ここにはまだ手がかりが隠されているかもしれない」


夏川は隠し部屋の中を調べ、さらに詳細な手がかりを探し始めた。山本もまた、古い文献や地図を調べていた。


隠し部屋の調査中、夏川は奇妙な装置を見つけた。それは前回見つけた音声再生装置とは異なる形をしており、さらに精巧な作りをしていた。


「これは…」


夏川は装置を調べ、スイッチを入れた。装置からは再び不気味な音声が流れ出したが、今回はその音声の中に明確な言葉が含まれていた。


「光が導く…亡霊の道を…」


その言葉は謎めいており、夏川はさらにその音声を解析することにした。


隠し部屋で見つけた新たな手がかり、音声の正体、そして古い写真に写る亡霊のような人影。夏川は謎解きの糸口をさらに掴み、次の一歩を進める決意を固めた。藤村謙二の失踪の真相、そして亡霊の正体とは一体何なのか?



次回、夏川と山本は「光の場所」へと向かい、そこでさらなる手がかりを発見する。村の伝承に隠された驚愕の真実とは?物語はさらに深い闇とサスペンスへと進んでいく。

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